[2-9]知る予知も無い
あれ? ここはどこだ。
ここはいつだ?
頭を振って思い出す。
私は燃えた王都にいたはずだ。
エルシュ! エルシュはどこ!?
あ、隣りにいた。
いつものようにすやすや眠っている。
頬をむにむにしよう。むにむに。
「んん……ペリータ様もっと食べないと背が縮みますよぉ……」
主人に向かってなんという不敬な寝言だ!
むにむにむに。
はぁ、やっぱり私の天使はかわいいなぁ……。
さて、私は外にいたと思ったらなぜか薄暗い。
そして夜かと思ったら朝だった。
ここは……、どこか建物の中だ。
見覚えのない部屋……だがどこか懐かしい空気……。
そうだここは、私の故郷だ。
だとすると先程の光景はただの夢か。
それにしても長い夢を観ていた気がする。ぼんやりとしか覚えてないけど。
未来と過去がごちゃっとした、なんかそんな混沌とした夢。
まさか予知夢か……!
なんて独り言をしてふふって一人笑った。
私に予知能力なんてない。
でもまあ、予知夢っぽいものを観て、後から思い返すと「あれか!」みたいにデジャヴーを感じる事はある。
まあ誰でもあるよね。
それにしても変な夢だった気がする……。
ふわわーとあくびをして、二度寝をしようとしたら、むにゅっと変な感触がした。
おかしい、エルシュはこんな柔らかいものは無かったはずだ。
掴んだ物をよく見ると、これは尻だ。
なんだ尻か……。エルシュは胸の代わりに尻が付いたのか。
と、よく見たら上下ひっくり返った少女だった。
あれ? なんで二代目がこんな所に?
なんで一緒に寝てるんだっけ……?
まあいいか。
私はこてんと二度寝した。




