夢の大台！

　　

『戦闘に勝利しました』

『只今の戦闘経験によりレベルが40に上がりました』

『只今の戦闘経験により[ヘイトコントロール]を修得しました』

『只今の戦闘経験により[鎧通し]を修得しました』

『只今の戦闘経験により［最大HP上昇］が［最大HP上昇Ⅱ］になりました』

『只今の戦闘経験により［求道者］を習得しました』

『S4フィールドボスの初撃破報酬によりボーナスポイントが付与されます』

『S4フィールドボスを全ワールドで初めて討伐したことにより報酬が付与されます』

「やったーー！」

「お疲れさまですっ！」

『うおおおお』

『８８８８』

『８８８』

『おめ』

『やばいｗ』

『勝てるのヤバスギ』

　トウカちゃんを助け起こして、無事勝てたことを喜び合う。

　コメント欄も大盛りあがりで気持ち良いね！

「かなりギリギリだったけど、勝てちゃった！」

「奇跡的なくらいに相性も行動も噛み合いましたね……」

「もう一回勝ってって言われると厳しいかも。

　さて、それじゃあお互いにリザルトチェックの時間と行きましょーか」

「はいっ」

　大きなボスを倒した後は、たいてい大きな成長を得られる。

　これがまたゲームの醍醐味っていうのかな。確認の時間って楽しいよね。

「んーと。まずはレベルが40。うわ。一気に上がったなぁ」

『40！？』

『5上がってるｗ』

『上がり過ぎで草』

『まあ、レベル55のフィールドボスだもんな』

『格上がすぎる』

「ほんと、よく勝てたよねぇ。

　さて、じゃあとりあえず報酬も合わせたポイントを全部VITに振って……あ！　600乗ったよ！」

『すごｗ』

『全振りの恐怖』

『えげつないな』

「更に！今回強化された最大HP上昇の効果も合わせまして……現在のステータスは、こちら！」

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　名前:ユキ

　職業:聖女

　レベル:40

　ＨＰ:10985

　ＭＰ:0

　◆◆◆◆◆◆◆◆

「なんとなんと、ついに1万の大台を突破致しましたーー！！」

『は？』

『は？？』

『やｗばｗすｗぎｗ』

『最強じゃん』

『五桁ｗｗｗ』

『目標達成か。おめでとう』

『ほんまや』

『HPもだけど、MPの0がまたｗ』

「えへへありがとう！　いやー……過去最大級に加速しているコメント欄が、インパクトを物語っているね。

　MPはね……もう仕方ないよね……。

　あ、でもほら！　フィールドボスだから多分またなにかもらえるし……！」

『そういう期待は駄目って学んだでしょ』

『視聴者は別方向の期待をしているんだよなぁ』

『豪華報酬が無駄になる展開まだですか？？』

『はやく絶望して』

『絶望を見るために我々はここにいる』

「ねえひどくない？　みんな酷くない？？

　ま、まあいいや。新しく増えたスキルと、称号を確認するよ」

　ウィンドウを操作し、ポンポンと共有していく。

　とりあえず、スキルは一気に二つ並べちゃおうか。

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　技能:ヘイトコントロール

　効果:3分間、自身の行動によるヘイトの蓄積率を1.5倍にする。

　条件:強敵のヘイトを最も取っていた時間が一定以上になる

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　技能:鎧通し

　効果:ダメージ算出の際、相手の防御力を10％無視する。　常時発動。

　条件:自身より防御力の高い相手に一定以上のダメージを与える

　◆◆◆◆◆◆◆◆

「お！　どっちも有用じゃん！」

　ヘイトコントロールは、HPの高い私を狙ってくれやすくなるから便利だし、鎧通しも［聖魔砲］の威力に影響するから結構大きい。

　これはかなり良いもの引いたね。

　続けて、称号。

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　称号:求道者

　効果:自身の最も高い基礎ステータス二つを10％上昇。その他のステータスを20％減少。

　　　 オン・オフ切り替え可

　説明:一つの道を追い求めるものは、他を犠牲にしてでも更なる飛躍を願う。

　◆◆◆◆◆◆◆◆

「こ、これはっ！！」

　すぐさま、効果をオンに。

　その瞬間、先程まで片隅に表示していたステータスが更新された。

　表示されるHPは……11999！！

『えｗｗｗ』

『えっぐｗｗ』

『もう誰も倒せないやん』

『異次元どころか異世界すぎる』

『1足りないのおもろいな』

『ほんとそれ。どうしてｗ』

「そ、それはわかる……どうせなら12000に乗せて……」

『妙に残念なのが笑うよな』

『でも、今回やばくない？』

『全部有用じゃん』

『一つも腐ってないね』

『お、おかしい！！』

『運営さん！　俺たちのユキちゃんを返して！』

『こんなのユキじゃねえ！！』

「皆して好き勝手言ってんじゃなーい！！

　こういうことだってあるの！　私の時代が来たの！　おとなしく認めろ！」

　一斉に巻き起こる、ブーイングの嵐。

　いや、皆おもしろ半分で言っているのは流石にわかるけど、こっちの身にもなってくれ！

　今日の私は、まさに時代が来たって感じだね。

　得たもの全部アタリって感じで、最重要なHPも大幅強化。いやー気分が良い。

「さーて。最後はフィールドボス初討伐報酬だよ。

　かなり高レベルの相手だっただけに、かなり期待が持てるよね……！」

『いや』

『期待』

『いやここはｗ』

『そうだ！まだ最後が残っている！』

『最後の最後でひっくり返せ！』

『分かってんだろうなぁ運営ッ！』

　勝手に盛り上がりを見せているコメント欄を横目に、ウィンドウを操作。

　ふん。言うだけ言ってればいいさ。今日の私はキているんだ。

「ほーん？　ミスリルリングS。　Sってなんだスペシャルかな？

　えっと、詳細は……」

　◆◆◆◆◆◆◆◆

　アイテム:ミスリルリングS

　分類 :アクセサリ

　性能 :MP消費量-20%

　説明 :極めて高純度なミスリル鉱から作られた、魔法のリング。

　　　　　装着者による魔力の使用を大きくアシストする。

[ユニークアイテム] [譲渡不可]

　◆◆◆◆◆◆◆◆

『おおおおお』

『うおおおお』

『キタアアア』

『神！』

『ｗｗｗｗ』

『おつかれｗｗｗｗさまですｗｗｗ』

『期待を裏切らないｗｗｗ』

『草ｗ』

『最高』

『どんまい』

『［速報］やはり神ゲーだった』

　…………泣いて良い？