手合い違い
偶然の遭遇からの突発的な戦闘。
セレシアとシステラはラ゠ギィと対峙する。
ダンジョンの最深部まで辿り着くのが予選を突破する条件だが、この場にいる三人はそれをひとまず忘れる。
互いを無視してゴールを目指したところで、途中で互いに邪魔をすることになるのは間違いないので、後の面倒を避けるためにはこの場で相手を始末するほかないというのが、セレシアとシステラそしてラ゠ギィの出した結論だった。
「援護してくれ」
セレシアはシステラにそう言うと盾を構えてラ゠ギィに突進する。
対するラ゠ギィもシステラに向かって駆け出す。だが、その速度は──
「遅い!」
踏み込みの速度、相手との距離を詰めるラ゠ギィの速度は自分よりも遥かに遅いとセレシアは判断し、鋭く素早くラ゠ギィに接近する。そして、セレシアはその勢いのまま盾撃で先手を取ることを狙う。しかし、そうして盾を構える腕に力を込めた瞬間、セレシアは構えた盾に衝撃を感じる。
それも一度ではなく、一瞬の時間差を持って放たれた三発の打撃。
その威力は軽く、一度に三発の攻撃を受けたならセレシアは問題なく耐えられた。だが、巧妙に着弾の位置をずらされていた三連続の打撃は複数方向から衝撃を与えることで、盾ではなく盾を構えるセレシアの腕に揺さぶりをかけていた。
それによって盾の構えを崩されたセレシアは盾による体当たりをやめ、即座に右手に持った剣でラ゠ギィに斬りかかろうとする。
だが、剣を持つ腕を振ろうとした瞬間、セレシアは腕に衝撃を感じ、それとほぼ同時にセレシアは顔面に衝撃を感じる。
──これがアッシュの言っていたラ゠ギィの拳か。
セレシアは打撃を食らったことを理解しながら、目の前のラ゠ギィに向かって剣を振ろうとするが、その瞬間にセレシアの剣は、それを持つ腕をラ゠ギィの拳で打ち据えられ、振りが止まり、そこから続けて放った拳で再びセレシアの顔を打つ。
左右の腕で行っているわけではない。ラ゠ギィは左腕一本で、セレシアの攻撃を攻撃が放たれるより先に止め、それとほぼ同時に、左腕で打撃を放っている
話に聞いたのより速すぎないか?
セレシアは二発目の拳を食らいながら思う。
アッシュからそれとなく話を聞いたラ゠ギィの攻撃は拳による超高速の連打。
突くスピードの速さもさることながら、注目すべきなのは戻す速さ。打った瞬間には戻っている拳によって、凄まじい回転率の連打を可能にする。
セレシアがアッシュから聞いたのはそんな話だったが、話に聞くのと実際に受けるのは全くの別物だった。
「女性の顔を殴りたくはないので──」
セレシアは盾を構えてガードしようとするが、構えようと動かした瞬間、セレシアが力を入れるより早くラ゠ギィの拳がセレシアの盾を弾き、ガードの構えを取ることすらさせない。
「──速やかに降参していただけると助かります」
セレシアは距離を取ろうと後ろに下がろうとするが、そう考えた瞬間にラ゠ギィの拳がセレシアの喉を打つ。反射的に頭が下がった瞬間、ラ゠ギィの拳がセレシアのこめかみを打つ。
防御を──そう考えた瞬間にラ゠ギィの拳が鳩尾を打つ。拳の衝撃で思考が一旦途切れる。即座に思考を再開しようとするが、そこを狙ったかのようにラ゠ギィの拳がセレシアを打つ。
──速すぎる。
セレシアはアッシュの言葉を信じていなかったわけではないが、ここまで速いとは思わなかった。
そもそも最初の拳が見えない速度で襲ってくる。そして、それを受けたと思ったら、次の瞬間にはもう一度攻撃が来る。それが絶え間なく繰り返されて連打となって、圧倒してくる。
