表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちんちくりん魔法使いと黄金の天使  作者: ななぽよん
黄金の天使編っぽい
35/66

[3-7-3]鳥と鼠と虫

 僕は鳥使いの荒い人間は嫌いだ。

 しかしこいつは金をくれるから我慢するしかない。

 僕の鳩に手紙を括り付け、遠くの街まで飛ばせと言う。

 すでに僕は女二人を監視する仕事をしているというのに。

 頼み事をするなら、忙しい僕の代わりに、僕の子どもたちに、餌を買って、餌を与えるくらいしてもいいと思う。

 しかしこいつは金だけを置いていく。

 こいつは金は食えないということを知らないようだ。

 僕が他のことをしている時は、頼まれた監視ができないということを知っているだろうに。

 これだから馬鹿な奴は嫌いだ。

 鳥のように賢くあってほしい。

 僕は言われた通り、愛鳩の一羽に渡された手紙を足に括り付け飛ばした。




 鳩が来た。

 鳩の足には手紙が括り付けられていた。

 私がそれを取り外すと、鳩はバッと飛び立っていった。

 私は誰にも見つからぬよう、手紙を開いた。


┌────────┐

 鳥より鼠と虫へ


 報酬は金貨50


 毒で金と桃を離せ


 桃を王都へ運べ


 金には関わるな

└────────┘


 次の日、〈金〉と〈桃〉と〈虫〉が来た。

 飲み物に遅効性の麻痺毒を盛る。

 〈虫〉に指令を渡す。


 一日経ったが麻痺毒は効果が出ていない様子だ。

 黄金の天使の力のせいかもしれない。

 お嬢様に、黄金の天使と街へ遊びに行くことを提案する。

 あとは他の〈鼠〉と〈虫〉に任せる事にする。






 屋敷の庭にて、ジョバーニに赤髪のメイドが近づいてきた。


「従者はあなたですね?」


「へい。左様でござます」


 ジョバーニは馬の首をポンポンと叩き、メイドへ振り返った。


「黄金の天使様は屋敷で泊まります。あなたはこれで街の宿を取ってください。小銀貨が20枚入ってます。中身を確認してください」


 赤髪のメイドは無表情でジョバーニに革袋を手渡した。

 革袋からはチャリンと硬貨が擦れる音が鳴った。


「ありがとごぜやす」


 ジョバーニは無表情で革袋を開けた。


「いーち、にーぃ、さーん……にじーう。あい、確かに入ってますあ」


「宿の場所を書いた紙も入っています」


「へい、助かりますあ」



 ジョバーニは指定された宿の部屋へ入った。

 男が三人座っていた。

 ヒョロいのと、デブと、チビだ。

 赤髪メイドが集めたであろう、裏稼業の男たちだ。

 ジョバーニは後手で部屋のドアを閉めた。


「仕事は」


「誘拐だ」


 ヒョロいのが答え、チビが質問した。


「何ができんだ新入り」


 ジョバーニは一瞬だけ考えて答える。


「眠りの魔法だ」


「ヒュゥ。今回の仕事にうってつけじゃねえか」


「リーダーは?」


「オレだ」


 ヒョロが手を上げた。


「土魔法。名は〈モグラ穴〉だ」


 次にデブが答えた。


「怪力者でぶぅ。〈熊の手〉でぶ」


 最後にチビが答えた。


「オイラは火魔法だ。〈爆炎〉と呼ばれてる。アンタの名は?」


 ジョバーニは頭をかいた。


「俺か。俺は〈水影〉だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