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最終通過者

雑で短め

 

 不正だらけの予選会。

 そんな中で真面目に予選会に参加して、それでも二位通過とか俺の凄さが際立つね。

 さて、それはともかく予選通過した奴も俺を含めて15人。あと一人は誰になるんだろうか?

 そんなことを考えながら、赤神に転送された先で待っていると、ほどなくして最後の予選通過者が転送される。赤い光に包まれながら、俺達の前に現れたのは──


「どうやら、私が最後のようですね」


 16人目はラ゠ギィだった。

 コケてくれるかと思ったけど、案外しぶといね。

 つーか、ラ゠ギィが来たってことはセレシアは駄目だったってことになるよなぁ。

 これってどうなのと思い、俺は近くに立っていた奴に訊ねる。


「予定が狂ったんじゃない?」


 俺が訊ねた相手はリィナちゃん。

 セレシアやシステラがダンジョンの中に残っているのに、なんでこの子がいるかっていうと、これは俺の推測にだけど、セレシアが少しでも自分の味方を多く剣神祭に出場させようとしたからだと思う。

 まぁ、それはセレシアが所属しているらしい冒険者ギルドの女性部が、少しでも剣神祭で女性冒険者が良い成績を得られる可能性を上げようとして考えたことなんだろうけどさ。それでリィナちゃんだけを先に行かせて本戦出場枠を一つ確保したわけだけど──


「話しかけんな」


 おぉ怖い。どうやらリィナちゃんは俺の事が嫌いなようです。

 なので、俺が隣にいることが不満のようだけど、俺も正直リィナちゃんがいることは不満なんだよね。

 だって、リィナちゃん弱いし。

 俺らの狙いは赤神との接触で、場合によっては戦闘になるだろうから、もし運よくリィナちゃんが優勝しても、赤神に勝てるとは思えねぇから、俺からするとリィナちゃんが本戦に出場する意味が無いんだよね。セレシアは無理でも、最悪システラが本戦に出場してくれればとは思うけど、まぁ今更か。


「──どうやらお互い無事に本戦に出場できたようですね」


 ラ゠ギィは俺を見つけると近づいてきて互いの無事を喜ぶような言葉を発する。

 まぁ、本心ではないだろうけどさ。俺がラ゠ギィに本戦に出て欲しくないって思ってるのと同様にラ゠ギィも俺に本戦に出て欲しくないと思っているだろう。


「……そっちの陣営は二人かい?」


 俺はラ゠ギィの後ろに立つナサニルを見る。

 地味にこいつも本戦に出場が決まってるんだよね。

 俺にぶっ倒された後で、俺の後を追いかけてきて最深部に辿り着いたらしい。

 まぁ、ラ゠ギィにとっては戦力にならないナサニルの存在はどうでもいいだろうけどさ。


「三人も出場している貴方がたに比べれば不利ですね」


 ラ゠ギィは俺とリィナちゃんを見ながら言う。

 すると、リィナちゃんは露骨に不機嫌な顔になり──


「こいつの仲間扱いしないでくれます?」


 つれないねぇ、もう結構、長い付き合いになるのにさ。

 ま、俺も戦力としては数えてないわけだから、仲間とは言えないかもしれないけどさ。


「何人出場した所で、最後に勝つのは一人だけだぜ? 本戦出場の人数で一喜一憂するのもどうかと思うがね」


「ですが、仲間同士で勝敗の譲り合いができますよ?」


 嫌だねぇ、最初から八百長を考えてるとかさ。

 もっと、正々堂々と戦おうぜ? でもまぁ、本戦でラ゠ギィとナサニルが試合になった場合、ナサニルはラ゠ギィに勝ちを譲った方が、先の事を考えると良いのは間違いないだろうけどね。