『行きは時速100kmで、帰りは時速1000kmで何百回も往復するような感じかな?』
ラ゠ギィの拳をアッシュはそう例えていた。
その例えの意味をセレシアは全く理解できていなかったが、ラ゠ギィの拳を食らってとにかく危険であることをセレシアは理解した。一発でもマトモに食らって、意識がほんの僅かでも途切れたらそこから挽回のチャンスは無くなる。考えて対処するよりも先にラ゠ギィの止まらない連打が襲い掛かってくるからだ。
「セレシア!」
システラが、ラ゠ギィに向けて拳銃の引き金を引く。
だが、ラ゠ギィの拳は放たれた銃弾を容易く叩き落とす。
「不意を突くならもう少し上手くやって欲しいですね。気付いていましたか? 私は銃弾に対処するために、右腕を防御用として備え、左腕でしか攻撃をしていないことを」
システラはラ゠ギィの言葉を無視して、閃光手榴弾をセレシアとラ゠ギィの間に投げつけ、叫ぶ。
「下がって!」
直後、手榴弾が炸裂し、辺りが眩い光に包まれ、その隙を突いてセレシアはラ゠ギィから距離を取るために飛び退く。咄嗟に眼を閉じていたセレシアに対してラ゠ギィは閃光をマトモに受け、視界を奪われたが、ラ゠ギィは即座に自分の目を抉り再生することで、元の状態に戻す。
「手強いですね」
「手強いで済む戦力差ではないと思うがな」
システラとセレシアは隣り合って立ち、危機感を表情に浮かべながらラ゠ギィを見据える。
対してラ゠ギィはアッシュに狐のようと評された顔にシラケた気配を浮かべていた。
「このまま続けたところで私とは戦いにならないと私は思うのですが?」
「それは続けてみなければ分からないだろう?」
そう言ってセレシアは隣に立つシステラに視線を送る。
視線を受けたシステラは頷き、そして──
「接近戦はなるべく避けましょう」
「善処する」
次の瞬間、セレシアは自分の収納領域からバリケードを召喚し、ラ゠ギィの周囲が金属の壁で取り囲まれる。
「なるほど、銃器や兵器を召喚する能力ですか」
ラ゠ギィはシステラの能力を推測して言葉にする。
その言葉には表情と同じようにシラケた響きがあった。
それを感じ取ったシステラは壁に隠れながら鋭い目つきでラ゠ギィを捉え──
「こちらを甘く見たことを後悔しなさい」
金属製の壁は互い違いに並び、遮蔽物となってセレシアとシステラの身を隠す。
システラは隠れながら、新たな兵器を召喚する。そうして現れたのは機関銃が搭載されたドローン。
浮遊しながらドローンは銃口をラ゠ギィに向け、射撃を開始する。
先程のシステラの拳銃から放たれるのとは比べ物にならない弾幕にラ゠ギィは回避を選択し、その場から駆け出し、周囲に設置された壁の中に滑り込む。
だが、そうして隠れようとした先にあったのは自動式銃座。機関銃が設置された銃座が自動で敵を探知し、射撃を開始する。
タイミング的に回避は不可能──ラ゠ギィはそう判断し、甘んじて射撃を受ける。
内力で自分の身体を強化すれば、ただの銃撃などは通らない。もっとも、ただの銃撃であるかどうかの確信は無いので、賭けだ。だが、ラ゠ギィはその賭けに勝った。銃座から放たれた銃弾はラ゠ギィの身体を通らず、同時にラ゠ギィを追ってきたドローンの銃弾もラ゠ギィの身体を通らない。
「内力の込もらない攻撃など──」
ラ゠ギィがそう言った瞬間、周囲に乱立する壁の隙間を縫って飛来してきた盾がラ゠ギィの身体に激突する。それはセレシアが投げつけた盾であり、それを食らったラ゠ギィの身体がよろめく。
