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街で一番の嘘つき

 

 有望な冒険者が路地裏で殺されたというセンセーショナルなニュースは瞬く間にフェルムの市内に広がっていった。

 死亡時の状況や、死体の状況、殺人現場の情報などについて詳しいことは分からないものの、街中の人間がそのことについて、憶測やら何やらを話し合い、想像と事実の区別が曖昧な会話は、荒唐無稽な噂を生み出し、そうして不穏な空気が街中に蔓延していく。

 そんな中、俺はサイスに呼び出されて冒険者ギルドにやって来ていた。


「冒険者ギルドの代表が集まって、今後のことについて話し合うことになったんで、ついてきて欲しいっス」


 サイスの用件はそれだけで俺は断る理由もなかったので、素直に了承してギルドの代表の集まりに出席することとなった。なんで代表の集まりに俺が行くのかって?

 俺は只の数合わせだよ。マリィちゃんを連れて行くわけにはいかないんでサイスが代理で行き、一人だとカッコがつかないんで俺も数合わせで行くって感じ。


「面倒ごとは起こさないようにしてくださいよ?」


 だったら、俺を連れてこなけりゃいいじゃない。

 俺を連れてくるってことは面倒ごとを起こしてほしいからだろ? 純粋に面倒ごと起こして欲しいのか、俺が面倒ごとを起こした結果、始末されるのを期待してるのか。まぁ、そこら辺は分からねぇけど、何かしらの意図があるはずだ。


 そんなことを考えながら、俺はサイスに連れられて話し合いの場に辿り着いた。

 場所はフェルムの旧市街、その中心地にある代官の屋敷だった。

 単に冒険者が殺されたってだけで済む話じゃないから、代官が立ち合う必要があるってことなのかもな。


 各ギルドの代表者は代官の屋敷の一室に集められた。

 俺とサイス以外は、民営ギルドからは前に俺がぶん殴った小太りのギルドマスターとスカーレッド。公営ギルドからはゲオルクが一人。

 他に二つのギルドがあるけれど、そこの代表の連中は良く分からねぇな。ギュネス商会とピュレー商会って所がスポンサーになってる冒険者ギルドなんだろう。どちらのギルドも代表は二人で、どちらも商人風のギルドマスターと冒険者って組み合わせだった。


「これは陰謀だ!」


 話し合いが始まるなり、そう叫んだのはギュネス商会のギルドマスターだった。

 隣に座るサイスが何者か教えてくれるので、何者か把握するのは困らない。

 ギュネス商会のギルドマスターはこれといった特徴のない男だが、その隣に座る男は相当な使い手だ。くすんだ紫色の髪をした、豹を思わせような男だった。


「我々のギルドに所属する冒険者が殺されたのだぞ? 他のギルドが手を下したに違いない!」


 熱くなりすぎじゃねぇかな。そんな決めつけるような物言いは墓穴を掘るぜ?

 まぁ、出席してる連中の大半はシラケた表情をしているし、熱くなってるギュネス商会の奴に何か仕掛ける気配も感じられないから、何を言っても平気そうだけどな。


「失礼なことを言うな! 我々が何故そのようなことをしなければならない! 動機があるなら言ってみろ!」


 唯一反論するのがピュレー商会のギルドマスターだ。隣に座ってるのは女の魔術師でこいつも冒険者なんだろう。いかにも魔女って感じの服装をした肉感的な女だが、見た目と違って見に纏う気配は相当な手練れだ。

 そんな凄腕の気配を感じさせる魔術師は隣でヒートアップするギルドマスターに関心を払う様子はなく、あくびをかみ殺している様子だった。


 結局の所、興奮しているのはギュネス商会とピュレー商会のギルドマスターしかおらず、その隣に座っているギルド所属の冒険者らしき連中さえ、どうでも良いといった感じで口を挟もうとしない。

