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vsイザリア(3)

 

「……随分と盛り上がってやがるな、あのクソめ」


 マークは地下深くから感じられるアッシュの気配を受けて呟いた。

 その呟きは隣に座るセレシアの耳にも届いており、セレシアはその視線を混乱の中にある闘技場内からマークへと向ける。二人は試合が終わった後も闘技場に留まっており、観客席に座って成り行きを伺っていた。


「確かに奴の力を感じるな。今までにないくらいに」


「それだけ本気ってことだろうよ。ここ最近では珍しいレベルにあのクソは本気マジになってやがる」


 呆れたようにマークは溜息を吐く。


「何処のクソが相手になってるのかは知らねぇが、勘弁してくれって思うぜ。無いとは思うけど、アイツが満足しちまったら、それで俺達の旅は終わりになっちまうからな」


 どういうことだ?

 そう問うセレシアからの視線を受けてマークは語り出す。

 アッシュ達の旅はこの世界を脱出するための方法を見つけるための旅だ。

 だが、何故この世界から出て行きたいとアッシュ達は思うのか。それをマークはセレシアに教える。


「あのクソ神は俺やゼティとは違って、実の所この世界を出ていかなければならない理由はねぇんだよ」


 ゼルティウスは自分の世界を滅ぼした復讐の相手を探すため。

 マークはこの世界が滅びそうなので、その巻き添えをくらいたくないから。

 二人はそういう理由で、この世界からの脱出を目指している。

 だが、アッシュはというと──


「あのクソ野郎はこの世界じゃ、自分の望みが叶う可能性が薄いから出て行きたいだけ。この世界で自分の望みが叶うんなら、あいつはこの世界に骨を埋めても良いとか思ってるだろうよ」


「その望みとはなんだ?」


 訊ねられてマークは一瞬、答えることを躊躇う。

 だが、真剣なセレシアの眼差しを受けて、溜息を吐くと仕方ないといった感じに答える。


「あのクソ野郎の望みは自分が完膚なきまでに叩き潰され、ぶっ殺されることだ。自分を殺し切れる奴がいるなら、奴はこの世界を出て行く必要はなくなるんだよ」


 ゼルティウスやマークと異なり、アッシュの望みはこの世界でも叶う可能性のあるものだ。

 そして、その望みが叶う目途が立てば、アッシュはこの世界を脱出する必要性は無くなる。


「奴は自殺願望、破滅願望でもあるのか?」


 セレシアはアッシュとの付き合い──というか、アスラカーズとの付き合いも短い。だから、あの邪神が何を考えているのか理解が及ばない。


「自殺願望はねぇと思うぜ。破滅願望が無いとは言い切れないけどな」


 そう言ったうえで、マークは「ただ──」と繋げる。


「奴のはポジティブな破滅願望っていうのか? この世には自分の想像もつかない凄い奴がいて、そいつと本気で勝負して全力を尽くしたうえで負けたいっていう、ある種、自分以外の誰かに対する強烈な期待ってのが根底にあるんだよ」


 だからか、アスラカーズは単純に破滅することは望んでいない。

 自分よりも優れた存在がきっといるはずで、そんな相手にしか負けたくない。

 それも、徹底的に負け、言い訳もできず、何度繰り返しても勝てないと思える相手でなくてはならない。


「今、あのクソ野郎が戦ってるのが、そんな相手かは分からねぇが、もしもそういうレベルの相手だったら、アッシュの──いや、アスラカーズの旅は終わり、俺達の旅も終わりだ」


 そう言いながら、マークはアスラカーズにとってはその方が良いのかもしれないと思うのだった。





 ──俺は俺の究竟アルス・マグナ、修羅闘獄陣を発動する。

 俺の闘獄陣は発動と同時に俺が創り出した空間に相手を引きずり込む。

 そうして引きずり込んだ世界は複数の階層を持ち、階層ごとに独自の特徴を持つ世界フィールド


「──第48階層、『宙天大伽藍ちゅうてんだいがらん』」


 そう言って俺が手を叩いた瞬間、周囲が宇宙空間に変わる。

 五十階以下ってことは、まぁ決闘場でも処刑場でもない優しい世界フィールドだ。

 もっとも、つい一瞬前まで重力下にいた奴が即座に対応できるかは分かんねぇけどさ。


「宇宙空間は初めてかい?」


 俺は足の裏から内力を噴出し、真空そして無重力の漆黒の世界を駆け抜ける。

 対して、突如として環境が変わったイザリアは反応が遅れ、無重力空間への対応も遅れて体をばたつかせるが、俺の方に向き直る事すらできない。


「真空への対応ができるだけでも褒めた方が良いかい?」


 でも、キミはもっとやれるだろ?

 やれるはずだ! 根性を見せろ! 俺をぶっ殺せ!