「隙を見せたな!」
体勢が崩れたラ゠ギィを狙い、壁を飛び越えてセレシアが襲い掛かる。
ラ゠ギィは体勢を戻しながら、咄嗟の判断で向かってくるセレシアに対し、迎撃の拳を放つ。
今までと同様、眼にも止まらぬ速さで放たれるラ゠ギィの拳を防ぐことはできず、セレシアはそれをマトモに受けるが──
「手打ちの拳など、何発食らった所で倒れるものか!」
セレシアはラ゠ギィの拳を食らっても歩を進め、斬りかかる。
ラ゠ギィの拳は踏み込みも何もなく、腕だけで打っている打撃だ。一発一発に重みは無く、衝撃は響かない。だから、食らっても耐えられないということは無い。
「何発で駄目と言うならば、何百発では如何でしょうか?」
セレシアの言葉を受けて、ラ゠ギィは両腕の使用を解禁する。
先程までは片腕だけだった。だが、それが両腕になれば、単純に倍の手数の拳が放たれることになる。
瞬時に数十発の打撃を受け、セレシアは後ずさる。二人の間合いが開いたことで、同士討ちに危険が無くなったことから周囲の銃座とドローンが一斉に射撃を開始するが、効かないことが分かっているラ゠ギィは無視してセレシアに向かう。
対してセレシアは落ちていた自分の盾を拾い上げると、それをラ゠ギィに向かって投げつけて、接近させないようにするが、ラ゠ギィはその盾を容易く躱し、セレシアとの距離を詰めるが、次の瞬間、ラ゠ギィの背中をセレシアの投げた盾が打つ。
何事かと思い、ラ゠ギィが振り返ると背中に激突したセレシアの盾が弾かれたように飛び、周囲に無数に立つ金属の壁に弾かれながらピンボールの要領でセレシアの手まで戻る。
「私の盾が防具だけだと思うな」
セレシアは体勢を崩したラ゠ギィを構えた盾で激しく殴りつけた。
防御が間に合わずマトモに受けたラ゠ギィは弾き飛ばされて、大きく後退する。
ラ゠ギィはセレシアの追撃を防ぐために即座に迎撃の構えを取るが、その時には既にセレシアは周囲に立ち並ぶ壁の影に隠れてしまっていた。
「ちょこまかと──」
ラ゠ギィが追おうとした瞬間、壁の隙間から盾が飛来してくる。
咄嗟の判断でラ゠ギィがそれを拳で弾くと、特殊な回転がかけられているのか、盾は近くの壁の方へと向かい、ピンボールのように壁に弾かれて別の方向へと飛んでいき、そして、それに意識が向いた瞬間を突いてセレシアが襲い掛かる。
盾は投げつけたため、セレシアの手にある武器は剣だけだ。
それならば容易いとラ゠ギィが思った瞬間、あらぬ方向へと飛んだはずの盾がセレシアの左腕に磁石でもついているかのように吸い込まれるように収まり、剣だけを警戒していたラ゠ギィの意表を突いて、セレシアは盾で殴りつける。
「もう一発!」
セレシアは剣を振るうように見せかけながら、盾でラ゠ギィを殴りつけようとする。
だが、次は無い。セレシアにラ゠ギィの拳が効果を見せなかったように、ラ゠ギィにもセレシアの打撃は通じていなかったからだ。ラ゠ギィは盾で殴りつけようとするセレシアの胴体を、それを上回る速度で殴りつける。
「私の拳が軽いとおっしゃっていましたね。では、これは如何でしょうか」
ラ゠ギィはそう言って拳を放った。
両腕を使って放つ五連撃。全ての一撃が一瞬のズレも無くほぼ同時にセレシアの胴を打った。
「羅派仙理拳──五星衝」
次の瞬間、セレシアの背中が爆ぜて血を噴き出し、口からも夥しい量の血がこぼれる。
だが、セレシアは膝を突かず、戦意の衰えぬ目でラ゠ギィに向かって剣を振ろうとする。
