表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/109

イベントスタート

なんかよくわからんけど、イベントで公式に紹介され、急増した視聴者。

いつものじゃれ合いを経て、概ね好意的に受け入れられた。

これらはすべて計算どおりだとのたまうユキでありました(嘘つけ)









「……コホン。と、とりあえず、気を取り直してイベントに向き合っていくよー」


 イベントの始まりとしてはあんまりなスタートとなった訳だけれど、切り替えよう。

 いつまでもグダっていてもしょうがないからね。


 気合いを入れ直していると、不意にひとつのコメントが目に止まった。


「『結局ステータスはどうなった』……んーとそうだね。今のHPはこんな感じ」


◆◆◆◆◆◆◆◆

 名前:ユキ

 職業:聖女

 レベル:30

 HP:10647

 MP:0

◆◆◆◆◆◆◆◆


 ひょいっと見せた私のステータス欄に、コメント欄がまた一気に盛り上がる。

 ふふふ。レベル30に制限されてなお5桁を維持できたのは、大きなインパクトになったみたいだね。


 装備によるVITの増加が本当にありがたい。レベル30としてのVITは、600に届かないといったところ。

 あ、因みにだけど、本来のステータスだとHPは15000も超えたよ。凄いでしょ。


「『方針』んー……方針かぁ。どうしようかな。

 みんなはどうして欲しいとかある?」


『生存優先で』

『殲滅』

『殲滅』

『殴り込み』

『徹底攻撃』

『芋無し』

『ひたすら攻める』

『キルポ稼ごう』

『お ま え ら』

『古参勢の連携がひどい』

『HP極振りだよな……?』

『耐久特化に攻めさせるのかww』

『え、この人HP極じゃないの?』

『そうだぞ』

『そうだぞ』

『大丈夫。HP特化の攻撃力特化だから』


 物凄く活気付いてしまったコメント欄を、なんとか目で追っていく。

 これはあれだね。見事に、ご新規さんかそうでないかで分かれてるね。


「あー……なんて言えば良いかな。攻めるってことに関してなら、充分可能だと思うよ。

 ただ、()たない気がするんだよねー」


『ええ……』

『可能なのか』

『凄女サマだからね』

『凄女は有数のアタッカー』

『バトロワだとHP持たんかー』

『一人倒すごとにHPかなり使うもんねw』

『アイテムとか落ちてるんちゃうの?』

『アイテム次第か』


「そっか、アイテムか!」


 今回のレギュレーションでは、装備品と一部のアイテム(矢とか)以外は全面的に持ち込みを禁止されている。

 回復や多少戦闘が有利になるアイテムなど、消耗品の類は全てフィールドの探索によって入手することが出来る……らしい。


 まぁつまり、ポーションさえ見つけることが出来れば。


「ガンガン攻めていって良いってわけか。

 それになにより、数が減るすなわち私の順位が上がるってことだもんね」


 それにそう言えば、撃破数でもランキング報酬が出るんだっけ。

 うん。それならそっちも目指してみても良いかも?


 そもそも、篭もり気味に戦うなんて性に合わないしね。

 さーちあんどですとろい。ガンガン(ビーム撃って)いこうぜ!!


『脳筋の顔』

『凄女サマの顔になった』

『これはやらかしますわ』

『[朗報]神回確定』

『目に見えて張り切ってて草』


 やらかさんわ!!

 見ておれ。これから私の快進撃が…………お?



 気合いを入れて進み出そうとした瞬間だった。

 遠目に、小さな影が見える。岩肌をゆっくりと、警戒するように進んでいるのは、間違いなくプレイヤー……参加者だ。


 剣と盾を構えている……オーソドックスな戦士スタイルってやつかな。


「む、剣士か。そんな重装備って感じはしないし……10%くらいかな?」



 ある程度まで近づかないと、意識しても相手の職業やレベルは表示されない。

 だから、威力は本当になんとなく。まぁ、これでも過剰くらいだろう。


 不安があるとすれば、事前に察知して避けられることだけど……

 うん。問題ないね。


 充填している間に、向こうも気付いたらしい。

 盾を前面に構えて、じわじわと距離を詰め始める。

 顔がはっきりとみえたあたりで、一気に駆け出した。


 私の装備からみて、先手必勝と判断したかな。

 けどそれは、甘いと言わざるをえないねっ!


