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妥当。

いつも応援本当にありがとうございます。

第1巻、2023年1月10日発売です。



 


「……って訳で、道場にやってきたわけだけども」


『結構でかいな』

『各職業に特殊空間あるとはいえ、窓口とか考えたらそりゃそうちゃう?』

『共用の練習場もあるしね』

『普通に店もある』


「と、感想を視聴者さんがだいたい言ってくれたわけなんですけども」


『いつも通り』

『割といつも』

『草』

『楽でええやん』


「楽……ではあるのか……? まあいっか。

 たのもーー!!」


 これがほんとに正しいのかは分からないけど、なんとなく元気に声を上げて門をくぐる。

 すると、中にいた何名かの目が一斉にこちらを向いた。


「あはは……お邪魔しまぁす」


 いやまぁ、そりゃそうだよね!

 急に気恥ずかしくなって、少し小さくなるようにして受付らしきカウンターへ向かう。


「はーい。こんにちは。元気な子ね」


「あはは……えっと、ここで技能とかの修練ができるって聞いたんですけど」


「あら。新人さんだったの?」


 修練を受けに来たと答えれば、少し驚いたような様子。

 それもそうか。更新した私の装備とか、新人には見えないだろうからね。


「あっ、えっと……新人……って訳では無いと思うんですけど。ここで覚えられる技能があるって聞いて」


「なるほど。基礎を固めに来たってワケね。若いのに感心じゃない」


 なんかちょっと違うというか、最初の頃に貰ったアドバイスを忘れてただけなんだけど。

 まぁ、好意的に解釈してくれるならそれでいっか。


 小さく頷きを返すと、お姉さんはにこりと笑顔を浮かべる。


「それで、技能を覚えたいってことは、職種や武器自体はもう決めてあるのよね。何を覚えに来たのかしら?」


「【カバームーブ】と【カバーリング】だったかな。あると仲間を守るのに便利だよって聞きまして」


「…………騎士さんだったのね。ええ。たしかに、それならかなり大切な技能だわ。ギルドカードを見せてもらえる?」


 以前教えて貰ったスキル名を言えば、さっきよりも更に驚いたような顔をされた。

 まぁそうだよね。どっからどうみても後衛な見た目してるもんね私。

 武器なし盾なしは仕舞ってるだけとしても、衣服があまりにも軽装すぎる。


 ギルドカードといえば、登録の時にもらった身分証のことだろう。顔出すのは専ら神殿で、それも顔パスみたいになってたせいで1度も使う機会がなかったから、ほとんど忘れてたけど。


 インベントリから取り出したギルドカードは、記憶のものと違い金色に縁取られていた。

 そこに記載された『聖女Lv53』の数値を見て、ああ勝手に更新されるんだなぁと他人事のような関心を覚える。


「ありがとう。えっと、せいじょ……聖女!?」


 思わずと言った様子の叫び声に、また周囲の耳目が集まるのを感じる。

 いや、まぁ分からなくもないよ。いきなり伝説級の職業持ちが目の前に出てきたらビックリするよね。

 私だって1週間前じゃ全く想像できんわ。


「…………失礼しました。聖女様でいらっしゃったとは」


「あ、いえ、その、そんな大層なものじゃないので……新米ですし」


 だから、どうかそのままで。

 そう目で念じたのが伝わったのか、困ったような顔を一瞬経て、また柔らかな表情に戻った。

 即座に声を落としてくれたことと言い、そこら辺は流石に窓口担当ってところなのかな。


「えっと……覚えたいのは、【カバーリング】と【カバームーブ】であってる?」


 その問いに、こくりと頷く。

 ん、いや。違うな。ちゃんと補足しなきゃ。


「あ、えっと、実はすっかり忘れてたんですけど【カバーリング】は何かの弾みで習得してたみたいで。ただ必要なかったせいで使ったことないレベルなのと、【カバームーブ】は未習得って感じです」


【カバーリング】は、すぐ側にいる味方の攻撃を肩代わりする技。

 めっちゃ初期の方……それこそキングスライムとの戦いあたりで修得してたんだけど、皆覚えてたかな。

 ちなみに私はコメントで指摘されるまで忘れてた。だって使う機会なかったし……。視聴者さんに感謝だよね。

【カバームーブ】は、同時に使うことで【カバーリング】の射程を幾らか伸ばして、ムーブの名の通りその場所へ瞬間移動して庇うことが出来る技だ。再使用時間はちょっと長いけどね。


【カバーリング】を使うことで前衛としての壁の役割をこなしつつ、少し離れた味方が狙われた時の咄嗟のカバーの為に【カバームーブ】を使う。

 これが前衛戦士(タンク)としての基本的な役割なんだって話は、コメントで聞いたんだっけか。

 ほんとに、こうして思うといつも視聴者さんに教えて貰ってばかりだよね。


「そう……えっと、どうしようかしら」


 今日何度見たかわからない、困り顔。

 でも、今回のそれはその中でも一段と濃い。

 まるでなにも知らない子供に現実をどう教えるか迷っているような、そんな感じ。


「えっと、ユキさん、大前提として聞いてもらえるかしら」


「……? はい」


「職業技能は、基本的にその上位を含めた系列職業でしか使えないの」


「はい」


 あ、この流れは。


「【カバーリング】と【カバームーブ】はその中でも適応広めなんだけど……それでも前衛職に限られるのよ」


「……えっと、つまり」


「聖女は後衛に分類されるから……そもそも使えないわ」


 ……あぁ。

 ……念の為、聞いてみよっか。


「…………因みに、聖女……後衛が此処で練習できる技能って」


「レクチャー出来るのは、初級の【聖魔法】とかになるわね。【ヒール】とか【キュア】とか」


 ですよねーー!!!!

 何度目だよ。この流れっ!



いよいよ1月10日の発売日まで、あと5日となりました。

1部の電子媒体では、本日より先行配信されているとか。

詳しくは私(@komaru0412)か、TOブックス公式さんのTwitterご覧になっていただくのが1番わかりやすいかも。



書籍版特典は、カナからの。電子媒体特典は、運営サイドからの視点のSSを収録しております。

また、TOストア限定特典として付属する書下ろしペーパーでは、思わずクスっとして貰えそうなカナとユキの日常(実は実話がベースだったり)を掲載しておりますので、そちらもお楽しみいただけましたら幸いです。


長々と宣伝失礼しました!

今後とも『ライフライフ』をよろしくお願い致します!


ちなみに私は書籍発売が緊張すぎて死んでます。



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2023年1月20日に、第1巻発売されます!➡︎告知https://twitter.com/komaru0412/status/1584742818631012352?t=No8qGuhtVt37w2Jk0SwIKg&s=19
― 新着の感想 ―
[一言] 前話の聖女になったのが事故って本当にそうなってるじゃないですかーどうするのー!!
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