「俺への憎しみでパワーアップしろよ! 逆境に追い込まれて覚醒しろ! 奥の手を出せ! もっと、もっと、もっとだ!」


 漆黒の宇宙空間を駆け抜け、俺はイザリアに刀を振るう。

 内力を込めた刀は真紅に染まり、高熱を宿し、斬り裂くのではなくき斬る。

 俺の刀はイザリアの肩口から垂直にその体へと刃を沈める。


「っく」


 イザリアは足で押すように俺を蹴り、俺を引き剥がそうとするが──宇宙空間の慣性を無視して俺の体はその場に固定されビクともしない。

 瑜伽法ユーガ・アルスの基本技術の『ラディクス』は自分の存在を固定する。それを応用すれば、宇宙空間でも地面があるように地に足をつけた動きができる。


「プロミネンス・ブロゥ!」


 俺は真紅の内力を纏った拳でイザリアの胴体をブチ抜き、その命を奪う。

 だが、一回殺したくらいでイザリアが死ぬわけはない。イザリアは俺から距離を取って復活すると、背中に内力を集め『流翼』を発動する。

 背中から放出される内力がイザリアの体を加速させ、一瞬で俺との距離を詰めるが──


「──第78階層『朱塗拘速道』」


 俺が新たな階層名を唱えると、周囲の景色がビル街の中に張り巡らされ、ビルとビルの隙間を縫う高速道路へと変わる。

 そうして環境が変わった瞬間、イザリアの加速した体は空気抵抗のせいで速度が落ちる。それと同時に高速道路を疾走する自動車がイザリアの体を撥ね飛ばした。


「この程度で!」


 刎ね飛ばされたイザリアは高速道路を転がるが、即座に態勢を立て直し、自分の存在など空気のように無視して最高速度を出す自動車を躱すと、その上に飛び乗った。そして、更に道路を走る自動車の屋根の上を飛び移りながら、道路標識の上に立つ俺へと迫ってくる。


「この程度じゃ不満かい? なら、こうしようじゃないか! 展開せよエヴォルト、我がカルマ!」


 もっとキツイのがお望みなら、叶えてやろうじゃないか。


「──星よ耀け、スターレイジ・全て燃え尽きるまでオーバーロード!」


 俺は業術の段階を上げ、展開する。

 その瞬間、イザリアの内力が爆発的に上昇し、その動きが一気に加速。

 そして、俺は気付いた時には吹き飛ばされていた。

 俺の業術の効果で全ての能力を強化されたイザリアは俺の眼では捉えられない速度に達し、その勢いのまま俺に一撃を叩き込んだようだ。


 それによって吹っ飛んだ俺は道路を走っていたトラックに激突し、横転させても尚、勢いが止まらず後続の何台もの車を巻き込んで、吹っ飛び最後は10トントラックのコンテナに激突にしてようやく止まる。

 コンテナにめり込んだ俺は全身が複雑骨折もしくは粉砕骨折。内臓は潰れて、ミンチになった臓物が口からペースト状になって零れ落ちる。

 ……いいぜ! 凄くいい! 


「やっぱ、るなら、こうじゃなきゃなぁ!」


 全身の傷が即座に再生される。

 傷を負った際の痛みは感覚として残ってるが、その激痛が俺の脳の奥を蕩けさせ、絶頂へと昂らせる。

 痛くなければ楽しくない。苦しくなければ面白くない。だから、今は楽しくて面白い。


 俺は自分を受け止めてくれたトラックを左手一本で持ちあげると、こちらを見据え突っ込んでくるイザリアに向けて投げつけた。

 砲弾のような速度で飛翔するトラック。それを見てイザリアは左手に持った槍を振り抜き、その穂先で虚空を切り裂く。

 その刃の軌道に沿って放たれるのは『流爪』の刃。仙理術の技法で放たれたその技は俺の投げたトラックを真っ二つにし、その斬撃は消えることなく俺の方にまで向かってくる。


「プロミネンス・ランページ!」


 俺は真紅の内力の奔流を放つ。

 引き裂くような軌跡を描いて進む真紅の内力はイザリアの『流爪』と激突。しかし、俺の技はかき消され、イザリアの技が俺に迫る。


 ──まぁ、予想通りの結果だ。

 だって、イザリアは俺の業術で強化されてるしね。これくらいは当然だ。

 予想通りなんで、俺はイザリアの攻撃も簡単に躱すことができる。俺は横に跳んで内力の刃を躱すと、目の前を過ぎ去っていこうとする車のサイドミラーを掴み、引きずられての移動を開始する。


「逃がすものか!」


 イザリアの背中に内力が集まる。『流翼』を使って加速をするつもりなんだろう。

 急に階層に来たときは空気抵抗で失速したが、アレは空気抵抗の無い宇宙空間から移動してきたばかりだったからで、本来だったら『流翼』での加速は空気抵抗への対策も考えているはずだ。


「逃げるつもりはねぇよ。ただ、足場が後ろに進んでいるだけさ」


 俺は俺を引きずっていた車の屋根の上に立つ。

 車はイザリアから遠ざかるように進んでいく。時速は100km以上出てるかな?