ラ゠ギィはそれを見て引導を渡そうするが、その時だった──
「隙を見せましたね」
隠れていた壁から飛び出してくるシステラ。
その手には拳銃ではなくショットガンが握られ、既に銃口はラ゠ギィに向けられていた。
ラ゠ギィは姿を見せたシステラへ意識を向けるが、それよりも早くシステラは引き金を引く。
銃声が轟き、銃口から発射されるのは散弾ではなく、一つの大型の弾を発射するスラグ弾。
ラ゠ギィはセレシアの方に身体を向けながら、反射的にシステラの放った弾丸を防御しようと拳を振るおうとした。
今までのセレシアの手による攻撃は内力が込められていない近代兵器によるものばかり、であれば子の攻撃も同じく、内力が込められていない。ラ゠ギィはそう判断し、拳で払えば済むと考えた。だが、それは油断に他ならない。
次の瞬間、弾丸を防ごうとしたラ゠ギィの拳が弾け飛んだ。
「自分で撃つ弾に内力を込めることくらいはできます」
ラ゠ギィの耳にシステラの言葉は届いておらず、ただ呆然とするラ゠ギィ。
そこへセレシアの盾で殴りつける打撃が叩き込まれ、ラ゠ギィは体勢を崩して後ずさる。
畳みかけるチャンス。セレシアとシステラはそう判断し、ラ゠ギィへと仕掛ける。
ショットガンの引き金を引くシステラと、盾を構えて距離を詰めるセレシア。
対するラ゠ギィは、既に弾け飛んだ拳の再生は済んでいた。
だが、ラ゠ギィは拳を構えず、足を膝の高さまで上げると、その足で地面を強く踏みつけた。
「──流撃」
地面を踏みつけた衝撃が周囲に拡散され、セレシアの身体が吹き飛ばされ、近くに立つ壁に叩きつけられる。また、システラの放った銃弾もラ゠ギィに届くまでに弾き飛ばされ、システラ自身もセレシアと同じように壁に叩きつけられた。
「侮っていたわけではありませんが……いや、侮っていましたね」
ラ゠ギィは肩を竦め、セレシアとシステラを見据える。
「私に手傷を負わせたことは賞賛に値しますが──それでも私と戦うには百年は早い」
ラ゠ギィはセレシアに向かって距離を詰める。
壁に叩きつけられていたセレシアだったが既に体勢は立て直し、迎え撃つ構えを取っている。とはいえ、既にセレシアはラ゠ギィの攻撃を防ぐことは諦めている。
それでもセレシアはカウンターを狙い、迎え撃つ構えだった。一発か二発、ラ゠ギィの拳の軽さならば問題なく受けられる。そして、耐えてカウンターを決める。セレシアはその狙いのもと、ラ゠ギィの接近と、その攻撃を待つ。
だが、そうして覚悟を持ってラ゠ギィの攻撃を受けたセレシアはたった一発でよろめいた。
感じたのは拳とは違う硬質の衝撃、何が起きたのかと理解できないセレシアの身体に再びラ゠ギィの打撃が叩き込まれる。だが、その打撃は拳ではなく──
「私自身、自分の拳の軽さは承知しております。であるならば、その弱点を補う方法を用意してあるのは当然でしょう?」
ラ゠ギィの右手には30cm~40㎝ほどの長さの棒が握られていた。
端から端まで真っ直ぐな麺棒や太鼓のバチを思わせるような見た目の黒い棒だ。
左の袖口からも右手と同じ棒が滑り落ち、ラ゠ギィはそれを左手で掴むと、両手に棒を構える。
「私の生まれた世界では短棍と呼ばれる武器で、一般的に使われるものなのですが、貴方には馴染みの無い武器のようですね」
「セレシア!」
体勢を立て直したシステラが銃を構えるが、引き金を引くより先に、ラ゠ギィがシステラの方を向き、棍を持った手をシステラに向けながら手首を捻る。
「流撃」