 なんともまぁ、異様な雰囲気だぜ。話し合いってことで集まったのに無関心。誰かに罪を擦り付けようとか、自分たちには何の関係もなどと言い逃れをする様子もなく、ただ無言を貫いている。そして、それをこの場に立ち会っている代官すら咎めない。

 熱くなってるのはギュネス商会とピュレー商会の二人のギルドマスターだけだ。


「知っているぞ! 貴様らピュレー商会も三つ目のダンジョンを攻略中の冒険者がいるそうじゃないか! 我々の先を行かれて焦っているのだろう? 先に四つのダンジョンを攻略すれば、商会の有するギルドの地位はフェルムにおいて不動の物となるのだからな!」


 ギュネス商会とピュレー商会の争いは確かにあるんだろう。

 先にダンジョンを四つ攻略することで、自分たちのギルドとそこに所属する冒険者の優秀さを世間に知らしめ、冒険者ギルドとしての地位を確固としたものにする。

 優れた冒険者ギルドには依頼が多く舞い込む。そして、それによって得られる収入はかなりの物となるだろう。それ以外にも業界で一番というのは、かなり大きな肩書きであり、それに付随する特典だって、かなりのものになるだろう。誰だって、特別な理由がないなら二位の奴に頼むよりかは一位の奴に頼みたいわけだし、一位という肩書きはそれだけで利益を生み出す。

 ギュネス商会とピュレー商会の奴らが必死になるのも当然かな。特に商人の場合だと、魔石という燃料や魔具なんかを自前で仕入れられるってのは大きなアドバンテージになるだろうしな。


「だからと言って、人殺しをするとでも? 我々を一体何だと思っている! 貴様は我々を侮辱していると理解しているのか!?」


 二つの商会が必死なのは何となくわかる。

 この場にいる両商会のギルドマスターは商会の本部からの出向なんだろう、雰囲気からして大きな組織を運営できるようなタマには見えないしな。

 そんでもって、出向って言うと多少は聞こえが良くなるが、この場合だと左遷の意味合いの方が強いんだろうな。

 コルドールの迷宮管理事務所の職員が言っていたが、フェルムでの冒険者稼業ってのは最近は下火になっているとか。この地を治める侯爵が鉱山の方に意識を向けていて冒険者関係の方は重要視せず、ダンジョンについても関心を示していない。


 いろんな要素を鑑みるにフェルムには先が無い。

 そんな市場を任されるなんて左遷以外の何物でもないだろう。そして、そんな左遷先で失敗したら二度と浮き上がる目は無い。だから、二つの商会のギルドマスターは必死なんだろう。

 対して古参の冒険者連中は無関心を装い静観を決め込んでいる。

 まるで二つの商会が熱くなった結果判断を誤って自滅することを狙ってるようにも見えるな。

 今まで雰囲気で各ギルドの関係は良くないと思っていたが、実際にはそうではないのかもしれない。

 もしかしたら協定でも結んでるのかもな。新参の冒険者ギルドを排除するっていう協定をさ。


 そんなことをする意味は?

 サイスは常々ギルド間の力関係やら何やらを重んじていた。平穏だったり均衡だったり秩序だったりだ。

 サイスの言葉が各ギルドの総意と取るのは危険だが、そこまで違うってことは無いような気がする。

 俺の見立てでは、フェルムの古参の冒険者ギルドは秩序と均衡を重んじていて、どこかの組織が突出した力を持つことを嫌う傾向があるのは間違いないだろう

 そうなると自ずと冒険者殺しの犯人は、ともかくとして首謀者を推理することもできるが──


「お二方とも少し冷静になられてはいかがだろうか?」


 ゲオルクが取りなすように言う。

 その言葉を聞いて、両商会のギルドマスターは僅かに落ち着きを取り戻す。

 さて、この状況において、俺はどうするべきだろうか?

 俺はギュネス商会とピュレー商会のどちらとも関りがないんだから、手を貸す筋合いは無いよな。でも、他のギルドの思惑に乗るってのもどうなのかなって思うぜ?

