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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1953/1960

訓練合間の休憩



「あのままだったら、レッタがリクの魔力に飲まれていたわよ? やり方によっては危険な事もあるから気を付けなさい」

「う、うん」


 どう危険なのか気にはなるけど、魔力操作を教えてくれているレッタさんが危険な目に遭わせてしまうわけにはいかないので、反省だね。


「お疲れ様、リクさん」

「モニカさんこそ、お疲れ様」


 結構な時間、魔力操作の訓練をしていたため、一旦休憩。

 とはいえ、その前にロジーナとユノから魔力の扱いについて小言混じりに、色々と注意点と反省点を言われたけども。


「ユノとロジーナに随分と絞られていたみたいだね」


 モニカさんと視線を向けた先には、うつ伏せで床に倒れ込んでいるソフィーとフィネさんの姿があった。

 訓練で疲れ果てたんだろうけど、女性としてはどうなんだろうと思わなくもない……ソフィーに言ったら、多分強くなるためならその程度どうでもいいとか言いそうだけど。

 女性としてのあれこれよりも、冒険者、剣士としての方ばかり考えているようだからね。


「まぁ、私はまだマシな方だけどね。ソフィーとフィネさんの方が大きく動く事が多かったし、私は魔法も織り交ぜていたから、体の方はなんとか動かせるわ」


 武器が飛び交うソフィーとフィネさんの連携に、モニカさんも混じって槍が飛び交ってはいたけど、基本的にモニカさんは中衛のような位置取りだ。

 ソフィー達は攻撃対象を中心に走り回りながら、前後左右、場合によっては投擲による頭上からの攻撃をするため、かなりの運動量だ。

 魔法を使うのもあって、中衛のモニカさんの方が運動量が少なくなっているため、こうして話ができるくらいの余裕があるんだろう。


「でも休憩の後が怖いわね。さっきまでのは連携強化ではあったけど、個人や少数に対しての戦い方だったから。今度は、対多数の訓練をするってユノちゃんに言われたわ。もっと厳しくなるかもしれないし」


 武器を投げで縦横無尽に攻撃を加える連携は、少数の敵を相手にした時向きだったようだ。

 まぁそりゃそうか……多数の敵を前にしたら、妨害もあるし瞬間的にでも武器が手元にないとか、不利になるからね。

 当然武器を失う可能性も高くなるし。


「ユノが言うなら、その可能性はありそうだなぁ。俺が言うのもなんだけど、ユノとロジーナこそ、加減を知らないんじゃないかって思う時があるから」


 絶妙に加減をしているから、本当に知らないわけじゃないんだけど、軽々とこちらの限界を越えて来る時がある。

 それでも、訓練では本当に危険と言えるまでにはならないから、絶妙なんだけどね……その辺りの見極めは凄いと思う。

 ただ、魔物と戦う時などの様子を見ていると、楽しくなってくると加減を忘れるんじゃないかと思う時もある。

 骨が折れたりはしないけど、ユノ達と訓練していると必ずいくつかの痣ができるくらいだ。


「大丈夫? あまり無理はしない方が……」

「大丈夫、とは言えないかもしれないけど、実戦じゃなくて訓練なんだから、出来る限りの無理はしておかないとね。母さんの訓練とは違って、理にかなっていると思う事も多いし、私自身のためにもなるってわかっているから」


 マリーさんの訓練は、どこかの鬼軍曹が想起されるくらい激しく厳しい。

 ユノ達の訓練とどちらが辛いかと聞かれたら、多分精神的にはマリーさんの方が辛いと答えるだろう。

 精神論的な部分も多いからってのもあるけど。


 ただマリーさんとユノ達では訓練の方向性が違うというか……、基礎的な部分を徹底的に鍛えようとするマリーさんに対し、ユノ達のは応用する訓練と言えるかもしれない。

 基礎的な訓練をみっちりとマリーさんが課して、モニカさんがしっかり吸収していたからこそ、ユノ達も今応用的な訓練ができるのかもしれないけども。


「マリーさんのは……あれはあれで間違いってわけじゃないと思うけど、そうだね。むしろここは、心配するより頑張れって応援するところかな」

「えぇ。リクさんには追い付けないかもしれないけど、私なりに頑張るわ」

「うん、そうだね。俺も頑張らないと……意気込み過ぎると、すぐ魔力に影響しちゃって繊細な操作ができないから、気を付けろってさっきロジーナに言われたけどね。ははは……」