 まぁ、その程度の速度で逃げるのはそもそも無理だ。実際、『流翼』を発動したイザリアは一瞬で俺の目の前に現れ、その移動の衝撃波で周囲の車が吹き飛び、俺が立っていた車も宙を舞う。


「死ッッねぇ!」


 剣を振るうようにイザリアは左手に持った槍を振り下ろす。

 マトモに受けるのは不可能。そう判断した俺は槍に合わせて刀を振るい、弾こうとした。

 しかし、今のイザリアの速度と力はそんな俺の思惑を容易く打ち砕き、刀を槍に合わせた結果、イザリアの一撃の威力に負けて、刀を持つ俺の腕がへし折れ、俺の体がボールのように吹っ飛んで道路に激突する。


「効くねぇ!」


 全身痛くて楽しくなっちまうぜ。

 さぁ、次はどうしてくれるんだい?

 俺は期待のこもった眼でイザリアを探す。


「この空間ごと滅びろ!」


 見上げるとイザリアは宙に浮かんで俺を見下ろしていた。

 その左腕には膨大な量の内力が集められており──


「流撃ッ!」


 宙に立つイザリアは左拳を俺に向けて振り下ろす。

 その瞬間、膨大な量の内力が放出され、その力の流れが周囲の空間を捻じ曲げながら、俺に向かって飛翔する。回避も防御も不可能な文字通り、必殺の一撃だ。それに対して、俺は『奇跡』を起こす。


星よ耀けスターレイジ願いよ届けウィッシュスター!」


 俺の業術の駆動ドライブは俺の感情の昂ぶりをチャージする。

 そして、チャージした回数だけ『奇跡』を起こす。

 今回、起こした奇跡は空間転移。イザリアの放った一撃そのものを別の空間に飛ばし、俺はイザリアの必殺を無効化する。


「──そこが隙だ!」


 自分が助かる『奇跡』を使うと、俺は気分が一気に盛り下がる。

 その瞬間に隙ができる。それを知っていたイザリアは『流翼』で加速、槍を構えて急降下してくる。

 これも回避は不可能。となれば──


「──第53階層『荒落宴闘技場こうらくえんとうぎじょう』」


 俺は新たな階層へ移動する。

 その瞬間、俺とイザリアの位置関係はリセット。俺とイザリアは四角いリングのコーナーに立っていた。

 世界フィールドは打って変わって建物の中。無人の観客席と、それに囲まれた真ん中に格闘技の試合で使う四角いリング。リングを煌々と照らすのは無数のリング。そして、俺とイザリアの姿を巨大なモニターが映していた。


「さぁ、殴り合おうか」


 俺はモニターに表示されていた日本語を見て、拳を構える。

 さっきまで持っていた刀は無い。それはイザリアも同じだが、イザリアの方は突如として手にあった武器が消え去り、困惑している。


「あぁ、言っておくが、この階層は武器の持ち込みと使用は禁止だから」


 俺がイザリアに忠告すると同時にどこからともなく試合開始のゴングが鳴り響く。

 俺はそれを合図にイザリアとの距離を一気に詰める。

 イザリアはそんな俺の動きを見て、何らかの仙理術を発動しようとし──だが、不発に終わる。


 出そうとした技が不発に終わったイザリアの顔面に俺は左のジャブを叩き込む。

 内力のこもらない──というか、込められないが、それはイザリアも同じで内力による強化の無い肉体ならば、人並みのパンチでも充分に効く。


「なんだ、ここは──」


「キミはここは初めてかい?」


 イザリアが腕を上げてガードする。

 俺は顔面をガードをするイザリアの腕を躱し、脇腹に拳をねじ込む。

 苦悶の表情を浮かべて後ずさるイザリアは左腕を俺に向ける。

『流撃』を放つつもりだろうけど、残念ながらこの空間じゃ無理だ。


「申し訳ないんだけど、この階層は内力を使えないんだよね」


 技の発動が不発に終わり、イザリアは隙を見せる。

 俺はその顔面に右のジャブ、左のジャブ、右のストレートのコンビネーションを叩き込んだ。

 そのダメージでイザリアは仰け反り、遂にはこらえきれずにダウンする。


「だから、純粋に格闘技で俺を倒さなきゃいけないんだよ」


 ほらほら、立って立って。まだまだ続けられるだろ?

 俺の想いに応えてくれたのかイザリアはすぐさま立ち上がる。

 そして、格闘技で俺を倒さなければいけないという俺の言葉を鵜呑みにして、得意の投げ技を放つために俺に掴みかかろうとする。だが、そうしようとした瞬間にイザリアの体は不自然に硬直する。


「おいおい、俺達はボクシングをやってるんだぜ? 投げ技は駄目だろ」


 ルールに違反する技を使おうと思った瞬間にこの世界フィールドペナルティを与える。

 その罰は動きの停止で、俺は止まったイザリアに何発も拳を叩き込み、その結果イザリアは2度目のダウンを迎える。


「っっチィ!」


 イザリアはカウントを待たず、すぐに立ち上がる。

 そして、ボクシングの構えを取り、俺と対峙する。

 殴り合いの技術は拙いだろうが、それでも並みの奴よりは上で隙が見えない。

 パンチだけを対処すればいいと割り切ったせいもあるんだろう。さて、どうするか、そう思いながら、俺は俺とイザリアが映るモニターを見て──そして、パンチを警戒するイザリアの鳩尾に前蹴りを叩き込んだ。