 俺はギルドに所属する冒険者だけど、別に忠誠を誓ってるわけでもないし、こいつらの思惑に乗ってやる義理もない。

 そんでもって、この状況がどう転んでも俺に直接の利益は無さそうだし、仮にあったとしても別に俺は利益を求めて生きているわけじゃないし、利益だとか損得はどうでも良い。

 まぁ、おこぼれを貰う形になるのは気分が悪いんで、その辺りはどうでも良くなかったりするかな。

 ここで俺が黙って二つの商会が揉めるのを静観してれば、こいつらはお互いに潰し合って弱体化するだろう。それによってフェルムにおける冒険者ギルド間の均衡は保たれる。

 それが全体の利益につながり、そして俺はおとなしくしていた場合サイスからの評価が上がり、今後は良い関係を築けるようになる。

 まぁ、別にサイスに嫌われていても俺は全然かまわないんだけどね。


 さて、となれば俺はどうするべきだろうか?

 義理も筋合いも無い。誰かの思惑に乗ってやる気にもなれない。利益も損得もどうでもいい。

 こういう時に俺はどうするべきか?


 まぁ、こういう時にやることはいつも決まってるんだけどね。

 俺の得る物が特にない時、もしくは俺が部外者である時、または俺が話の主役でない時。

 それらの時に俺が考えることは──


「冒険者を殺した犯人はこの中にいるぞ」


 俺は静かになりかけた話し合いの場に爆弾を投下する。

 こういう時に俺が考えるのは、どうすればどれだけ多くの人間に嫌な思いをさせられるかっていう一点に尽きるぜ。

 俺が話題の中心でないってことは目立てないってことだし、そうなると美味しい所を持っていくことも出来ないから楽しくない。


 俺だけ楽しくない思いをするのも嫌だし、みんなで楽しくない思いをしようぜ?

 みんなが無理なら、なるべく多くの人間を俺と同じで楽しくない奴を増やしたいって気持ち分かってくれる奴はいるだろうか?


「俺はゲオルクが怪しいと思うなぁ!」


 俺は適当に大声で言う。

 隣に座るサイスが殺気を向けてくるが無視して俺は続ける。


「冒険者が五人も殺されたって言うのに他人事みたいに冷静だぜ? どう考えたってコイツが殺したに決まってるぜ!」


 急にとんでもないことを言い出した俺を話し合いに参加していた全員が見る。

 さっきまで部外者だったはずの俺は一気に主役に躍り出て、颯爽と話し合いの場の中央に立ち位置的にも君臨する。

 俺は間抜けに口を開ける二つの商会のギルドマスターを指さす。


「俺の読みじゃ、そこのアンタらをなだめたのだって、自分が犯人だって疑惑から逃れるための工作だって思うね! 冷静に事件を追及する姿勢を見せることで、自分の犯人の候補から外そうとする姑息な手段で、むしろ犯人がやることだと、俺にはお見通しさ!」


 俺は続けてゲオルクを指差す。

 指を突きつけられたゲオルクは眼を細めて俺を睨みつけるが、冷静な態度は崩さない。


「適当なことを言って、場を乱すのは止めてくれないか?」


「おっと、言い逃れですかぁ! こいつは怪しいなぁ! なぁアンタらもそう思わないかい?」


 俺はギュネス商会とピュレー商会のギルドマスターの方を振り向いて同意を求める。

 ギルドマスターの隣に座ってる冒険者の眼が一瞬鋭くなったのを俺は見逃さない。


「きっと、これはアンタらを仲違いさせようとする罠だぜ! アンタらが潰し合うことでゲオルクの野郎に何か得があるのさ」


 どんな得があるかは全く分からねぇけどな。

 そもそも、ゲオルクが犯人だってのも適当なでっち上げだしさ。

 とりあえず目に付いたのと、表立って手助けできる味方がいなかったからゲオルクを選んだだけ、他は二人で来てるのに一人なんだもん、狙い撃ちにしてくれって言ってるようなもんだぜ。