「そうねぇ、確かにリクさんって、気負い過ぎてやり過ぎちゃうんじゃないかって事もあるわね、ふふふ」

「これまでの色んな失敗を近くで見られてるから、何にも言い返せないなぁ」


 失敗は魔法に関してが多いけど、バーサーカーモードしかり、強く意気込んでこうしなければという思いが強い時ほど、よく失敗している気がする。

 それでなくても、魔法の威力とかで色々やらかしているから、気を付けないと。

 魔力操作は、かなりの集中力が必要だけど、さっきユノ達に怒られた失敗もそういう側面があったと思うし。


 そう考えたら、繊細な操作が俺にできるのか不安にはなるけど……でも俺の力には確実になってくれるという実感もあるし、モニカさん達に負けないよう頑張ろう。

 気負い過ぎない程度にね――。



 ――モニカさんと談笑した体を休める休憩の後、ついでだからと食事休憩。

 さすがに室内で作った結界内なので焚火はできず、魔法と魔法具を使ってレッタさんとモニカさんが料理をしてくれた。

 魔法具は、焚火に近い火を継続的に発生させる物で、結構魔力を消費してしまうので屋外であれば焚火の方が良かったりするんだけど、状況によって一長一短、火力調節もできないので絶対便利な物でもない。

 ちなみに、調理に必要な水などはレッタさんが出し、魔法具ではできない火力調節が必要な部分も魔力誘導で色々やってくれた……本人は「ロジーナ様に粗末な料理を出すわけにはいかない!」という事だったけど。


