[3-2-2]日記。わたくしが魔法を使った事
ここ最近のまとめです。読み飛ばして平気です。
あれからわたくしとペリータ様は私の故郷であるフニャシー領へ向かいました。
ペリータ様は途中に寄った町に良い思い出が無かったようで、暗い顔をなさっておりわたくしも悲しくなりました。
フニャシー領へ入る川の砦の前でペリータ様は何か考え込みました。
ペリータ様にはわたくしには見えない何か危険が見えているようでございます。
結局わたくし達は一つ前の町へ戻りました。
そしてわたくし達は町でのんびり一日過ごすと、ハナホジリヌスと言う不快な男性が話しかけてきました。
ハナホジリヌスはペリータ様と知人のようでした。
わたくし達はその後、薬草摘みと言う名のピクニックへ出かけました。
そこで再びハナホジリヌスが現れました。
このハナホジリヌスという方は、どうやらわたくし達に付いてきた方のようです。
ハナホジリヌスとペリータ様の変なやり取りでわたくしも気づきました。
ハナホジリヌスは王都で会ったゴンズさんでした。
ゴンズさんが言うには、わたくし達を監視する者がさらに他にいるようです。
ゴンズさんはその人を捕まえ、ペリータ様は情報を聞き出しました。
その人の名前はジョバーニでした。
なんとジョバーニは次の日の朝にわたくし達の前に顔を出したのです。
さすがにわたくしも今回は気づきました。このジョバーニはゴンズさんが化けた姿です。
わたくしの事を「メイドちゃん」と呼びましたので姿を変える事自体が目的だったようです。
ここで一人の男が宿酒場へ駆け入りました。
その男が言うには、フニャシー領でわたくしの兄上が謀反を起こして父上を討伐したとの事です。
さらにフニャシー領は王国から帝国へ寝返ったというのです。
わたくしにはとても信じられませんでした。
感情を昂ぶらせ思わず殴りかかろうとさえ思ってしまいました。
ペリータ様はそんなわたくしを察し、宿の部屋に連れ戻しました。
ここでペリータ様が考えていた事を話してくださいました。
それはわたくしが奴隷として王都へ売られた理由についてです。
この兄上の行動は計画であり、私が邪魔をしないように奴隷として売られたとの事でした。
そしてそれはフニャシー家のためだとわかりました。
わたくしは改めて、父上と兄上とそれに感づいたペリータ様の頭脳に感嘆いたしました。
わたくし達が帝国領となったフニャシー領に入る方法を思案していると、ジョバーニ(ゴンズ)さんが入ってきました。
ペリータ様の激しいツッコミによってゴンズさんが怪我をしてしまいましたので、わたくしが傷を治す呪文を行いました。
この呪文にペリータ様とゴンズさんは大変驚いておりました。
このような呪文はどこにでもあるものと思っておりましたが、どうやら違うようです。
わたくしが呪いだと思っていた事は実は魔法との事です。
わたくしは使うことができないと思っていた魔法を実は扱えていたようです。
しかしこの魔法はあまり良い魔法ではないようです。
ゴンズさんはこの魔法をとても警戒しておりました。
ペリータ様はこの魔法が、フニャシー領へ入る方法に使えないかとおっしゃられました。
わたくしの力がついに役立つかもしれません。
明日はその計画を立てる事になりました。
今からとても楽しみです。