 キックが来るなんて想像していなかったイザリアはもろにダメージを受けて苦悶の表情を浮かべ、体をくの字に曲げる。そんなイザリアの頭を押さえつけて俺はその顔面に膝蹴りを叩き込んだ。


「ボクシングじゃなくてキックボクシングにしようか」


 俺はもう一度モニターを見る。

 それを隙と判断したのかイザリアは俺に向けて蹴りを放ち、俺はその蹴りをスウェーで躱し、更にバックステップで距離を取る。


「卑怯者め!」


 そう言ってもらえて嬉しいね。

 もっと、俺に憎しみを抱けよ。もっと、俺を本気で殺したいと思えよ。

 ただでさえ、ラ゠ギィの体を操ってるってハンデがあるんだから、気持ちを出して限界を超えなきゃ俺には勝てないぜ? さぁ、それでキミはここからどうするんだい?


 俺は期待をもってイザリアを見る。

 イザリアは俺への憎しみを瞳に浮かべ、こちらへと慎重に近づいてくる。

 さて、何をしてくる? だが、そこでラウンド終了のゴングが何処からともなく鳴り響き、その瞬間、イザリアは糸の切れた操り人形のように崩れ落ちると、リングへと倒れこみ息絶えた。


「何をした」


 死んだイザリアは復活すると、再びコーナーに立つ。

 何をしたと言われてもなぁ。流石にそこまでのヒントは教えてあげないようにしよう。

 まぁ、別に難しい話じゃなく、ラウンドごとにどっちが優勢か判定をして、負けの方は問答無用で死ぬってだけなんだけどね。


「頑張って試合をしたら死なないで済むとしか俺は言えないかな」


 俺が言った同時に第2ラウンド開始のゴングが鳴る。

 俺はイザリアではなくモニターに目を向ける。正確にはモニターの隅に小さく表示されている日本語だけどね。


「余所見をするな!」


 イザリアは俺に向かってパンチを繰り出そうとしてきた。

 けれども、パンチを出す寸前でイザリアの腕はルール違反の罰によって硬直する。


「おいおい、パンチは駄目だよ」


 ボクシングやキックボクシングの試合なら良いけど、今は駄目だね。

 俺は硬直したイザリアにタックルし、その体を押し倒す。

 ボクシングやキックボクシングなら、これは明らかに反則。しかし、俺の体に硬直の罰は無い。

 俺だけ罰が免除されてる? そんな訳はない。俺にもペナルティはあるよ。じゃあ、なんでタックルしても罰が無いのかって? その答えは単純。だって俺はルール違反をしてないからね。


「プロレスなんだから。タックルはありだろ?」


 俺はそう言いながらイザリアの体をリングマットに押さえつけた。

 絞めるでも極めるでもなく、ただ背中と肩をマットに押さえつけるだけ。

 ダメージも何も無い行動にイザリアは困惑した表情を浮かべている。だが、その時、不意にイザリアの視線がモニターにある日本語の表示を捉えたようで、イザリアはこの階層の仕掛けに気づき、急に暴れ出す。


 ──だが、もう遅い。プロレスのフォールは3秒。

 3秒間マットに押さえつければ勝利であり、既にその時間は経過した。

 直後、俺の勝利を告げるゴングが鳴り響き、何のダメージも無い筈のイザリアは敗北の代償として問答無用で死ぬ。


「──試合に負けたら死ぬというわけか」


 復活したイザリアは凄まじい表情で俺を睨みつけてくる。

 どうやらイザリアはこの階層のルールを完全に理解したようだ。

 ラウンド開始のゴングが鳴り響き、イザリアはゆっくりと前に出てくる。

 同時に俺も前に出て、俺達はリングの中央で対峙する。だが、殴り合うその前に俺とイザリアはほぼ同じタイミングで俺達が映るモニターを見る。そのモニターの隅には日本語で「ボクシング」の文字が表示されていた。

 俺とイザリアは拳を繰り出し、お互いの顔面にパンチを叩き込んだ。


「あのモニターの表示に合わせたルールで戦わなければペナルティがあるということだな!」


 体勢を立て直しイザリアが拳を繰り出してくる。

 俺はイザリアの下手なパンチをパリングしながら、迂闊に間合いに入ってきたイザリアの顎先をアッパーでかちあげる。


 俺のパンチの衝撃でイザリアの顔が真上を向く。

 だが、その状況でもイザリアの眼はモニターの方を向き、その表示が変化するのを捉えていた。

「ボクシング」から「総合格闘技」へルールが変化する。それと同時にイザリアが俺の腕を掴み、次の瞬間、俺は投げ飛ばされてマットに叩きつけられていた。


「おかしなルールなど無ければ貴様など!」


 イザリアは俺に馬乗りになって、拳を振り下ろす。

 グラウンドの修練は積んでいないのか拳は軽いので耐えられる。だが、潮時だろう。

 俺はイザリアが拳を振りかぶる、その隙を狙って呟いた。


「──第41階層『蒼黒闇淵大覇海そうこくやみふちだいはかい』」


 瞬間、階層が変わり、俺とイザリアは海の中へと放り込まれる。

 水中じゃ、マウントポジションも何も無い。ついでに、階層が変わったことで、俺達の手から失われた武器も手元にある。俺はイザリアの胸元を刀で貫き、その体を引き剥がして距離を取る。