 本来なら一定の効果でしか使えない魔法も、魔力誘導を使えば効果を高めたり低めたりができるようで、かなり便利だ。

 まぁ、他者の魔法に干渉するのはできないわけじゃないけどかなり難しく疲れるため、基本的にはレッタさん自身限定らしいけど。

 あとレッタさん、結構多くの魔法を習得しているようだ。

 もしかしたら、魔力誘導と魔力貸与の影響で、宿らせる呪文の数の上限が多くなっているのかもしれない。


「あぁ、不思議だな。焚火を見ているとなんだかすごく落ち着くんだ。これまでもよく見ていたはずなのに、なぜか今は特に落ち着く気がする」

「私もです。ずっと見ていたい気がしてくるくらいです」

「……えーっと、あの二人は大丈夫なのかな? 焚火じゃないんだけど」

「ちょっと、ユノちゃん達に打ちのめされただけだから、すぐに復活すると思うわ」

「そ、そうなんだ。一緒に訓練していたモニカさんは大丈夫?」

「ほんの少し、ほんの少しだけソフィー達の気持ちもわかるけど、私はほら、リクさんと話しもできたからね」

「モニカさんの役に立ったなら、からかわれた甲斐もあったって事かな。まぁ、失敗が多かったのは事実だけど」

「ふふ、そうかもね」


 焚火台のような物の上にある魔法具で立ち昇る、焚火のような炎。

 ようなであって、不規則ではあるけど自然とも言い難いその炎を見て、何故か和んでいる様子のソフィーとフィネさんは、精神的な部分がちょっと心配。

 休憩と食事で、体力的にはある程度回復したようだけど、俺とは違いユノ達によって軽々と連携が遊びの延長にされてしまったのが原因だろうか……。

 それはともかく、魔法具であれど火が発生しているので、完全密閉して空気穴なんてない結界内で大丈夫かな? と思ったけど、空間的なズレがあーだこーだで大丈夫らしい。


 あーだこーだというのは、ユノとロジーナが色々と言っていたわけなんだけど、俺だけでなくモニカさん達も理解できなかった。

 酸素がどうのなどの、化学的な話ですらなかったからね。

 なんとなく、宇宙からの電波的な話の方が近いのかもしれないと感じたくらいだし、わからないのも無理はない、と内心で言い訳しておく。


「それにしても、この中にいると実感はほとんどないけど……私達だけ特別な事をしているのよね。ちょっとだけ、ズルをしているような気がするわ」

「ズル?」


 結界内、だけでなく結界の外の何もないというか、誰もいないように見えるのを見ながら呟くモニカさん。


「もう随分と、と言っても半日も経っていないけど、外ではほんの少しの間でしょ? 自分達だけ、濃密で長く訓練ができているわけだから。私達……いえ、私よりもよっぽど強い人だってクランには加入してくれているのに。私でいいのかなって思ったりもするわ」

「まぁ……確かに。他の人達よりも、数倍、数十倍かな? 長く訓練できる猶予がもらえているようなものだからね。その気持ちもわからなくもないかな」


 俺達以外、結界の外にいる人達はまっとうな時間を過ごし、その中でできる限りの訓練をしている。

 けど俺達は結界内で引き延ばされた時間で、もっと多くの訓練ができているわけだ……まだ始めたばかりだけど。

 モニカさんの言うようにズルをしているという気がするのもわかる

 結界内訓練の事は、言いふらすとかはしないけど秘密にしているわけでもないので、クランの人達などはもちろん知っているから、特にそう感じるのかもしれない。


 一部の人は、少し羨ましそうにしてもいたからね。

 ……存分に筋肉を鍛え、成長させる事ができると言っていた人もいるけど。

 『女王様と下僕』というそれはどうなんだろう? と思う事もあるパーティのリーダー、フラムさんとかは訓練が多くできる事よりも、多少でも……それこそ一日でも多く年を取るというのを嫌がっていたけど。


 ちなみにだけど、クラン員内での強さは加入時のランク以外ではっきりとさせてはいない。

 対帝国の戦争に備えてという側面が強く、設立からまだ日が浅いので、今は訓練をしながらそれぞれの連携などを強める事に重点を置いているからだね。

 ただそれでも、同じ場所で訓練をしているんだからそれぞれの実力というのはなんとなくわかる。

 モニカさんやソフィー、フィネさんも決してクラン員の中では弱いとかは全然ないし、むしろ上の方だと俺だけでなくエアラハールさんも言っていた。


 けど頭一つ二つ飛びぬけている人というのもいるわけで……ソフィーやフィネさんは冒険者としてそれなりに経験を積んでいるけど、他の人と比べたら長いと言える程ではないし、モニカさんは俺と同じくまだ一年も経っていないから仕方ない部分もあるんだけどね。

 やっぱり、長年の経験は簡単にはひっくりかえせないし。

 モニカさんが言っているのは、そういう人達が重点的に訓練をした方がいいんじゃないかって事だろう。


「ただの訓練なら、こうは思わなかっただろうけど……」

「でも、他の人達には申し訳ないけど、俺はモニカさん達が一緒で良かったと思うよ」


 気心が知れた仲だから、というのもあるしね。

 恥ずかしいからまだ今は口に出せないけど、モニカさんと一緒だからというかなり個人的な理由もあったりもする。

 男って単純だなぁと思うけど、やっぱり近くに気になる女性がいた方がやる気が出るよね。


「それに、個別に実力者を集めてその人達だけを重点的に伸ばすより、全体的に連携を強めて底上げをする方が今は大事、ってエアラハールさんも言っていたからね。俺もそう思うし、だからモニカさんが申し訳なく思う必要はないんだと思うよ?」

