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地下墓地 最深部へ

 カタコンベ。聖魔砲にとって最高の条件が揃うエリアだった。

 相性の良さに身を任せ勢い全開で突き進むユキは、ついに最深部に到達する。





「ん~。【最後の力】はまだしも、【バックスタブ】はまだ使い道あるかな。狙ってつかうというよりはお守り程度になりそうだけど」


 敵の居なくなった部屋へ、ゆっくりと立ち入る。

 三メートルはありそうな、大きな扉が出迎えた。


『せやね』

『凄女サマお得意の無差別攻撃のときに効果出るかも』

『しっかしポンポン尖ったスキル発掘するなぁ』

『最後の力エグくない?』

『やばい。取得条件、いま書いてなかったけど結構わかりやすいし』

『これは後追い出ますかね』

『ロマン砲にもなるし、普通の人でも持ってて損は無い』

『発動したときが重すぎるもんなぁ』


「INT2倍とか、カナに使わせたらやばそ~」


『このゲームの魔法、INTに対応して効果範囲も変わるものが多いんだよな』

『マップ破壊兵器化が進む』

『やっぱり魔王様じゃないか(歓喜)』

『ユキも大概だけど、やっぱり火力って意味では攻撃特化層がぶっちぎりだよね』

『凄女サマはあくまでHP極なんだから当たり前でしょ(』

『インフレ世界を比較するな俺らが虚しくなる』

『HP特化に火力で勝てない俺ら』

『やめろーー!!』


「あはは……まぁ、私もいつまでも順調とは限らないしね」


 もしかしたらHPに盛るだけじゃ耐えきれなくなるかもしれないし、逆に、火力もぐんぐんのびて余計にうまく行くかもしれない。

 先のことなんて全くわからないよねぇ。


 さて、そうこうしているうちに、もう門は目の前だ。

 私の身長の二倍ほどはあろうかという程に、巨大な扉。


「……どうやったらこうも巨大な門を作ろうと思うんだろう」


『それを突っ込むのかw』

『いや確かにね!?』

『人の力じゃ開かないでしょうね』

『開門装置が必要なレベル』

『遺跡あるあるに突っ込み始めたらキリないぞ()』


「いや、それはわかってるんだけど!

 さて、どうやって開けるのかなーっと」


 ぱっと見、近くにスイッチとかは無さそうだけど…………あ。


 あった。門の中心、私の目の高さ位のところに、小さな窪み。

 薄く、小さな長方形の穴。


「……何か嵌め込む感じ? え、そんな鍵みたいなもの、何処かにあったっけ」


 記憶を探る。えーっと、心当たりはある、はず…………


『神殿のやつでしょ』

『騎士さんに貰ったやつね』

『鍵預かったでしょ』

『鍵』

『ポンコツか???』


「えっ、あー…………や、やだなぁ。もちろん覚えてたよ。グレゴールさんに貰ったよね」


 インベントリから取り出したのは、例の印判。

 神殿を出る時に、グレゴールさんから預かったものだ。


「そういえば、カタコンベの入口でこれを使えって言ってたなぁ」


『いやw』

『やっぱり忘れてんじゃねえか』

『ペンダントと道中の探索に意識持っていかれたんだろうなって』

『はいかわいい』

『少なくとも、慎ましく祈りを捧げるよりはユキっぽい』

『それはわかるw』


「ねえ君たち好き放題いいすぎじゃない?」


 今に始まったことじゃないけどさ。

 まあいいや。

 そーっと、嵌め込む。 バッチリと当てはまった。


 その瞬間、印判から溢れ出した光が,門全体へと広がり始める。

 白い線が大きな盤面をほとばしり、気付けば紋様が浮かび上がっていた。


「わ、わ…………!」


 思わず一歩下がって、見上げる。

 門は、印判に描かれた物と全く同じ形の紋章をくっきりと映し出していた。

 今、鈍く重い音を立てながら、ゆっくりと開き始める。


『わーお』

『壮観』

『かっこいいね』

『良き』

『魔力は通さなくて良いのね』


「あれ? ホントだ。聖なる力を流せとか書いてたような…………」


『あれじゃない?入口はそうするべきだった的な』

『凄女サマが聖女様になったあれか』

『あの一瞬だけは聖女だった』

『十秒後には正常に戻ったんですけどね』

『草すぎる』

『おまえらなぁwww』


 相変わらず失礼極まりないコメント欄。それが面白いんだけども。

 でも、お陰でなんとなく見えはしたね。


 そっかぁ。本来は、最初の入口のところで、言われたように鍵を使うべきだったのかな?

