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私を好きすぎる勇者様を利用して、今世こそ長生きするつもりだったのに(多分、また失敗した)  作者: 琴子
最終章 本懐

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エピローグ



「リゼット様、好きです」

「うん」

「本当に好きなんです。大好きです」

「知ってる」


 ラルフはひどく幸せそうな笑みを浮かべ、隣に座る私の髪をそっと指で梳いている。二週間前まで死にかけていた人間とは思えないほど、その顔色は良い。


 彼は無事完治し、昨日退院したばかりだった。そしてずっと、まるで雛鳥のように私の後をついて回っている。



 ……彼に魔法を使った後、私は力を使い切ったせいかその場に倒れてしまっていたらしい。その時にはもう、ラルフの中の穢れはなくなっていたのだという。聖女様も信じられないと、ひどく驚いていた。


『きっと貴女は、本当に特別だったのね』


 だからこそあの魔物も、私に執着し続けていたのだろうと彼女は言っていた。


 それから数日後、目を覚ましたラルフは自身が生きていることが信じられないようで。震える手で側にいた私にゆっくりと手を伸ばし、頰に触れた。


『っ私もラルフも、生きてるよ。本当にありがとう』


 そう告げれば、ラルフはそのまま私の腕をぐいと引いて、きつくきつく抱きしめてくれた。



 それから彼は、今まで以上に私に対して好意を伝えてくるようになった。最初はときめいてしまった私も、最早語尾のようになっているそれに、慣れきってしまっていて。


 命の恩人と言えどいちいち反応するのに疲れ、今や数ヶ月前のように戻ってしまっていた。


「……やはり、勝手なことばかりしていた僕に怒っていますか? 嫌いになりましたか?」


 すると流石のラルフも気にし始めたのか、そんなことを言い出した。すぐに否定すれば、彼はほっとしたように微笑んだ。相変わらず、誰よりも顔が良い。


 なんだか結局、彼のペースに飲まれ続けている気がする。だからこそ、ふとそれを崩してみたくなってしまって。


「リゼット様とこうして一緒にいられて、幸せです」

「うん」

「本当に、大好きです」

「私も」


 何気なくそう言えば、彼は石像のように固まった。


 数分の後、彼の形の良い瞳が大きく見開かれていく。その顔には、信じられないと書いてある。


 私の気持ちには、全く気が付いていなかったらしい。美しい顔には似合わない間抜けな表情に、思わず笑みが溢れた。


「私も、ラルフのことが好き」

「…………本当、に?」

「うん。本当だよ」


 深く頷けば、アメジストのような瞳からは一筋の涙が零れていった。彼は慌てたように拭ったけれど、再びぽろぽろとそれは溢れて落ちていく。


「っ申し訳、ありません」

「……ううん」

「過去の全てが、報われたような気が、して……」


 そんな言葉に、視界が揺れた。


 こうして再び彼と巡り会えたこと、二人一緒にこの先も生きていけることが、嬉しくて、幸せで。そしてそれは彼が気が遠くなるほど長い間、諦めないでいてくれたからだった。




「……本当に、ずっと一緒にいてくれますか?」

「もちろん」

「っ好きです、リゼット様、愛しています」

「もう、本当に分かったから」


 これから先も続いていく初めての未来に、私を好きすぎる彼と共に生きていく将来に、私は胸を弾ませた。



7月14日、本作のコミックス1巻が発売です! くまのみ鮭先生が、信じられないほど美しく面白い漫画にしてくださっています……!!!!


挿絵(By みてみん)


ぜひぜひ紙・電子コミックスを購入し、読んでいただけると嬉しいです。ほんっとうに神です……。



挿絵(By みてみん)


そしてなんと!!!!!

1巻発売記念としてブリーゼYouTubeチャンネルにて、


『1話&第2話のボイスコミック』

『ラルフのヤンデレ炸裂のスペシャルPV』


が公開中です( ; ᴗ ; )‬( ; ᴗ ; )‬

リゼット役は戸松遥さん、ラルフ役は古川慎さんです!


大人気声優のお二人の演技が本当に本当に素晴らしく、リゼットとラルフが喋ってる……かわいい……かっこいい……すごい……が止まらない最高にときめく作品になっているので、ぜひぜひ見てみてくださいね♪


また、池袋駅では本作のサイネージ広告も掲出中なので、ぜひ見つけてみてください(`・ω・´)

今後とも「好きすぎ勇者」をよろしくお願いします!



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