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最強の業術使い

ちょっと無理して更新。

慌てて書いたので書く予定だったことを書き忘れてるかも。

 

「やっべぇなぁ……」


 見間違いじゃなく、あの光はルクセリオの業術カルマ・マギア──『輝煌皇ロード・エクセリオン』だ。

 平原の岩場に隠れた俺は、ガイがルクセリオの業術の光に呑み込まれたのを見て確信する。


 最初の一撃は偶然、俺の闘獄陣に当たったんだろうが、次の攻撃は明らかにガイを狙ったものだ。

 ルクセリオもガイの存在を認識したんだろう。ガイがルクセリオを嫌いなようにルクセリオもガイを嫌いなようだし、ガイの存在を見つけんで攻撃を仕掛けたくなったんだろうな。


「ルクセリオ!」


 ガイがルクセリオの名を叫んでいる。

 ガイが叫んでいる方向は丘の方なんで、魔族の軍が侵攻方向にルクセリオがいたんだろう。

 それはつまりルクセリオがレイランド王国軍にいたということで、そうなると魔族の軍勢と対峙していたってことで、そんでもってルクセリオはその魔族の軍勢に業術をぶっ放したんだろうね。となれば、魔族軍は全滅以外ありえない。

 ルクセリオの『輝煌皇』は単純な攻撃性能で言えば最強の業術だ。この世界の人間が防ぐのは不可能──っていうか、大抵の世界の生き物は防げないんだけどね。


「──おい」


 不意にすぐそばからセレシアの声が聞こえたので声の方を見るとセレシアが目の前にいた。

 いつの間にかセレシアも俺が隠れている岩場にやってきて俺と一緒になって隠れていた。

 となると、俺と一緒にいたゼティはどうしたんだろうと辺りを見回すと、固まっていたらマズいと思ったのか、俺から離れた岩場の陰に隠れているのが見えた。


「どうなっている? あの攻撃はなんだ」


 セレシアが小声で俺に訊ねながら、ルクセリオの放った光の着弾点を指し示す。

 その指の先を俺も見ると、そこは地面に奈落の底まで続くような大穴が空いていた。

 まぁ、ルクセリオの攻撃ならあんなもんだろうな。


「ルクセリオって使徒の業術カルマ・マギアだよ」


 ルクセリオが地面に空けたあの大穴は地殻までぶち抜いてるだろう。

 丘の上から下へと打ち下ろし気味に撃ったから、地面に穴が空いて地殻をぶち抜く程度で済んでいる。

 水平方向に撃ったら、どっかの街やら城やらに当たっていた可能性もあるだろうけど、下方向に撃ったから、その心配も無いな。

 まぁ、下方向に撃ったら、地球みたいな球形の星だと、裏側が吹き飛ぶんだけどさ。

 場合によっては星の核が粉砕されたり、普通に星が真っ二つになるんだけど、この世界は平面みたいだから大丈夫だろ。


「ちょっと待て、これも使徒の仕業なのか?」


「そう言ってんじゃん」


 俺の話をちゃんと聞いてないセレシアと喋っているとガイが丘の上の方に向かって走り出すのが見えた。

 地殻をぶち抜く威力の攻撃を食らってもガイはピンピンしてる。

 それをルクセリオも当然だと思っているのか、丘の上からの閃光が再び、ガイを呑み込んだ。


「光を操る力か?」


 まぁ、そう見えるよな。

 傍から見たらビームとかを打ち込んでいるようし、光を操ってるようにも見えるしな。

 実際、ルクセリオの『顕現態』で放たれるのは、光を制御、収束した超高熱のレーザービームだ。

 だけど、ルクセリオの力の本質は『光』じゃない。


「ま、見てりゃ分かるよ」


 ここで思い出してほしいんだけど、果たして光を操ったとしてガイにダメージを与えられるだろうか?

 ガイにダメージを与えられるのは基本的に内力を込めた直接攻撃だけだぜ? 

 ルクセリオの攻撃が単純に『光』だとしたらガイに傷を与えられるだろうか?

 そんでもって自分に傷を負わせることのできない相手だとしたら、ガイがここまで敵意を露にするだろうか?

 自分へ攻撃が通じない相手なら既に優劣は決まってるわけだし、ムキになって敵対することも無いだろ? となれば、ルクセリオの業術はガイがムキにならざるを得ない性質の攻撃ってことだ。


「オレの前に現れるなと言ったよな!」


 ガイが丘の上に立つルクセリオに向かって叫ぶ。

 結構な距離が離れたが、俺の視力なら問題なく二人の姿が見える。


オレも言ったはずだ。次に姿を見せたら殺すとな」


 バチバチじゃねぇか、あの二人。

 ガイはルクセリオの攻撃を三発受けても、見た感じではノーダメージ。

 だが、実際はどうだろうね。もっとも、多少のダメージはすぐに元通りなる奴だしな。


「おい、そのルクセリオという奴はどういう輩なんだ?」


 セレシアが俺の服の袖を引き、俺に質問してくる。

 ちょっと邪魔しないでくれますかね。いま良い所なんだからさ。

 そもそも、ルクセリオの何が気になってるんだい?

 ガイを相手に「ぶっ殺す」って宣言できるって所に興味でも引かれたのかい?