「【発射ショット】!!」


 10秒ちょっとの充填を経て、私からの一撃が放たれる。

 剣士さんは迫りくる光弾を冷静に盾で受け止めようとして──そのまま、呑み込まれて姿を消した。


「よし。まずは一人!」


『ひぃ』

『ひえー』

『やっぱりえげつなすぎる』

『悲報 対人でも凄女』

『これは反則w』

『何が起きた???』


 一人を倒したことで、視界の右端に1という数字が表示され始めた。

 なるほどね。ここでキル数を確認できるってわけか。

 さっきも言ったけど、撃破数でもランキングは集計されるから……こっちも順位以上に大切。


「えっと、これが基本的な私のスタイルかな。

 HPの一部を消費して、それを攻撃力に変えるって感じ。一割くらい私のHPも減っているでしょ?」


 初見さんも多いから。改めて説明というか、解説を挟みつつ。

 私は次のえもn……プレイヤーさんを探しに向かう。


「報酬が出るのって、生き残れたかどうかとあと撃破数の2つだっけ?」


『最終スコアランキングもあるよ』

『キル数が多いほど上位な、撃破数ランキング』

『生存ランキングは、一番最後まで生き残った人から順番に順位付け』

『撃破数から、生存順位を基に加算された最終スコアによるランキングもある』

『最終ランキングが一番重要とかなんとか』


「……あ、そうだね、もちろん覚えてたよ! さいしゅうらんきんぐ!」


『嘘だな』

『わかりやすすぎる』

『これはひどい』

『どーせあれだぞ。最後まで生き残ってたら最終ランキングも上がるでしょってノリで説明読み飛ばしてたやつだぞ』

『めっちゃありそうw』


「ち、違うし!!」


『???』

『ほんとかな??』

『話しながら一人消すんじゃないw』

『作業のように2キルwww』

『最終スコアに加算されるポイント言ってみ??』


 ……まあ、サクっと倒せちゃうもんは仕方ないよね。

 今度は魔法使い風の装備だったから、7%くらいにしてみた。


「え、えーと……あ、ポーションめっけ」


『逃げるなw』

『おい(』

『露骨にカメラの方を見ようとしないのほんと草』

『なんでこの人カメラとバトってるのww』

『なんとかして正面の視界に入り込むカメラVS意地でもカメラを見ようとしない女』

『ユキのカメラはマジで優秀なんよ』

『おいまた戦士が一人犠牲になったぞ』

『四人分の消耗がポーション一つで回復されて笑う』


「あーもうっ! 近いっ!」


 びしっと、しつこく近寄ってきたところを軽く小突く。

 くるんと回ったカメラさんは、少し離れたところで落ち着いた。


「……四キル、生存人数100人以上」


 何気なく、視界の片隅に表示されている情報を読み上げる。


 視聴者さんたちに確認してみたところ、順位でポイントがつくのは100位から。

 そこから、21位までが3点、11位までが5点。6位までが10点で、5.4位が20点。あとは順番に30、50、100という要領で加点されていくみたい。


 これってどうなんだろう。結構参加者いるっぽいし、やっぱり上位を取るには撃破数も稼いでいかないとダメかな?


 当然ながら、ゲームはまだまだ始まったばかり。

 さーて。目標はでっかく、5位以内20キルでやってみましょうか!




(当然ながら、このゲームでは20キルを取っても骸骨が積み重なるバッチは手に入りません)


遅くなって申し訳有りません。

2日間に合わなかったので開き直って修正なり加筆なりしてました(おい


来週は戦闘の予定。

ただし、ユキがいつも予想不可能な行動しだすので予定は未定とも言う。

これからものんびり進めていくのでよろしくね!


※総合35000突破本当にありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2023年1月20日に、第1巻発売されます!➡︎告知https://twitter.com/komaru0412/status/1584742818631012352?t=No8qGuhtVt37w2Jk0SwIKg&s=19
― 新着の感想 ―
[一言] やっちゃえ!バー〇ーカー!
[一言] ユキを知らない戦士っぽいプレイヤーがHP1000未満だった時点で普通のプレイヤーの大体のHP量が予測できましたね。 打倒ユキを志すプレイヤーはHPがいくら高くても無意味だと知ってるから火力特…
[一言] 相手から削り取ったHPが4000以上でなんかハンマーが2本クロスしてるバッチは手に入りますか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