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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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子爵達との休憩時間



「リクさん、食材の準備ができたわよ」

「あぁ、モニカさん。ありがとう。えぇっと……それじゃ、火を起こさないと……」

「リク様、こちらに」

「……ありがとうございます」


 メイさんの動きを見て、首を傾げていると、荷物の中から食材を取り出していたモニカさんから声が掛かった。

 馬車に詰め込んであった水を使って、食材を洗ったり切ったりを手早くやってくれたみたいだ。

 水は、馬車があるために多くの荷物を運べるのと、オシグ村まで1日かからないために、惜しまず使う事ができる。

 これが数日の旅だったり、馬車で荷物を運ばなかったら、ある程度制限されるし、一定間隔で飲み水として使える川を探さないといけないから、少し大変だ。


 ともあれ、食材の下準備をしてくれたモニカさんが料理をするためには、火が必要だ。

 とりあえず、火を起こすために……と適当な枝を拾おうと考えていると、サッと近寄って来たメイさんにより、大量の枝が差し出された。

 これだけで、数人分の焚き火が賄えるんだけど……いつの間に。

 ともかく、その大量の枝で火を起こし、焚き火にして、モニカさんに調理を任せる。


「すまんな、モニカ殿。ワシ達の食事まで準備させる事になって」

「いえ、構いませんよ。それに、料理をするのは好きですからね」

「モニカさんは、料理屋の娘ですからね。父親から、料理の事はしっかり教えられているんです」

「そうなのか。王都で店を開いているのか?」

「いえ、ヘルサルです。踊る獅子亭という名前で、美味しい料理を提供していますよ」

「ふむ、踊る獅子亭か。いつか、ヘルサルに行った時には、行ってみたいものだな」

「是非、いらして下さい。父も母も喜びますから!」


 鍋を火にかけ、料理を始めたモニカさんの様子を窺いながら、クレメン子爵が話しかけた。

 今この場にいる人達の中で、まともに料理ができる人がモニカさんしかいなかった、という事を謝っている。

 元々、子爵邸の料理人さんが、お昼にと料理を作っているのを持って来てはいるんだけど、冷めた物よりも暖かい物をと考えたモニカさんが、料理を始めたんだけどね。

 モニカさんがやっているのは、料理人達が作った物を温め直すのと、温まるスープを作ったり、それだけでは足りないかもと、一品料理を追加するといった事だ。


 踊る獅子亭の話をクレメン子爵に教え、いつか行ってみたいと言われると、モニカさんは上機嫌になる。

 上客獲得! とか考えているのかもしれないね。

 いや、獅子亭に興味を持ってもらえた事が嬉しいだけか、両親がやってる店だしね。


 そんなクレメン子爵と話しているモニカさんの横で、メイさんがちょこちょこと動き回りながら、下処理をされた食材を渡したり、使い終わった物を手早く洗ったりしている。

 護衛とか関係なく、有能なメイドさんなようだね。

 レナとエフライムは……まだレナが自慢するような話を、エフライムが聞いている……仲のいい兄妹だ。


「よし、料理ができたわよ、リクさん。エルサちゃんに、ユノちゃんも」

「待ってたのだわぁ!」

「わーい、お腹が空いたの!」

「ありがとう、モニカさん。やっぱり、モニカさんの料理が美味しくて、一番だね」

「リ、リクさん。そ、それは食べてから言ってよね!」

「あはは、そうだね。今回のはまだ食べてなかったね」


 しばらく後、料理の終わったモニカさんが、俺や腹ペココンビに声をかける。

 俺の頭にくっ付いていたエルサは、ふわりと浮かび上がってモニカさんの所へ飛んで行き、ユノは手を挙げながら喜ぶ。

 その様子を見ながら、モニカさんに感謝を伝える。

 モニカさんは、一瞬で顔を真っ赤にして、俺から顔を逸らした後、早くお昼を食べるよう勧める。


 なんで顔が真っ赤になったのかはわからないけど、今まで街の外に出る度に、モニカさんが作ってくれた料理を食べて来たからね。

 美味しさは保証付きだ。

 今回の料理も美味しいのは間違いないと、笑いながらモニカさんの作ってくれた料理を頂く事にした。


 ちなみに、馬の世話えをしていたマルクスさんや、枝を拾い終わった騎士さん達も、モニカさんの声ですぐに集まって来た。

 皆、お腹が空いてたんだね。

 モニカさんが、いい匂いのさせるスープを作っていたから、余計に気になっていたのもあるだろうけど。



「では、次は村へ。出立!」


 モニカさんが作ってくれた料理に、皆で舌鼓を打ちながら頂き、少しだけ休憩した後、その場を片付けて馬車へと戻る。

 改めて馬車に乗り込み、俺はマルクスさんと一緒に御者台に座り、オシグ村へ向けて出発する。

 クレメン子爵も、エフライムや騎士さん達、メイさんまでもが、モニカさんの料理には感心した様子だった。

 料理人程、繊細に料理をするというわけじゃないんだけど、どこか安心する味で、皆満足したみたいだった。


 獅子亭の味とも、ちょっと違うんだけど……家庭の味のような物かな?

 母の味という物をほとんど知らない俺にとっては、もはやモニカさんの料理とマックスさんの料理が、基本になって来てる気がした。

 だけどレナだけは、何故か考え込むように料理を食べ、悔しそうにしていた……。

 なんだろう……レナも料理を作りたいとか、考えるタイプなのかな?


「リク様、特に問題はございませんか?」

「はい。……魔物は遠くに確認できますが、街道に近付いて来る事もないようです」


 休憩時の料理を反芻するように考えていると、隣に座って手綱を握っているマルクスさんに話し掛けられた。

 問題はないと考えているようだけど、一応の確認みたいだね。


「この辺りの魔物は、あまり強い者はいないと聞きます。人間が行き交う事がわかっている街道には、あまり近寄って来ないのでしょう。人間に襲い掛かると、自らの身が危ない……と感じているのでしょうね」

「魔物でも、そう考える事があるんですか?」

「ゴブリンやオークなどの、知能が低い魔物はそうではありませんが……弱くとも、知能がそれなりにある魔物なんかは、人間を避ける事も多いのですね。こちらが必要以上に近付けば襲い掛かって来ますが、向こうからは近付く事があまりありません」

「成る程……獣と一緒ですね」


 地球の獣もそうだけど、人間がいる所には近寄らない……という不文律のような物を、感覚として持っている魔物がいるんだろう。

 まぁ、なわばりに入ったり、不用意に人間が近付いて来たら襲い掛かって来るんだろうけど、そのあたりは獣と変わらない。

 確か……山での熊避けとかで、鈴を持ち歩くというのがあったと思うけど、あれは、熊に人間がいると教える事で、こちらに近寄って来ないようにする、という物だったはずだ。

 実際に効果があるかどうかというのは、色んな説があるらしいし、人間を襲う事に慣れた熊であれば、効果は薄いどころか、呼び込む事になってしまいかねないけども。


 ともかく、人間を襲い掛かれば、冒険者へ依頼を出されるか、領内を管理している貴族が兵士を差し向けられて、討伐される事になる。

 はっきりとそれを認識して、理解しているわけじゃないだろうけど、なんとなく感覚でわかっていて、人間に関わらないでおこうとしているのかもしれないね。




弱い代わりに賢い魔物は、人間にはおいそれと近づいて来ないようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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