「ルクセリオは使徒の中で攻撃能力が一番高くて、そんでもって最強の業術使いだ」


 俺はルクセリオについて一番分かりやすい情報をセレシアに伝えた。


「最強だと?」


「あぁ、最強だよ。なにせルクセリオは──」


 ガイが動き出す。

 使徒最強の身体能力が生み出す圧倒的なスピードでルクセリオまでの距離を一気に詰める。

 ルクセリオの業術は高速で動き回る相手を狙い撃つことには向いていない。だが、それでも何とかできるのがルクセリオ。なぜならルクセリオは──


「業術使いの国の皇帝だからな」


 ルクセリオは即座に遠距離戦を捨て、接近戦に移る判断をする。


「近づくのか!?」


 セレシアもガイとルクセリオの戦いは問題なく見えている。

 見えているからこそ、遠距離攻撃を得意とするルクセリオがガイに近づくことが理解できないんだろうね。でも、セレシアは大きな勘違いをしてるんだよなぁ。まぁ、それはガイもなんだけどさ。


「近づくさ。勘違いされやすいけれどルクセリオは超長射程、超高威力の攻撃を持った接近戦タイプだ。殴り合いの距離こそが本領。そして、そもそもの話だけど──」


 ガイとルクセリオの距離が一挙手一投足の間合いにまで狭まる。

 その瞬間、ルクセリオは腰を落とし、右の拳を引き、腰だめに構える。

 正拳突き以外を放つとは思えない構えであり、実際に放つのは正拳突きだ。


一桁番台シングルナンバーの使徒に殴り合いが弱い奴はいねぇよ」


 ガイがルクセリオの間合いに踏み込む。

 その瞬間、閃光が奔った。光のような──ではなく光だ。

 それが煌めいた瞬間、ガイの胸がぶち抜かれていた。

 直後ガイは腕を盾のように構え、俺やゼティと戦った際には一度も見せなかった防御の構えを取るが──


「ッセェイァ!」


 轟く掛け声と共に無数の閃光がガイの両腕を吹き飛ばし、全身を抉る。

 俺とゼティがようやくの思い出一回殺したガイをルクセリオはいとも簡単に殺して見せる。

 だが、ガイも一方的にやられるだけじゃない。死んだ瞬間、即座に回復したガイは一瞬の隙を突きルクセリオに組み付くと、その体をベアハッグでへし折り圧殺する。


「おい、なんだアレは」


「何だって言われてもなぁ。ああいうレベルだぜ? 一桁番台シングルナンバーってのはさ」


 ガイを簡単にぶっ殺したルクセリオにビビってんのか、一瞬の隙を突いて力技で簡単にルクセリオを倒したガイにビビってんのか。

 まぁ、どっちも強くて良いよね。俺は二人とも好きだぜ。


「使徒の話じゃない。ルクセリオという奴についての話だ」


 あぁ、そっちね。でも、そんなに気にする奴でもないと思うぜ。

 初見だとビビるけど、正直言えば、ガイより倒しやすいからな。

 それでもまぁガイを楽に一回ぶっ殺したルクセリオのことは気になるだろうな。


「ルクセリオに関して言えば、アイツの生まれた国ってのはバヴェル帝国って言ってな。聞いたらビビると思うけど、その国は普通に業術が普及してるんだ」


 どのくらい普及してるかって言うと、一兵卒が業術が使えるくらい。

 でもって、それなりの実力者なら『駆動』が使えて当たり前なくらいで『展開』を使えるのも相当数いる。


「バヴェル帝国ってのはとんでもない国でな。貴族ってのは戦闘能力で選ばれるんだ」


 強けりゃ偉いっていうシンプルな理屈で成り立っている国でな。

 そこら辺の平民でも、貴族をぶっ殺せばその地位をそっくり頂ける。

 誰も文句は言わない。仮に文句があるなら、戦って勝って地位を奪えって言われるくらいだ。


「そんな国だから皇帝の座も強さだけで選ばれる。それだけ聞けば察しがつくだろ?」


 強い者が偉いって国でルクセリオはその頂点である皇帝の座についた。

 業術使いばかりの国でそういう連中を全員倒し自分の力を認めさせたってわけだ。

 それを聞けば、ルクセリオが強いって分かるだろ?


「戦闘経験が段違いなんだよ。特に業術使いとの経験がな。ルクセリオほど業術使いと戦った奴はいないし、ルクセリオほど多くの業術使いを倒した奴もいない。アイツと業術で戦って勝てる奴がいないから、『最強』の『業術使い』なのさ。業術の長所も短所も全て承知し、自分の能力を完全に理解し、幾つもの引き出しを持っている。それがルクセリオだ」


「では、ルクセリオが有利なのか?」


 セレシアは無邪気な質問を俺に投げかけてくる。

 どうやら忘れているようだね。ガイは瑜伽法ユーガ・アルスを使えることを、そしてガイはまだ奴の究竟アルス・マグナを見せていないってことをさ。


「勝負は分からねぇな。どっちも本気で戦り合うのは初めてだろうしな」


 攻撃力ではルクセリオ。防御力ではガイ。

 特殊能力ならルクセリオ。身体能力ならガイ。

 お互いに得意分野は正反対。

 こうなるとどっちが有利かは簡単には言えないし、どっちが勝つか言うのなんて尚更だ。


「……もう一つ聞いておきたいんだが」


 セレシアが俺をジッと見てくる。

 その眼差しは疑わし気で、なんだか気になるね。


「貴様はあのバケモノ共に勝ったのか?」


 なるほど、今の俺の強さを見る限りではルクセリオにもガイに勝てそうにないと、そう言いたいのかな?

 まぁ、そう思うのも仕方ない。セレシアはこの世界での俺しか見ていないわけだしな。だけどな──


本気マジのルクセリオには勝ったことがあるよ」


 ガイとは本気でったことはないんで、答えようがないんだけどね。


 ま、俺のことは良いじゃない。

 そんなことよりも、ほらルクセリオとガイが本気でり始めるぜ。


 ──もっとも、互いに本気でこの場で決着つけるつもりなのかどうかはわからねぇけどさ。





今度はホントにしばらく更新が滞ります。

次回は10月くらいになると思います。


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