 あの時は、このペンダントに導かれるような感覚で自然と跪いちゃったんだよね。


 ペンダントと言えば。この、星を型どったアクセサリーも本当に謎だ。

 明らかに普通とは違う雰囲気を見せるおばあちゃんは、まるで何でも見透かしているかのようで。

 そんな彼女から受け取った一品もやはり、生半可なものではなかった。


 稀代の聖女様が作った……って言うのも謎が深い。

 そこそこ前の時代であることは間違いないみたいだけれど。一体何者なんだろうか。


「ま、色々と謎は尽きないけれど。徐々に解明されていけば面白いよねーっと」


 部屋の中に、足を踏み入れる。

 内部は、覚悟していたほど広くなかった。


 長方形状の、部屋。

 正面方向には比較的すぐに壁が見える代わりに、両サイドはそれなりに広い。

 そして。壁際中央付近には、大きな棺と玉座が備えられていた。


「ん……ここが最深部、かな」


『せやね』

『ぽい』

『ボスだと思ってた』

『わかる』

『わかる』

『ボス部屋っぽい雰囲気じゃないね』

『普通にお偉いさんのお墓って感じ』


「だねーー。私も身構えてたんだけど、どうやらボスじゃないみたい」


 ゆっくりと、棺に歩み寄る。

 やるべきことは、何故かわかっていた。


 大きな箱の前に跪き、祈りを捧げる。

 温かな光が部屋中に広がって行き、空気の重さが完全に無くなった。


『地下墓地の浄化度が100になりました』

『特殊クエスト[地下墓地の異変]エクストラクリア条件を満たしました』


 不意に響き渡った、インフォメーション。

 どうやらこれで、地下墓地の浄化は満了したことになるらしい。


 後は、グレゴールさんに報告をすればクエストが終わるのだろう。

 そうとなれば、こんな所にいつまでも居る必要は無い。さっさと帰ろう。


 そんな、矢先だった。


「…………ッ!」


 不意に、胸元から強い光が放たれる。

 それが真っ直ぐに正面方向へ伸びた次の瞬間。ゴゴゴゴ……と大きな音を立てて玉座が横にズレた。


 恐る恐る確認する。床が大きく開いていた。

 その先に見えるのは──階段。


「……あの、なんか出てきたんですけど」


『草』

『地下じゃん』

『[悲報]まだ続く』

『凄女サマの声に結構疲れがにじみ出てるw』

『なんだかんだ長時間探索してたしな』

『終わりだと思ったところにお代わりは辛いw』

『ペンダントがトリガーになってた? 今』

『せやね。思いっきり光ってた』


 ううむ。もう帰る気満々であったところにコレは、なかなか心に来るものがある。

 けどまぁ、行かないという選択肢はないだろう。

 案外、小部屋一つで終わる可能性も充分にあるわけだしね。


 そしてなにより……あの、おばあちゃんのお導きだ。



 さあて。鬼が出るか、蛇が出るか。はたまた……


 私は、ゆっくりと階段へと向かった。








 聖騎士ルートでも最深部までは来れます。ここからはちょっとだけ聖女限定ルート。(他にも条件は有るけど)


 遅くなってしまって申し訳ございません。29日は単純に休憩しました。ちょっと展開に悩んだのもありまして。


 更に1日遅れたのは……ちょっとまぁ、色々と。

 これからの話題は、心地よいものではありません。

 いつも以上に読み飛ばしていただいて構わないものとなっておりますのでご理解お願いしたします。



◇◇◇◇◇◇◇◇


  つい先日、本作品が盗作行為を受けている、という報告が入りました。

 まさかという思いで問題の作品を確認したところ、黒も黒、真っ黒でした。

 明らかに本作品からコピペをしたであろう冒頭部分に、言葉を失いました。


 色々と思うところはありますが、私自身としましては、事を荒立てるつもりはありません。

 どうか読者の皆様も、問題に気付いたとして、そっと通報程度で矛を収めて頂けますと幸いです。



 Web小説において、他作品とネタが似通ってしまうことは避けられない事だと思っています。

 また、先達の良い点偉大な点を参考にし、自分なりに自作品に落とし込むというのは寧ろ素晴らしい事だと思っています。


 しかし、コピペを中心とし盗作まがいの行為をするのは、決して許されることではありません。

 自作を対象としたものに限らず、今後そのような存在が二度と現れないことを切に願います。


                     こまるん


◇◇◇◇◇◇◇◇

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 盗作だめ!!絶対!!
[良い点] 今回も面白かったです!コメントがあるのが結構好きです [一言] 更新お疲れ様です!
[良い点] 隠されているのはボスか聖女グッズ(HP以外を強化)か
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