「なぁ、他の連中はどう思うよ? なぁ、スカーレッド」


 本当はゲオルクの弁護をしたいだろう。

 だけど、無理だよな。なにせ、フェルムの冒険者ギルド同士の関係は良くないってことになってるしな。

 迂闊なことを言うと、共謀して商会の冒険者ギルドを排除しようとしてるってのが露見するぜ。


「……さぁ、アタシには分からないねぇ。ゲオルクに五人を殺す動機があるかも分からないし、そもそも証拠も無いからね。容疑をかけるにしてもアンタの妄想だけじゃ無理だよ」


 まぁ、そうだよな。

 スカーレッドの控えめな援護を受けてゲオルクが口を開く。


「私を一方的に犯人と決めつけるだけの証拠があるのか?」


 最初に会った時とは全く違う表情のゲオルク。

 まぁ、そんな顔にさせてんのは俺なんだけどね。

 いきなり犯人呼ばわりしてきた奴にたいして優しい態度を取る必要もないもんな。


「証拠ならあるぜ」


 本当は無いけどな。でも、無くても何とかするのが腕の見せ所。

 俺は堂々とその場にいる全員に向けて宣言する。


「俺の存在自体が証拠さ」


 言った瞬間、誰もが黙り込む。

 良い反応だぜ。困惑してるのがありありと分かる。

 そんな中ゲオルクは頭を抱えて。吐き捨てるように言う。


「話にならない」

「話にならないなら、話になるようにしてるやるよ」


 さて、どんな嘘を吐こうか。

 まぁ、吐くべき嘘は決まってるんだけどね。


「俺はアウルム王国の王女であらせられるラスティーナ殿下の密偵なのさ」


 全くの嘘だけどな。

 でも、効果はあったようで、話し合いに参加していない代官が露骨に狼狽えだしだ。

 まぁ、サイスとかの冒険者連中は疑いの眼差しを隠そうともしないけどな。


「気付かなかったか? ただの冒険者が教会の修道女が何処かの組織の密偵であることや、教会の地下のことなんかを知っているわけないし、そんでもって、それをわざわざ広めるようなことはしないだろ? 全てラスティーナ殿下の命に従ってやったこと、俺は殿下の命令でこのフェルムでの工作活動に従事しているのさ」


「ま、待て! 貴様が殿下の密偵であるという証拠はあるのか!」


 代官が狼狽した様子で俺に質問を投げかける。

 証拠ねぇ。

 密偵が飼い主に繋がるような証拠を持ってるとでも?


「直接、殿下に聞けよ。アッシュ・カラーズは貴方の配下ですかって聞けば分かるだろうさ」


 俺が密偵ってのは嘘だから、「違います」って返事がくるだろうけどさ。

 でもまぁ、あの女は俺を手下にしたがっていたし、案外「そうです」って返事が来るかも。


「……アンタが密偵かどうかは、その真偽を問うことは今はしないよ。それよりもゲオルクが犯人だって証拠について聞きたいね。アンタ自身が証拠になるってのはどういうことだい?」


 我慢できずにスカーレッドが俺に訊ねてきた。

 はたして、スカーレッドが聞くのが正解だったかな?


「王女殿下の密偵が証拠も無しに正体をバラシて犯人を名指しするとでも? 俺が証拠があるって言えば証拠があるんだよ。そういうものなの」


「アタシはそれを具体的に言えっていってんだよ!」


 それは無理だぜ。だって証拠なんて無いもん。

 そもそも殺人現場も死体も見てないのに、犯人の推理なんかできるわけないだろ?


「それは無理だなぁ。喋ったりしたら揉み消しにかかるかもしれないからな。でも、証拠はあるって俺が言ってるんだから、あるんだぜ」


「……話にならない」


 ゲオルクが呆れたように言うが、さて内心はどうだろうか?

 随分と状況を引っ掻き回せたと思うけど、みんな楽しくない気分になってきたかい?


