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[2-7]王都で最も危険な奴って知ってるか?暗殺者?ちげえよ。あれだ。あのちんちくりんのピンク髪の女だ。間違ってもちょっかいを出すんじゃねえぞ

あらすじ:故郷に帰る途中で師匠に会った。

 故郷の村でも例外ではなく干ばつに襲われていた。

 ならばとさっそく魔法を使おうと思ったが、干ばつという割には畑には青々と緑が生い茂っている。

 どういうことかと思ったら、二代目の水姫様なる奴が存在するらしい。

 なんてこった! 私の居場所が奪われてしまった! そこは私の椅子だぞ!

 しかも幼女だ。私とキャラ被りではないか。許されん。許されんぞ。

 この真正ロリめ。頭をぐりぐりしてやる。


 私達は村の中で一番豪華な一軒借りた。

 村長が言うには、それは新築した私の家とのことだ。

 村の英雄がいつでも戻って来られるように、村人総出で建てられたという。

 3年近く他の手で綺麗に管理されていたその家はやっとはじめて家主を迎えたのだ。はじめましてただいまマイホーム。

 私は次々に訪れる歓迎を追い返した。

 急遽祭りの準備が行われ始めたが、それもなしだ。旅で疲れているから今日は騒がないでくれ、静かにしてくれと伝えると今度はしんと静かになった。

 やだ……英雄わたしの発言力強すぎ……。

 ところで実のところ、旅の疲れなんて全くない。全行程エルシュに乗って来たからな。あるとすれば馬酔いならぬエルシュ酔いで少しクラクラするだけだ。



 私は指先をエルシュの胸に指を当てた。

 そして水魔法で体内の調子を調べる。

 エルシュはなんともない風だが、魔法は知らないうちに身体に負担をかけるものだ。

 黄の魔法は身体強化であるが、身体組織の超回復でもある。

 身体強化で無茶をした時の骨や筋肉や神経の損傷は即座に回復されているのだ。

 エルシュは魔力が強大すぎるゆえに何も感じていないようだが、気づかぬうちに身体のどこかが悪くなっていてもおかしくはない。

 私は所有者としてエルシュの身体を管理しなければならない。

 決してただ触りたいだけではないのだ。

 さわさわ。






 その頃、王都の奴隷商館の副店長、サドレーは焦っていた。

 

「ゴンズ。近頃あの方の姿が見えないようですが」


「ああ、この前故郷へ行くと言って旅立ったぞ」


 なんと。唆したのは私ですが、そんなにすぐに行動するとは思いませんでした。

 この三年間、王都を拠点にしていた女なので最後まで動かないと思っていました。

 実質的な借金までさせて逃れられないようにしたのですが。


「なぜ引き止めなかったのですか」


「俺はそこまでの依頼は受けてねえ」


 ゴンズは融通が聞かない男、言われた事以外はしない頼りになる男だった。

 だからこそ監視が厳しい王都でも裏稼業を担える仕事人なのだが。


「そうですね。それはこちらの落ち度でした」


「それでどうするのよ。あの方とやらは王都に留めていないといけなかったのだろう?」


「ええ。本来はあなたに買って頂く予定でしたあの方は王都から出してはいけない方です」


 そう、かの方こそ、王国が帝国への準備を進める事を決定付けた最終兵器だ。

 もし他の国へ移ったならば、私の首が飛ぶくらいならまだしも、最悪王国は滅びることになる。


「俺にはあの方がどんな存在かは知らないが、無理に動かしてはいけないんだろ?」


「ええ、決して無理な行動はしてはいけません」


 少し思案する。


「あの方の主人を処分して連れてくるのが一番なんですが」


「それは手付き金だけじゃ割にあわねえ。金貨1000でも足りねえ」


「それほどの女ですかあれは」


「ああ。俺はあの方を知らないが、女の方は知ってる。あれこそ手を出してはいけない化物だ」


 ゴンズにそこまで言わせるとは。

 王座よりも、王都で一番安全であり一番危険な場所があの女の隣の部屋などというジョークを噂で聞いてはおりましたが……。


「では……監視だけをお願いします」


「要するに王都へ連れ戻してくればいいんだろ? それだけなら金貨50でやってやる。なんならついでにあの女から借金の取り立てをしてやってもいいぜ」

怒られたのでがっつり削除して、スマホから内容書いて送ったつもりがアップされてなかったので再アップ。

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