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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1917/1960

魔物達との戦闘開始

ブックマーク登録をしてくれた方々、評価を下さった方々、本当にありがとうございます。



「エルサはこのまま空から、ミスリルの矢が残っている限りさっきのようにお願い。できるだけ、遠くを狙ってくれるとありがたいかな」

「リクなら平気そうだけど、魔物だけにしか当たらないようにするのだわ。こっちも、色々と試したいのだわ。さっきのは私じゃないとできないけど、今度は汎用性を重視したものにするのだわ」

「それなら、威力は抑えめになるのかな……?」


 とはいえ、エルサの出した光の輪による補助なしでも、十分な威力だったからね。

 どこに矢を放っても当たるような状況で、狙いを定める必要はほぼなし。

 真っすぐ飛ぶのはミスリルの矢の性質が関係しているだろうし、矢一本につき魔物一体を確殺できるってところだろう。

 条件とか距離などが変われば、また別だろうけど今この状況ではある程度試せて、兵士さん達に経験してもらったのは後々役に立ってくれるはずだ、多分。


 俺だって、戦争が控えていると思ってやれる事を考えているけど、別に百戦錬磨ってわけじゃないからね。

 日本で戦略シミュレーションゲームをやった経験ぐらいだし、それが実際に役立つとはあまり思っていない。

 多少は参考になる程度で、あとは経験とか練度、兵士さん達の士気などが大きくかかわって来る、という程度だ。

 だから、こうして一部ではあっても試験的にミスリルの矢を使う事も合わせて、姉さんに提案してヴァルドさん達に来てもらったんだけども。


「ここは任せました、ヴァルドさん」

「はっ! できる限り、魔物の勢いを削いで見せます!」

「お願いします」


 ミスリスの矢は数が限られている。

 一斉に数十本を放ったさっきの一撃でも、ほとんど魔物達は王都の門へ向かう足を止めていない。

 見渡す限り地上が魔物で埋め尽くされているため、後から押し寄せて穴を開けても埋め尽くしてしまうからだろう。

 まぁ、全てを俺や冒険者さん、そしてヴァルドさん達で倒そうとは思っていないからね。


 あくまで、獣人さん達が絶対的有利になるように、という考えだ。

 そのためには……。


「モニカさん、ユノ、ロジーナ、準備は?」

「いつでも! リクさんの傍でサポートするのは任せて!」

「私達もいつでもいいの!」

「えぇ。面倒だけど、差し当っての件が片付くまでリクに協力すると決めたしね」


 差し当っての件、人間の体になっているロジーナが、神様として戻るかそれとも帝国との戦争が終わるか……。

 ともあれ、協力してくれるのは本当にありがたい。

 できれば全てが終わった後も、ずっと味方でいて欲しいけど、多分それは難しいだろうけどね。


「私には声をかけないでいいのかしら?」

「レッタさんは、できればここで魔力誘導を使って魔物の進攻を遅らせて欲しいんですけど……」

「嫌よ。私は常にロジーナ様のお傍にいると決めたの。ここにいたら、ロジーナ様とユノ様の尊いお姿が見えないじゃない」

「いつの間にか、ユノにも様が付いているし……けど、俺達は魔物の真っただ中に行くので、危険ですよ?」

「問題ないわ。私を誰だと思っているの? あれくらいの魔物なら、いくら来てもなんとでもできるわ。延々と戦っているわけにはいかないけど、さすがにそれはないでしょ?」

「まぁ、そうですね……最初に、そういう手筈でって言っておいたのになぁ」


 アテトリア王国から出発する前に、レッタさんには獣王国王都に到着してからの作戦を、大まかに伝えておいて、レッタさんはヴァルドさん達と同じように後方からの援護をって言っておいた。