「そうよね、だからユノちゃん達も私達に声をかけたんだと思うし」

「結界内に入れる人も限られているからね、だったらモニカさん達の方がユノ達にとっても良かったんだと思う」


 ユノ達にとっても気心が知れた、というのもあるかもしれない。

 あと、俺のとんでもな力を間近に見ても気にしない人というのも、今はモニカさん達くらいだからとユノ達に言われたんだけども。

 とんでもって……ユノ達も訓練でよくとんでもない事をしているのに、と思わなくもない。


「確か、最大でも十人くらい、だったわよね?」

「うん。ユノ達が言うにはね。だから、その十人の中でならやっぱりモニカさん達が適任だと思う。もちろん、モニカさん達が嫌でなければだけど」


 結界の空間的な理由もあるけど、人数が増える程ユノ達に負担がかかるし維持が難しくなるらしい。

 だから、出来るだけ少数、最大でも十人が精いっぱいでそれを越えると著しく効果が下がるとユノ達に言われた。

 結界内で引き延ばされた時間が短くなる、要は内外での時間の差が少なくなってしまったり、維持をする時間も短くなるという。

 数十分で一日が、数時間で十時間程度になってしまうとか、結界内が内部時間で一日ももたないとかみたいだね。


「そこは、達じゃなくて私とって言って欲しかったわよ? まぁ、リクさんといられるのに、私が嫌がる事はないわ」


 フイッとそっぽを向いてそう言うモニカさん。

 耳が少し赤い気がするけど、照れているのかもしれない。

 それを見ている俺も、ちょっとだけ顔が熱くなっているけど。


「そ、そうだよね。うん。俺もモニカさんと一緒なのは嬉しいよ。まぁ、訓練自体は別々になっちゃうけど……って、はっ!」


 さらに顔が暑くなるのを自覚しながら、モニカさんにそう返す。

 気持ちを自覚すると、色々と意識しちゃうものだなぁ、なんて事を考えていたら、何やら視線を感じる。


「「「「……」」」」

「うふふふ……」


 気付くと、さっきまで焚火の炎をジッと見つめて虚ろな目をしていたソフィーとフィネさんがニヤニヤと、ユノとロジーナはジト目でこちらを見ていた。

 レッタさんだけは、ロジーナを見てうっとりして怪しい笑いをこぼしているけども……この人はぶれないなほんとに。


「み、皆!?」

「ふぅ……ちょっと焚火が強いのか、熱くなってきたな」

「そうですねぇ。羨ましくも思いますが。はぁ、私達にもこんな相手がいれば……」

「わ、私は別に……冒険者として、剣士として大成できればそれで……」

「なんて言いつつ、ちょっと羨ましそうでしたよ?」


 俺に続いてモニカさんも気付き、驚きの声を上げる。

 フィネさんとソフィーは、何やら俺達を話のタネに色々言っていた。

 ぐぬぅ、全部見られていたとは……いやまぁ、元々焚火を囲むようにしていたわけで、近くにいたわけだから見られているのも当然なんだけどね。


「全くリクは……こんな所でもいちゃいちゃなんて」

「リクとモニカは所かまわずなの」


 なんて、ロジーナとユノには溜め息を吐かれた。

 休憩中だったとはいえ、訓練の合間なのだから溜め息を吐かれるのも仕方ないのかもだけど、ユノの言い方だといつでもどこでも見たいに聞こえるからやめて欲しい。

 ……そんな、いつでもどこでもモニカさんといい雰囲気になったりは、してないはずだから……してないよね?


「ふぅ。この戦いが終わったら、一度故郷に戻って自分を顧みた方がいいのかもしれません」

「私も……い、いや、私は冒険者として、剣士としてもっともっと上を目指すぞ! まだ、アマリーラさんやリネルトさんにも、敵わないのだから!」

「もう、フィネさん! ソフィーも、悪かったわよ。だからそろそろ訓練に戻るわよ!」


 遠くを見るフィネさんに、少し慌てているソフィーに、恥ずかしさからか休憩を切り上げようとするモニカさん。

 俺も恥ずかしいから、そろそろ訓練に戻ろうかな……。

 ただフィネさん、それはフラグっぽいから止めた方がいいと思います。

 まぁ、相手がまだいないからフラグは成立しないのかもしれないけども――。



フィネさんは死亡フラグ不成立です、多分、きっと、おそらく……


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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