 俺は海上を目指して泳ぐ。

 瑜伽法の応用で水中でも呼吸も何も問題ないが、この階層で水中にいるのは非常にマズいからだ。

 イザリアの方は自分に背を向けて泳ぐ俺を狙い撃ちにしようと内力を収束して『流撃』を放とうとしている。しかし、それは悪手としか言いようがない。この階層で、そんなに内力を放出すると──


「海の主が怒っちゃうぜ?」


 直後、本気の俺ですら絶対に敵わない化け物が目覚める。

 まぁ、この階層だけにしか存在できないってルールをつけた代わり、この世界でなら本気の俺よりも強いって設定しているだけなんだけどさ。


 そして海の底から顔を表したのは、巨大な海蛇『大覇界アルセルブルード』

 その海蛇がイザリアの内力を捕捉し、イザリアに襲い掛かる。

 その間に俺は海上まで脱出し、この階層の空に浮遊してイザリアが現れるのを待つ。

 この階層は海しかなく、どこまでも続く海原を進み、アルセルブルードから逃げ切って次の階層を目指すだけのつまらない場所だ。


 まぁ、アルセルブルードと戦闘になったら絶対に勝てないんで、事情を知らない奴を引きずり込んで痛めつけるのには良い階層なんだけどね。ちなみに、アルセルブルードは俺のことも普通に襲う。だから、俺も必死に逃げないといけないんだけどさ。


 ほどなくしてイザリアが海の中から現れる。

 その姿は何度も復活したからか無傷ではあるが、疲労は明らかだ。


「そろそろ辛くなって来たんじゃないかい?」


 俺の質問への答えは必殺の一撃だった。

 イザリアは『流翼』で空を駆けて俺に襲い掛かる。

 だが、最初ほどの勢いは無い。まだ、俺の業術の効果で強化されているのにも関わらずだ。


「展開された俺の業術はキミを強化し、その代わりにキミの内力と残機を消費し続ける」


 俺はイザリアの槍を受け止め、そして更に訊ねる。


「さて、今のキミの残機は幾つだ?」


 刀と槍で鍔迫り合いをしている状況の中、イザリアは答えずに俺を力任せに蹴り飛ばした。

 俺は空中で身を翻し、体勢を整えると左手に真紅の内力を纏わせる。対してイザリアも左手に内力を集め、圧縮された内力は蒼の色を帯びる──


「プロミネンス・ペネトレイト!」


「流撃!」


 俺達は互いに必殺を放つ。

 真紅の内力の奔流と、イザリアの手から放たれた蒼の内力が激突。

 しかし結果はイザリアの勝利。蒼の内力の奔流が俺に迫り、それに対して俺は──


「──第53階層『荒落宴闘技場こうらくえんとうぎじょう』」


 河岸を変えることにした。

 場所は再び四角いリングの上、俺とイザリアは丸腰でリングのコーナーに立っていた。


「残念、内力の無駄撃ちだったね」


 イザリアの顔に苛立ちが浮かび、試合開始のゴングが鳴り響く。

 モニターを見るとルールは「総合格闘技」。イザリアの得意分野だ。

 イザリアは弾かれたようにコーナーから飛び出してくる。それを見て、俺もコーナーから飛び出し──


「──第48階層、『宙天大伽藍ちゅうてんだいがらん』」


 呟いた瞬間に世界フィールドが宇宙に変わる。

 格闘をする方へと意識が向かっていたイザリアは極端な環境の変化に対応が遅れる。

 さらに、その手には槍が握られており、そのこともイザリアを戸惑わせる。


 対して俺の方は何も動じない。

 だって、階層を切り替えるのは俺の判断だし、俺はいつだって準備ができている。

 だから、宇宙空間に世界フィールドが変わっても俺は変わらない動きでもって距離を詰め、イザリアの胴を刀で薙ぎ払った。


「小賢しい真似を──」


 ダメージは浅い。

 傷を負ったことでイザリアは冷静になり、俺への反撃に移ろうと槍を突き出してくる。

 なので、俺は──


「──第88階層『紐成育組逆魔天楼ひもなりはぐくみさかさまてんろう』」


 唱えた瞬間に世界フィールドが変わる。

 場所は天から地へと逆さに伸びるビル群とそこに無数のロープが蜘蛛の巣のように張り巡らされた世界。

 イザリアは重力下に変化したことと、突然自分の足元に現れた紐を踏み外し、攻撃を中断せざるを得なくなる。イザリアは紐を踏み外し、落下するが辛うじて別の紐を掴み、その場に留まる。


 対して俺は乗っていた紐から飛び降り、真下に見える青空へと落ちていった。

 そうして落ちると、真上に見えた逆さにビルの伸びる地面の方から落ちていた。

 落ちた俺を見ていたイザリアは、落ちた筈の俺が真上から戻ってくることなど予想できず、俺の接近に気づかない。そして、頭上から奇襲した俺はイザリアの脳天に刀を突き刺し、その命を奪う。