「俺は話になるようにしてるつもりなんだけどなぁ。それを話にならないって言うのはキミが避けてるからじゃないかい?」


 俺の言葉を受けてゲオルクの眼がスッと細まる。

 けっこうムカついているかい? そうだよなぁ、思惑通りにいかなくなってるからな。

 ムカつく相手にはどうするんだい?

 る気なら良いぜ? 俺もそっちの方が楽しくて良いからな。


「……みんな冷静になった方が良いっス」


 俺の戦意が高まってきたところにサイスが水を差す。


「とりあえず、この場で犯人を断定するよりも、ちゃんと捜査をするべきだと思うっス。アッシュが証拠を持ってるからって、それを開示されても、この場にいる人たちは納得できないと思うんスよね。

 信用できない一人の人間がどこからか見つけてきた物だけを証拠とするのは信頼性に欠けるっス。自分としては、信頼性を考えるなら冒険者ギルドの関係者ではない外部の方に捜査をお願いしたいところっすね。……代官さん、お願いできますか?」


 衛兵に冒険者殺しの犯人を見つけてもらおうって感じ? じゃあ、俺の証拠は?


「アッシュの持ってる証拠を出すのは、衛兵の捜査が終わってからでも問題は無いと思うっス。揉み消しがどうこうってことに関しては、ゲオルクには謹慎してもらうってことで、どうっスか?」


「まぁ、良いんじゃない?」


 俺が同意すると、サイスは明らかな殺気を俺に向けてくる。

 おいおい、同じギルドの仲間に向けるとか怖いなぁ。

 まぁ、この場にいる殆どの人間が俺に殺気を向けてきてるから、今更ビビることはねぇんだけどね。

 マシなのは二つの商会のギルドマスターかな? この二人は何が起きてるんだか全く分かってないだけみたいだけどな。


「捜査の指揮は代官さんに任せるってことで、これ以上、自分たちが話し合うことは無いと思うんスよね、皆さん、どうっスか?」


 サイスの言葉に二つの商会のギルドマスター以外の参加者が頷く。

 おいおい、サイス君が仕切ってるってどういうことかな?

 キミの所のギルドは弱小じゃなかったかい? これじゃ、ちょっとおかしくないかい?

 ただの出しゃばりか、それとも見かねて仕切り始めたって感じか?


「今後も冒険者が殺害されるという事件があるかもしれないっスから、皆さん気をつけましょう」


 おいおい、解散する気かい?

 俺も調子出てきたんだし、もっと話し合おうぜ?

 今度はスカーレッドあたりに罪をでっち上げるからさ。


 ──まぁ、終わりなら、それでも良いけどね。

 とりあえず、この場にいる大多数の人間を楽しくない気分にさせたから俺的には勝利した気分だしな。

 じゃあ、解散するなら、さっさと解散しようぜ。俺の勝ちで終わりってことでさ。


 そんなことを考えながらサイスを見ているとサイスは解散の言葉を口にする前に「そういえば──」と俺の方を見て、質問をしてきた。


「キミは密偵である以前に冒険者ってことでも良いんスかね?」

「冒険者である前に密偵であるかもしれないけどな」


 そもそも密偵じゃないけどな。根本的な部分に嘘があるんだよなぁ。

 ──で? 急にそんなことを聞いてどうしたのかね? 

 俺がそれを問うよりも早くサイスは俺に言う。


「冒険者であるアッシュ・カラーズに依頼があるんスけど、ちょっとダンジョンに行ってきて貰えるっスか?」


 はぁ? このタイミングで?

 冒険者殺しのことで俺に嗅ぎまわられるのが嫌だとしか思えないんだけど、そんな露骨で良いのかい?

 良いねぇ、口封じでもするのかい?


「キミにとっては望むところっスよね? うちのギルドを盛り立てていきたいって言っていたんだから、そのためにダンジョンに行くのだって問題ない筈っス」


 あぁ、問題無いよ。

 俺も望むところさ、こういう展開はね。

 まったく、楽しくなってきそうだぜ。



 

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