直後、捻る動作によって生み出された力の流れが、大気を経由して増幅され、破壊力を生み出し、システラの持つ銃の銃身を捻り切る。システラは即座に使い物にならなくなった銃を捨て、拳銃を引き抜こうとするが──
「──流撃」
拳を突き出す動作によって生み出された力の流れがシステラの身体を吹き飛ばし、その衝撃でシステラは意識を失う。
それを見たセレシアがラ゠ギィに襲い掛かるが、その瞬間、無数の打撃がセレシアの身体を打ち、セレシアの動きを止める。
ラ゠ギィの短棍による打撃は拳と同じ速度か、それ以上の速度だった。セレシアは反応もできず、滅多打ちにされる。拳と同じかそれ以上の速度で、拳よりも多彩な軌道で放たれる打撃。そのうえ威力も拳よりも遥かに上、セレシアは何もできず、ダメージの蓄積で遂に膝を突く。
「まだ──」
だが、セレシアは最後の力を振り絞って立ち上がり、剣を振るおうとするが、ラ゠ギィが左手の棍でセレシアの剣を持つ腕を押さえ込むと、右手の棍でセレシアのこめかみを打つ。その一撃で意識が途切れた所に、ラ゠ギィは右の棍を振り下ろして鎖骨を叩き割り、喉を左の棍で突く。
その一撃で突き飛ばされたセレシアは間合いが開いたことを利用して体勢を立て直そうとするが──
「流撃」
棍を脇に抱え、無手となった右手をラ゠ギィはセレシアに向け、親指と人差し指の腹を擦り合わせる。次の瞬間、セレシアの四肢がすり潰され、千切れ飛んだ。あまりの痛みに声も出せず、芋虫のようにその場に倒れこむセレシア。
「その程度の傷ならば、すぐに再生するでしょう。とはいえ、それを待っている時間もありませんし、そもそも私は貴方がたと決着をつける必要もありません。それに加えて、女性を殺すというのも趣味ではないので──」
ラ゠ギィはシラケた表情でセレシアを見下ろすとそう言って、セレシアとシステラに背を向けて部屋を出ようとする。トドメを刺す必要はない。今はまず予選を突破することの方が重要である。
そう判断したラ゠ギィはセレシアとシステラをそのままにしておくことにした。
「待て!」
四肢を失って倒れるセレシアが必死の形相で叫ぶ。
対してラ゠ギィはまるで興味が無いような様子でセレシアの方を見ることも無く部屋の出口へと歩いている。
「待って欲しいのでしたら、速やかに手足を生やすことですね。それができないのなら、今の貴方は私と戦うには明らかに力不足です」
再生速度も充分でない時点で使徒としては未熟と言うほかない。そして未熟な使徒など自分の相手にはならないとラ゠ギィは言う。
「では、失礼いたします」
ラ゠ギィはそう言って、最後までセレシアの事を見ることなく部屋から出る。
残されたセレシアはラ゠ギィの後姿を見て歯嚙みするしかできることは無かった──
──セレシア達との戦闘を終えたラ゠ギィは当初の目的通り、剣神祭の本戦出場を目指し、ダンジョンの最深部へと進んでいく、そうして遂にラ゠ギィは最深部へと辿り着く。
セレシア達との戦闘から、この場に辿り着くまで、前にも後ろに参加者の姿はなかった。ラ゠ギィは自分の順位が果たして何位なのか、考えながら最深部の部屋へと足を踏み入れる。
「これは──」
だが、入った部屋には誰もいない。
自分が一位ということはあり得ない理解しているラ゠ギィは先に辿り着いている参加者がいないことに疑問を抱く。だが直後、ラ゠ギィの視界は光に包まれる。
それは赤神の力による転送に際して生じる赤い光だった。そして最深部に辿り着いたラ゠ギィの転送された先は──