「それで、キミの残機はあと幾つだい? まだまだれるだろ? それとも限界?」


 ラ゠ギィの体じゃ限界かもしれねぇな。

 だったら、本体を出してくれよ。そうすりゃもっと面白くなる。


「お前を殺すまで私に限界は無い!」


 復活したイザリアが『流翼』で俺に迫る。

 だが、その速度は見る影もなく衰えており、俺はイザリアの動きを見切って、その突進を躱す。


「意気は良いけど、限界じゃねぇかなぁ?」


 マズいな、ちょっと冷めてきたぞ。

 コイツがこんなもんじゃねぇのは明らかだけど、ラ゠ギィの体じゃ限界なのは間違いない。

 もっとも、イザリアとしては体がどうであれ、俺に舐められるのは我慢ができないようで──


「──殺す」


 強烈な殺意が放たれ、俺は思わず後ずさる。

 まだまだれそうな気配にゾクゾクしてくる。

 やっぱ、こうじゃなきゃなぁ。俺を憎んでる奴はこれだから最高だぜ。

 憎しみを糧に限界を超えてくれるからさぁ!


「この世界のことなど、もはや知った事か。真の『流撃』を見せてやる」


 イザリアは左手を掲げる。すると、その手に何処からともなく内力が集まってくる。

 いや、何処からともなくじゃない。イザリアは俺の闘獄陣の中に満ちている俺の内力を取り込み、それどころか闘獄陣を構成している内力自体も分解して、自分のもとに集めている。


「アスラカーズ、貴様は知っているだろう? 『流撃』とは『龍撃』と呼ぶことを。森羅万象を取り込み、全てを自らの血肉と変え、力を振るう者を仙理術士は『龍』と呼ぶ。本来、『流撃』とは『龍』の位に達した者の放った一撃をそう呼ぶ」


 あぁ、よく覚えてるよ。

 俺が大昔に戦った最強の仙理術士ヌ゠アザンは『龍』の位を持っていて、アイツの『流撃』は確かに『龍撃』と呼ばれていた。


「──で? なにが言いたいんだい?」


「借り物の体であろうが、私が全力の『流撃』を放てば、それは『龍撃』に近い威力を持つ。貴様も貴様の作ったくだらない空間もまとめて消し飛ばすには充分すぎる威力だ!」


「俺と俺の闘獄陣だけじゃ済まねぇだろうが。キミの『龍撃』がヌ゠アザンの一億分の一の威力でも、放てば、俺の闘獄陣をブチ抜いてイグナシスの街を消し飛ばす。それどころか、イグナシスのあるレイランド王国も消し飛ぶはずだ。この世界がどうなっても良いってのかい?」


「世界のことなど知った事ではないと言ったはずだ!」


 あぁ、そうかい。俺をぶち殺せれば周りがどうなろうと構わないって?