 その時の答えは、「状況によってどうするかは私が決めるわ」だったので、承諾したわけではないんだけど、いざという時はそうしてくれると思っていた俺が悪いか。

 こういうのはちゃんと了承するまで話しておかないけなかった。

 ロジーナ至上主義のレッタさんにとって、ロジーナ以外は自分の命も含めて俺とか他の誰かがどうなろうと知ったこっちゃないというスタンスだしなぁ。


「わかりました、あまり危険な事はしないように……というのは無理でしょうけど」


 ひしめき合い、隙間すらないようにも見える魔物の大群の中に突っ込もうとするんだ、その時点で危険だ。


「とにかく、ロジーナ達から離れないように」

「もちろん、私がロジーナ様から離れる事なんてありえないわ」


 まぁ、ロジーナやユノが近くにいれば、俺の戦いに巻き込まれる心配もないだろう。

 ちなみに、魔力貸与でレッタさんも魔力量が尋常じゃないけど、身体能力は多少向上している程度。

 魔物の攻撃が当たっても一切怪我をしないとかではない。

 魔力量に任せた魔法は結構使えるようだけど、武器を取って戦う事もあまり得意じゃないみたいだ。


 だから、エルサに乗ったまま魔力誘導を使うだけにして欲しかったんだけど。

 ……それでも、戦闘しながら多少なりとも魔力誘導はできるようだから、王都へ向かう魔物の足を遅くする程度の事はできるだろう。


「フラッドさん!」

「マスターのご指示通り、全員覚悟は決まっております! なぁ、お前ら!」

「はい!」

「えぇ!」

「もちろんです!」


 冒険者さん達がそれぞれ意気込みを見せるようぬ、武器を握りしめて頷く、頼もしい限りだ。

 一部、地上の魔物を見て震えている人もいるようだけど……あぁ、高い所が怖いだけみたいだね。

 このあとやる事を考えると、高所が苦手な人には魔物の中に突っ込むより恐怖を感じていてもおかしくないから。


「それじゃ、俺達が先……っ!?」


 ウォォォォォォォォォン――。


 言葉の途中で、後ろの方……王都の門から大きな雄叫びのような、歓声のような声が上がった。

 思わず振り返ると、そちらでは大きな土煙が立ち上っている。


「あれは……アマリーラさん達、かな?」


 一瞬だけど、数メートルどころか十メートルを越える土煙を切り裂いて、アマリーラさんとリネルトさんらしき姿が見えた。

 さらに、土煙の中には魔物達が打ち上げられているのも見える。

 向こうは向こうで、獣人さん達の反撃ってところか。


 もしかすると、俺達というかエルサが光の輪を出して、ミスリルの矢で攻撃したのが合図になったのかもしれない。

 俺達の作戦、まぁ簡単に言うと遊撃と囮や魔物に混乱を撒き散らそうとしているのを、アマリーラさん達は知っているからな。


「話は通ったと見ていいのかもね。それじゃあこっちも……エルサ!」

「あいあいさー、なのだわ!」


 エルサが光の輪を展開。

 先程と違い、今度は複雑な文様はないようで、汎用性を重視した物という事なんだろう。


「ヴァルドさん!」

「はっ! 矢、つがえ!」


 続いてヴァルドさん以下弓隊の皆さんが、ミスリルの矢を弓につがえる。

 冒険者さん達はもう弓を持っている人はおらず、全員が得意な得物を構えていつでも飛び出せるようにしていた。


「目標は、斜め前方! 少しだけ魔物の大群に穴を開け、そこに飛び込む! いざ!」

「放てぇっ!!」


 一斉に放たれるミスリルの矢。

 エルサが作った光の輪を通り、滞空しているエルサの前方数十メートル辺りを抉るように殺到する。

 それは、先程とは違い魔物を貫く威力こそ劣っていたけど、貫いた矢が地面に突き刺さる事なく軌道を変え、複数の魔物の体を貫きながら飛ばしていった。

 俺達が降りるスペースを開けるために、エルサがそうなるようにしてくれたんだろう、ありがたい。


「それじゃエルサ、話しておいたように離脱のタイミングを忘れないでね。俺はともかく、フラッドさん達の方は特にね」

「もちろんだわー。ちゃーんと回収するから、心配せずに行ってくるのだわ」

「あぁ。――モニカさん、ユノ、ロジーナ、レッタさん!」

「えぇ」

「行くのー」

「仕方ないわね」

「あぁ、ロジーナ様のお傍で戦えるなんて、僥倖です」


 若干一名の返答に不安が残るけど……まぁなんとかなるか。

 全員を確認した後、俺はヴァルドさん達が開けてくれた魔物の穴に向かって、エルサから飛び降りた――。



「魔物は……見た事のあるのもいるし、見た事ないのもいるね。単一の種族でまとまってはいないみたいなのも、魔物達が自分の意思で動いているわけじゃない証拠とも言えるかな」


 自由落下をしつつ、ミスリルの矢による攻撃でひしめく魔物達の中にぽっかりと開いた穴に向かいながら、周囲を見渡す。

 風切り音を耳で受けながら、近付く事ではっきりと見えてきた魔物達。

 オークやオーガ、アダンラダといったCランク以下の魔物の中に、ちらほらとオルトスやマンティコラースのようなBランクの魔物が混じっていた。

 アラクネもいるし、ガルグイユもいるようだ……ガルグイユは離れた場所から魔法を放ってくるから、注意しないと。


 他にも、見た事のない魔物もいるようでごった煮状態だね。

 ただ大型の魔物はあまり数がいないようで、背丈で言えば人の倍近いくらいのオーガが大きい部類、四足歩行なので背丈は人より少し大きいくらいだけど、全長では一応巨大と言えるオルトスが目立つくらいだ。

