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私を好きすぎる勇者様を利用して、今世こそ長生きするつもりだったのに(多分、また失敗した)  作者: 琴子
番外編

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嫉妬の先に(コミックス2巻発売記念)

本日、くまのみ鮭先生による超美麗なコミックス2巻が発売です!!!!!!詳しくはあとがきにて( ˘人˘ )



「リゼット様、どうか許してください。心から反省しています、もう二度とあんなことはしません」

「…………」

「僕はリゼット様に嫌われたら、死んでしまいます」


 椅子に座る私の前で膝をつき、必死に謝るラルフは縋るように私の手を両手で掴む。


 叱られた子犬のような姿を見ているとついつい許してしまいそうになるけれど、今回は本当に反省してほしいと思い、心を鬼にして無言を貫く。


 広間へやってきたナディアはそんな私達を見て、長い睫毛に縁取られた大きな目を瞬いた。


「リゼット様、どうかされたんですか? またお兄様が何か粗相を?」

「ラルフが理不尽な理由で、男性の庭師を領地へ移動させたって知ったの」

「ああ」


 ──同い年で田舎出身の庭師のヒューゴーとは毎朝散歩する時に顔を合わせ、農作物の話なんかをしていた。


 もちろん私と彼にそれ以上の関係はなく、ラルフが心配することだって何もないのに、ラルフは彼を領地へ移動させてしまったのだ。


 それを偶然知った私はラルフに怒り、今に至る。


「本当、お兄様は下手ですよねえ」


 ナディアは頬に手を当て、はあと呆れたような溜め息をつく。そんなナディアの驚きもせず納得した様子に、ふと疑問を抱いてしまう。


「まさかナディアも知ってたの?」

「はい。私も屋敷の管理の勉強をしているので、使用人のことは把握しています」

「……ひどいわ」


 ぽつりとそう呟くと、ナディアは慌てたように「違うんです!」と首を左右に振ってみせる。


「でも、私が知ったのはもう後ですから! どうにもできませんでしたし、悪いのは全てお兄様です!」

「お前……!」


 あっさりとラルフを売ったナディアは、私の腕に自身の腕を絡め、うるうるとした目で見上げた。


 ラルフはナディアへ恨めしそうな視線を向けている。


「ヒューゴーは一生懸命、働いてくれていたのに……」


 ラルフはいずれ侯爵家の主になるのだし、侯爵夫妻が王都にいない間は全てを任されていることも、すべて雇い主であるラルフの自由であることも分かっている。


 それでも、とても悲しい気持ちになったのは事実で。私は「少し休むね」と言って、自室へ向かった。



 ◇◇◇



 その後、3時間ほど自室で勉強をして休憩をしようと部屋を出ると、ばったりラルフに出会(でくわ)した。


 偶然出会したというより、ラルフはずっと廊下に立っていたようで、戸惑ってしまう。


「い、いつからここにいたの?」

「リゼット様がお部屋に戻られてすぐです」

「えっ」


 つまり数時間、こうして立っていたことになる。


 私が悪いわけではないものの、正直ものすごく胸が痛んだし、罪悪感でいっぱいになってしまう。


 今日一日はラルフと口を聞かないでいようと思っていたけれど、もう折れることにした。


「そんなところに立っていないで、部屋に入って」


 ラルフの手を取り、自室の中へと促す。


 並んでソファに座った今もなお、ラルフはやっぱり子犬みたいな顔で私の様子を必死に窺っている。


「リゼット様、まだ怒っていますか……?」

「ううん。でも、本当にもうこんなことはしないで」

「はい、必ず約束します。もしも僕がまた同じ過ちを犯した場合は、この舌を切り落としますので」

「うん、そんなことは絶対にしなくていいから」


 ラルフはアメジストの瞳を潤ませながら、とんでもないことを言い出す。


 けれど、深く反省しているのが伝わってきて、私はラルフの手をそっと両手で包んだ。


「……余計なお世話かもしれないけれど、私はラルフにもっと周りの人を大切にしてほしいの」


 時折ラルフは「私以外はどうでもいい」と本気で言うけれど、私はそれが寂しくて、悲しかった。


 ラルフの周りには、ラルフを大切に思っている人がたくさんいるのだから。


 ヒューゴーだって、侯爵家に住む人々に少しでも安らいでほしいという気持ちで、頑張ってくれていたのだ。


 そんな気持ちを伝えれば、ラルフは目を伏せ、形の良い唇をぐっと噛み締めた。


「ありがとうございます。どうしようもない僕を叱ってくださるリゼット様に、本当に感謝しています」


 ラルフが人とずれてしまっているのは、何百年も転生を繰り返してきたからだということも分かっている。


 それでも私はラルフがとても優しい人だということも知っているし、きっと変われるという確信があった。


「……あの時はリゼット様が好きで、不安で、どうしようもなかったんです」

「うん、分かってるわ」


 私はラルフの頬にそっと触れると、笑顔を向けた。


「それに今は、あの頃と違うもの。私はラルフが好きなんだし、他の男性なんて見たりしないから安心して」


 そう告げた次の瞬間、私はラルフの腕の中にいた。きつく抱きしめられ、そっと大きな背中に私も腕を回す。


「……もう絶対にしません。リゼット様、大好きです」

「ふふ、私もよ」

「僕のこと、嫌いになっていませんか?」

「まさか。ならないわ」


 子どもみたいに何度も不安げに確認してくるラルフが可愛くて、思わず笑みがこぼれた。


 偉そうに色々と言った私だって至らないところだらけだし、これから二人で成長していけたらいいなと思う。



 ──それからすぐ、ラルフに変化が現れた。使用人に対して些細なことでもお礼を言ったり、ナディアや家族に対しても以前よりずっと優しくなったように思う。


 そしてヒューゴーが領地で結婚して幸せに暮らしているという知らせを聞いて安心したのは、また別の話。



本日「好きすぎ勇者」コミックス2巻が発売です!


挿絵(By みてみん)


くまのみ鮭先生による超絶美しいリゼットとラルフの美しい表紙が目印です( Ꙭ )♡♡

とにかく全ページ素晴らしいので、絶対に絶対に読んでいただきたいです!!!!神です……。


なんとくまのみ先生による豪華すぎる特別書き下ろし漫画+私の書き下ろし小説が18Pもあります!!!

幼いラルフとメルヴィンが最高で……(呼吸困難)


そしてそして!!!!!!!!!!!!


ラルフ:古川慎さん リゼット:戸松遥さん

ナディア:日高里菜さん による

ボイスコミック第二弾もYouTubeで公開です♫


挿絵(By みてみん)


今回は3話と4話です。とにかく全て解釈一致で最高に素晴らしいので、ぜひぜひ聞いてください~!!!


紙コミックスをご購入して下さった方向けに、豪華声優人の皆さまのサイン色紙プレゼントキャンペーンも!


挿絵(By みてみん)


どうぞよろしくお願いします( ˘人˘ )♡♡



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