 そういう心意気は嬉しいけどね。そんだけ、俺に対して本気になってるってことだからさ。

 だけど、俺としてはイザリアのやろうとしてることは看過できねぇんだよなぁ。

 俺は無関係な人間が死ぬのは好みじゃないんでね。


「──第66階層『禍津ヶ原大荒原まがつがはらだいこうげん』」


 唱えると、周囲の景色が荒野に変わる。

 この世界フィールドは何も無い荒野。その代わり闘獄陣の中でも頑丈に作った階層だ。

 ここなら、闘獄陣の外へ余波が及ぶのを軽減できるはずだ。


「死に場所をここに選んだのか?」


 空に浮かんだイザリアが地に立つ俺を見下ろしながら問う。

 それに俺は肩を竦めて──


「荒野で独りぼっち野垂れ死ぬのも理想の死に方ではあるけどね」


 だが、死ぬのは今日じゃない。

 そもそも死ぬためにここを選んだわけじゃない。

 イザリアの『龍撃』の影響が外に漏れないようにするためでもない。

 ここを選んだ理由は──


「そっちが本気の技を使うなら、俺も本気マジで技を使わせてもらう」


 ──俺の技が闘獄陣をぶち破って、外へ出て行かないようにするため。

 そのために作りが頑丈な荒野の階層を選んだんだ。


「本気だと? 貴様の技は今まで何度も見て、そして食らい、その威力は見切っている! どれだけ全力を出そうと私の『龍撃』に及ぶものではないことは明らかだ!」


「はっ笑わせるぜ、キミは俺の技の何を知っているっていうんだい?」


 イザリアは空に浮かび、左手に内力を集めている。

 その内力は臨界寸前、今にも解き放たれて、全てを消し飛ばしそうだ。

 けれども俺は焦ることも無く、刀を構える。そんな俺を見てイザリアは嗤う。


「刀を使うということは魔鏖剣まおうけんだろう? ゼルティウスならまだしも、貴様の魔鏖剣では私の『龍撃』は破れない!」


 誰が、そんな借り物の技を使うかよ。

 あぁ、もしかしてキミは勘違いしてんの? 俺の必殺技は素手で放つものだってさ。

 まぁ、ずっと素手で撃ってきたから勘違いしても、仕方ねぇけどさ。

 じゃあ、良い機会だ。教えてやろうじゃないか──


「──俺の技は本来、得物を使って放つものなんだぜ?」


 構える刀が真紅の内力を帯び、強烈な輝きを発する。

 その輝きと俺の言葉に動揺して、イザリアは目を見開く。


「俺の技の根底ベースはガキの頃に習った中国武術。中国武術の本質は武器の扱いにこそあり、素手の技は武器の扱いを学ぶための前段階に当たるものであり、余技に過ぎない。それを知れば、自ずと分かるだろう? 武器を使っての技こそが俺の本当の技なんだとさ」


 ──俺の必殺を見せてやるよ。


「ほざけ! 刀に変わっただけで、そこまで変わるものか!」


「ほざくさ。死んだらほざけねぇし、ほざくのを聞いても貰えねぇからな。でもって、最後にほざかせてもらおうか──変わるんだよ、俺の技は圧倒的にな」


 イザリアは俺の言葉に苛立ちを見せる。

 そして、その苛立ちから解放されるため、掲げた左腕を振り下ろし──


「もういい黙れ。そして死ね! 私の一撃によって滅び去れ、アスラカーズッ!」


 イザリアの手から放たれた凄絶な内力の奔流は世界すら消し飛ばしかねない必殺の一撃。

 それに対して、俺は刀を構え──


「荒れ狂え──」


 真紅の内力を纏わせた刀をイザリアの放った一撃に向かって振り抜いた。


「プロミネンス・ランページ!」


 振り抜いた刀の軌跡に沿って真紅の内力の奔流が閃光となって解き放たれる。

 そして俺の放った真紅の閃光はイザリアの放った必殺の一撃と激突し──


「俺の勝ちだ」


 閃光がイザリアの必殺の一撃を斬り裂き、イザリアまでも飲み込んだ。

 その熱と破壊力はイザリアの存在を完全に消し飛ばし、更に膨大な内力の奔流が魂にすら傷を負わせ、再生しようとするイザリアの魂に貯蔵された内力すら燃やし、復活する度にその体に宿る燃えた内力がイザリアを内側から何度もき殺す。


 ──だが、まだ終わらない。

 復活する度に即座に死んでもイザリアは、繰り返される死に耐え、復活を遂げる。

 俺への殺意はまだ衰えていない。全く心が折れていないとか、最高だぜ。だけどな──


「その体のキミとるのはもう飽きたぜ」


「──ッッアスラァァァァッ!」


 俺は大地を蹴って空へと舞い上がる。

 復活したイザリアは空に浮かび、俺を見下ろしており、俺はイザリアへ向かって飛翔する。

 イザリアは迫っていく俺に対し、左手を向けるが、ダメージがあるのか内力を練れないようで、手からは何も放たれない。イザリアは内力を用いた術技を諦めると右手に持っていた槍を左手に持ち替え、俺を迎え撃つ。


 俺もイザリアも空中戦だろうが何も問題ない。

 俺がイザリアに向けて刀を振るうと、イザリアは槍の柄で受け止めるが、槍の方も限界を迎えたのか、容易くへし折れる。復活する時に残機を使って槍も修復しているんだろうが、自分の体の再生の方に残機を注ぎ込んでいるせいで、槍は完全には元通りになっていない。それだけ、余裕が無いってことだ。


「──チッ」


 イザリアは舌打ちをしながら、左手で俺の体に触れる。

 その瞬間、イザリアに投げ飛ばされ俺の体が宙を舞うが、もともと俺達の戦っている場所は空中だ。

 俺は即座に態勢を立て直すと、イザリアに向かって突進する。


「さっきから気になってるんだけどさ。随分と左腕に拘るじゃないか」


 仙理術を使うのも格闘の技を使うのも全部左手だ。

 ラ゠ギィの利き腕は右のようにも見えるが、イザリアは自分の技を使う時は左手でしか使わない。いや、使えないのか?


「その左腕に何かあるのかい?」


 俺の問いを受けてもイザリアには何も変化は見られない。

 だが、そんなのは関係ない。俺は空を駆け、イザリアに迫るとその左腕目掛けて刀を振り下ろした。


「さて、左腕を斬り落としたらどうなるんだろうね!」


 イザリアの全身を消し飛ばした時は何も無かった。

 だが、他は無事のまま左腕だけを切り離したらどうなるだろうか?

