表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

393/1960

エルサはキューの浅漬けを所望



 ベッド横の机で、革袋から報酬の硬貨を出して分ける作業をしている間、ソフィーがソファーに座って真剣に話す皆の事が気になったようだ。

 エルフの話から、寿命の話になり、年齢と美容の話に発展して白熱している事を説明した。

 今では、ヒルダさんも一緒に座って話してるからね……アルネが居心地悪そうにしてるけど、俺には助けられそうにない。


「……若さ……んん! えっと、今回の報酬はこれね。はい、リクさん。ソフィーやユノちゃんも」

「あぁ、ありがとう」

「いつもありがとう、モニカさん」

「ありがとうなの!」


 一瞬だけ、反応したモニカさんだけど、気を取り直して報酬を分けてくれた。

 俺やソフィー、ユノに均等に分けて、それぞれに渡してくれる。

 パーティは三人で、冒険者ギルドにも申請しているから、報酬は三等分されてるんだけど、ユノがいるからね。

 王都に来てからは均等に分けるようにしてる。

 一緒にいてくれる以上、ちゃんと分けないと。


 俺とソフィーは、受け取ったお金を収め、ユノは首から下げているがま口財布へ、大事そうに入れた。

 報酬は分けたけど、一人当たり金貨二十枚か……クレメン子爵、随分奮発したんだね。

 大事な孫二人を護衛するためだし、攫われる事があった後だから、警戒するのはわかるけど……ちょっとどころか、かなり多い気がしなくもない。

 貴族家の人を護衛する事自体が初めてで、相場というのを知らないけど、本来なら半分以下くらいだと思う。


 まぁ、クレメン子爵からの気づかいだと思って、ありがたく受け取っておこう。

 ……使う先がないから、貯まるばかりだけどね。

 何か使うあてがないかなぁ……?


「お腹減ったのー!」

「私もなのだわ!」

「はいはい。そろそろ夕食の時間だからね。えっと……」

「リク、あの場を止められるのか?」

「いや……俺には止められそうにないよ……」

「仕方ないわね……私が行くわ。……私のいない所で、あんな話をして。せめている所でして欲しかったわ……」


 既に窓の外では完全に日が落ちて、夜の帳が下りている。

 空腹が限界になったユノが騒ぎ始め、それに同調するようにエルサも騒ぐ。

 報酬も分けたし、そろそろ夕食を……と思ってソファーの方を見るけど、まだまだ白熱している様子の美容話。

 今は、お風呂で顔を洗う時の話みたいだけど、男の俺にはあの話を止める気にはなれない。


 特にメイさんとヒルダさんが熱心で、フィリーナも結構乗ってるようだね……さっきはほとんど何もしてないとか言ってたのに……。

 レナは、興味を惹かれる話だからか、全ては理解できないながらも、うんうん頷きながら話を聞いている。

 アルネは……時折男の意見として聞かれてるようで、居心地が悪そうなのが気の毒だ……早く何とかしないと。


 でもどうするか、と考えようとしたところで、モニカさんが溜め息を吐くように言いながら、皆の方へ動いた。

 何やら小声で呟いていたけど……モニカさんもやっぱり、興味があるのかな?

 はっきり聞こえなくとも、なんとなく自分が美容の話に加わってない事を、気にしてる感じだ。

 モニカさんは、特に気にしなくてもいいと思うんだけどなぁ……。


 マックスさんの料理とか、良い物を食べて育ったからか、肌艶は良いし……スタイルも……。

 あ、他の女性陣もちゃんと、気にしなくてもいいくらいだと思うよ、うん。



「あっちのキューが恋しいのだわ……」

「あっちの?」


 モニカさんが少々大きな声を出しながら、白熱していた議論を止めた事で、夕食を取る事になり、準備を待って皆で頂く。

 白熱していた議論に割って入り、皆を止めた時のモニカさんは、マリーさんを彷彿とさせるものがあった。

 親子だなぁ。

 正気に戻ったヒルダさんが、皆に頭を下げつつ、メイさんを連れて一緒に夕食の準備。


 準備が終わる直前で、姉さんとエフライムが合流し、皆で食べ始める。

 そんな中、積まれたキューに体を埋めるようにしながら、手あたり次第食べていたエルサが、ポツリと漏らした。

 あっちのキューって、キューに違いがあるのか?


「村で食べたキューなのだわ。しょっぱい味と、ポリポリした食感がたまらないのだわ。これはこれで、美味しいのだけど……だわ」

「あぁ、浅漬けの事か」


 オシグ村や、クレメン子爵邸で食べたキューの事だろう。

 塩等を使って漬けられたキューは、食感を残しながらも、しょっぱい事が特徴だ。

 あれに唐辛子とかも入れて、ピリ辛にしたらおつまみとして最適なんだろうなぁ……お酒を飲まないからわからないけど、そんな事を聞いた事がある気がする。

 エルサは何もしていないキューも好きだが、あっちの浅漬けも、随分気に入った様子だ。


 同じキューばかりで飽きないかと思うけど、エルサにそんな気配はない。

 ともかく、違う味があると知ったら、たまにはそちらも食べたい気分になるんだろう。

 

「すみません、ヒルダさん……えっと、子爵領で作られてた物なんですが……」

「はい」


 キューの浅漬けの事を、ヒルダさんに説明して、作ってもらえるかを聞く。

 漬物だから、今日中にはできないだろうけど、今すぐでなくとも明日にでも食べられれば、エルサも満足してくれるはずだ。


「それでしたら、すぐにご用意できます」

「そうなんですか?」

「はい。簡単な物なので、王都でも作る事があります。ただ、あまり量の方は……」

「あぁ、それは仕方ないです。エルサ用に作られた物じゃありませんからね。少しでもいいので、分けてもらえますか?」

「はい、もちろん大丈夫です。では、持って参ります」


 これから用意して明日……と考えてたら、元々作られてたらしい。

 多分、エルサが何も処理してないキューを食べるだけだから、出してなかっただけなんだろう。

 エルサが食べると知っていたら、多くの量を出してくれてたかもしれないけど……知ったのはオシグ村に行ってからだからね、今量が少ないのは仕方ない。


「うまうま、なのだわぁ!」

「本当に、キューの浅漬けを食べるのね……」

「キューなら何でもいいのかもしれないね」


 ヒルダさんが持って来てくれた、キューの浅漬けを食べ、ご満悦な様子のエルサ。

 さすがに、量はキュー三、四本程度の量しかなかったけど、今日のところはそれでも満足そうだ。

 その様子を見ながら、姉さんは感心してる様子。


「なら、漬物類をもっと増やそうかしら?」

「漬物類? もっと他にもあるの?」

「あるわよ。りっく……リクなら知っているでしょう? 私と漬物……」

「あぁ、そうだったね」


 姉さんは漬物が好きだったね。

 中々に、渋い好みをしてると、子供ながらに思ってた。

 自分で作る事もあったくらいだから、当然作り方も知ってる。

 もしかすると今、エルサが食べているキューの浅漬けも、姉さんが作り方を広めたのかもしれない。

 というより、そもそも姉さんが食べるために、城で作られてたのかもしれないな。


 エフライムとレナがいるから、以前の記憶だとかの部分はぼかしながらも、漬物の事を思い出させてくれる姉さん。

 エルサが浅漬けを食べてるのを見て、漬物仲間ができたとでも考えてるのかもしれない。

 ……エルサは、キューだからだと思うよ?



漬物は良いご飯のお供です。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