 でも、俺の場合はゼティやリィナちゃんは身内だけど、そういうのは──


「こいつに勝ちを譲るとかありえないんですけど?」


 無理なんだよなぁ。

 いやぁ、恨みを買いまくってて、穏便に勝ちを譲ってもらうとかできねぇんだよ。


「まぁ、俺の方はこんな感じだから、正々堂々とやらせてもらうよ」


 つっても、そもそも俺は本戦がどういう形式でやるのか把握してないんで、何が正々堂々かも分かんねぇんだよなぁ。ま、説明もあるだろうから、何も心配してないけど。


「でしたら、私も正々堂々と貴方と戦うと約束しましょう」


 そいつは素晴らしいね。

 ここに至るまで色々と暗躍してた奴が正々堂々ですか。

 いやぁ、染み入る言葉だぜ。


「──予選通過者の皆さん!」


 おっと、神官たちが何やら声をあげてるぜ?

 じゃあ、話はここまでにしておこうか──なんて、俺が言うまでも無くラ゠ギィもリィナちゃんも神官の声に耳を傾けていた。


「本戦出場おめでとうございます。本戦についての詳しい連絡と試合の組み合わせは後日、神殿前に掲示しますので、そちらでご確認ください」


 なんだよ、今すぐ教えてくれるわけじゃねぇのかよ。

 まぁ、神官たちも色々と話し合うことがあるのかもしんねぇから、今すぐってのは無理なんだろうけどさ。

 特に試合の組み合わせなんかは、それこそ色々と・・・話し合わないといけないことだもんなぁ。


「たぶん、俺とリィナちゃんは試合することは無いんだろうね。それとナサニルとも俺は試合は無いかな?」


「おそらく、そうでしょうね」


 ラ゠ギィも試合の組み合わせについて何となく察しているようだ。

 分かっていないのはリィナちゃんとナサニルだけど、別に分かってなくても良いかな。


「どういうこと?」


 リィナちゃんが首を傾げて俺に聞いてきたので、俺は一言で理由を教えてやることにした。


「キミらは弱いから、俺らとはあたらないよって話さ」


 そう言うとリィナちゃんの目が怒りで吊り上がる。

 困るぜ。事実を言ったのに怒られるとか、理不尽じゃないかい?


「16人もいるならリーグ戦は難しいからトーナメントになる。でもって、トーナメントなら主催者の勝たせたい奴のいる山の方に弱い奴を集めるとかできるから、俺はリィナちゃんやナサニルとは戦うことは無いだろうよ。なぜなら俺は強いからね。神殿としては別の山で他の強い奴と潰し合ってもらいたいだろうから、試合の組み合わせだって工夫するさ」


 そういう主催者の工作って結構重要なんだぜ?

 だって、完全に運任せのくじ引きにしたら一回戦の第一試合で注目選手同士の試合になったりするじゃない?

 そうなったら、一番最初で見どころが終わっちまうわけだし、主催者はあの手この手で、有望選手や注目選手が当たらないようにするんだよ。

 でも、これに関しては俺は文句は無いんだけどね。興行として盛り上げるには演出とかも必要になるし、トーナメントの組み合わせの操作くらいなら可愛いものだって許してやらねぇとな。


「ということは?」


 リィナちゃんも何となく想像がついたようだね。

 今のイグナシスで神殿的には勝って欲しくない奴らって誰でしょうかって話だ?

 そいつらに勝って欲しくない神殿は当然、そいつらで潰し合いをしてもらいたいだろうから、なるべくそいつら同士で潰し合いをしてもらいたいから──


「おそらく、俺とゼティとラ゠ギィは同じ山で、決勝には三人の内の一人しか出られねぇだろうな」


 俺達三人に勝たれると困るから、赤神も神官に何か助言するだろうし、俺達三人が潰し合うのは確実だろう。それはそれで俺は楽しいから良いんだけどさ。

 強い奴らと戦えるなら俺は文句はねぇ。本来の目的は置いといて、まずはそっちを楽しむのも悪くないだろ?


 どんな組み合わせになるかは分かんねぇけど、本戦が楽しみになって来たぜ。




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