 ここまでの戦闘でイザリア自身の技は全て左腕で放っていた。そこから、イザリアの力は左腕にしか宿っていないとも考えられるが──


「調子に──乗るな!」


 イザリアは渾身の力を振り絞って俺を迎撃しようとする。

 だが、遅い、弱い、話にならない。ここまでの戦闘のダメージによるものか、イザリアの動きは明らかに精彩を欠いており、接近する俺への対応は間に合わず、そして──


「──これで終わったと思うな……っ」


 俺の刀が閃き、イザリアの左手が宙を舞う。

 その瞬間、ラ゠ギィの体からイザリアの気配が薄れていく。


「次に会うときはキミの本体とりたいもんだ」


「……ならば、クルセリアへ来るがいい。私は貴様を待っている。そして必ずや、貴様に罪を償わせてやる──」


 ラ゠ギィの体の口は動いていない。

 イザリアの声が聞こえるのは、俺が斬り飛ばした左腕からだ。

 宙を舞う左腕には眼と口と耳があり、それで俺と会話しているんだろう。


「……アロンデイルを思い出せ! それが貴様の──」


 俺は落下していく左腕に向けて真紅の内力を叩き込み、蒸発させた。

 それきりイザリアの声は聞こえなくなり、後に残されたのはラ゠ギィの体だけ。

 誰にも操られなくなった、その体は力を無くし落下していく。


 もう充分だろう。俺は闘獄陣を解除する。

 その瞬間、周囲の景色が最初に戦っていた洞窟へと戻り、落下していったはずのラ゠ギィの体は洞窟の地面に横たわっていた。


「……はぁ、疲れた」


 楽しかったが、結構しんどいぜ。

 俺も力尽き、その場に尻餅をつく。

 イザリア相手には強がっていたが、内力はほぼゼロ。残機もかなり厳しい。

 これで赤神との戦闘は中々に大変だ。


「後の事はゼティに任せよう」


 今もゼティは戦っている気配がある。

 赤神の始末はゼティに託すとしよう。


 アイツが赤神を倒すまで、俺はしばらく休憩だ──



攻略情報


『邪神アスラカーズ』


※勝利条件:心を折る

・戦闘や勝負事で、言い訳もできないくらい完膚なきまでに叩き潰さないと心は折れないぞ。


※戦うためには

・修羅闘獄陣に正規ルートで侵入し、1階から50階までを攻略すれば、いつでも挑戦できるぞ。

・色んな世界をほっつき歩いているので見かけたら勝負を挑もう。喜んで戦ってくれるぞ。


※戦う前の準備

・パーティーで挑むのはやめておこう。最初から第四形態以降の行動パターンになることもあるぞ。

・複数名で挑むと「多勢に無勢だったし……」と言い訳が入るので、心を折れないぞ。

・借り物の力で挑むのはやめておこう。勝っても「ズルされたし……」と言い訳が入るので心を折れないぞ。

・チートや特殊能力を貰ってる人は気を付けよう。勝っても「ズルされたから……」と言い訳するので心が折れないぞ。

・業術は駆動ドライブ、瑜伽法は究竟アルス・マグナ。どちらかは会得しておこう。

・防御不可能な攻撃が多いので、蘇生手段は用意しておこう。



※行動パターン

【第一形態】

 拳や刀で戦ってくる段階。

 この形態に歯が立たないということは根本的な戦闘技術が物足りないという証拠。100年くらい修行しよう。


【第二形態】

業術を使った遠距離攻撃や必殺技を使ってくる。

必殺技は文字通り即死の威力なので防ぐのは基本的に諦めること。

ただし、一発くらいなら防ぎ切れる実力が無いと、これ以降の形態は相当に厳しいぞ。

この辺りから防御は適宜諦めて蘇生前提での戦闘も視野に入れよう。


【第三形態】

 瑜伽法を使って戦闘フィールドを変えてくるぞ。

 各フィールドごとにクソみたいなルールが設定されているので気を付けよう。

 ここまで来れた実力者なら大丈夫かもしれないが、宇宙空間、深海、超高重力下、絶対零度、太陽の中といった環境に引きずり込まれることもあるので、対応できるように準備しておこう。

 瑜伽法の『カストルム』が使えれば、特殊環境はほぼ全て防げるので修得をオススメするぞ。


【第四形態】

 業術の展開エヴォルトを使い、戦闘フィールドも更に頻繁に変えてくるぞ。

 業術の展開は自分が強化されるメリットもあるが時間制限のデメリットが厳しい。ちなみに業術の展開は自分も業術を展開しないと必中。瑜伽法で防ぐには『国』と『令』が使えないと防げないぞ。

 この段階から刀を使って必殺技を使ってくるので頑張って避けよう。防御は不可能だし、当たると一発で即死のうえ残機を10近く奪われるぞ。

 ちなみに一回死んだら、それで終わりの人は残念だが、ここでギブアップしておこう。


【第五形態】

ここから先は自分の目で確かめよう!


※攻略上の注意点

・各形態ごとの戦闘時間には注意しておこう。あまり長引くと、アスラカーズはこちらを雑魚認定して手加減モードになるぞ。「手加減をしてやったから……」と言い訳をするので、心を折ることは不可能になるから気を付けよう。

・戦闘時はアスラカーズをワクワクさせるような戦い方を心掛けよう。つまらない戦い方をすると手加減モードになるぞ。

・心を折る前に自分の心が折れないようにしよう。心が折れたら手加減モードになるぞ。

・心を折る以外の方法では倒せないので挑むなら覚悟を決めよう。

・ギブアップは常に受け付けてくれるので勝てないと思ったらすぐに降参しよう。


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