 多少強力な魔物も混じっているけど、大型の魔物が大量にというわけではないため、ヒュドラーとかはともかく、キマイラやキュクロプスも多くいたセンテの第二波よりはマシのようだ。

 それでも、BランクどころかCランクでも一般的には十分脅威になるので、これが報告されていた通常のスウォーミングよりも強力な魔物が集まっているという事なんだろう。


 本来は、DランクメインでCランクがちらほらという程度だったり、単一の種類の魔物が多いとからしいし。

 ごった煮状態で数だけでなく種類も豊富な状態は、不自然だし何者かの関与を感じる。

 他には、同じ種類の魔物が二、三体固まっている事はあるけど群れという程ではなく、離れた場所に再びいるなど点在しているようなので、誰かが意図している様子に思えるね。

 通常ならば、群れ単位などで行動するだろうし、できるだけ同じ種類の魔物で固まろうとするから。

 

「お、あれはゴースト……かな? でもエルフの集落、今は村だけど、そこの森で見たのより小さいような……?」


 大体魔物五体につき一体くらいの割合で、ゴーストらしき魔物がフヨフヨしているのが見えた。

 ゴーストはエルフの村を救出する時に戦ったけど、単体としてはDランクに届くかどうかの魔物で、この中に混じっているのが不思議にも思える。

 ちなみにゴーストという名称だけど、幽霊というわけではなく、魔力のカスが集合した状態で、レムレースに近い存在と言えるかな。

 とはいえ物理、つまり魔法しか利かないなんて事もなく、剣で斬れば魔力が霧散して倒せるし、強力な魔法を使ってくる事もない。


 まぁ集団で距離を取って一斉に魔法攻撃されたら厄介ではあるんだけど、動きも早くないのでそれなりの腕がある人が突っ込んで蹴散らすなんて事もできるくらいだ。

 エルフの村での時は、他にも魔物がいたから村の建物が燃やされそうになったけども。

 とはいえ、なんとなくその時見たゴーストとは少し違って、小さく見える。

 距離があるからそう見えるのではないとは思うけど……色も、半透明の白ではなく赤っぽいし。


「まぁとにかく、やる事は決まっているからね。んっ……!」


 そろそろ観察も終わり、近付いてきた地上を見て衝撃に備えるとともに、全身に魔力を漲らせるため身を固める。

 数舜後、ズドンッ! という大きな音と共に足から着地。

 何度もエルサから飛び降りていたから、さすがに着地も慣れたものだなぁ……ロジーナに蹴飛ばされる事もないし。


「おっと、さすがにこんな登場の仕方をすれば、注目されるか。でも……!」


 真っ先に俺が一人で降りたのは、モニカさん達が降りる場所の確保をするため。

 ユノやロジーナならともかく、モニカさんは多少エルサが高度を下げる必要があるので、そのための時間稼ぎの意味もある。

 数メートルにわたって、大きな穴がぽっかりと開いているけど、それでも魔物の集団にとっては微々たるもの。

 広範囲に広がりつつも所狭しとひしめき合っている状態なのだから、放っておけばその穴は再び魔物で埋め尽くされる。


「んっ! これも、結構慣れたね」


 全身に漲らせていた魔力を開放。

 それが圧のように作用して、こちらに飛び掛かろうとしていた魔物達を牽制する。

 もう一つ、俺が先に降りてき理由としてこれがある。

 近くにモニカさん達がいる状態でこれをやると、モニカさんも圧されるか動けなくなってしまうので、先にこうして牽制の意味も込めているってわけだね。


「さて、まずは……そこ、ちょっと出すぎだよ!」


 円形に開いている空間、俺から見て右側にオルトスの二つの頭が少しだけ近い。

 ランクの高い魔物だけあって、俺が解放した魔力の圧でもあまり後退しなかったんだろう。

 足に力を込め、一足で近付き引き抜いた剣を振るう。


「っと。む、さすがに距離があると魔力の圧もとどかないみたい、だね! 他の魔物達に遮られているのもあるだろうけど!」


 オルトスの二つの頭を切り落とし、着地した瞬間、山なりに火の玉が飛んできた。

 おそらく降りる時に見たガルグイユか、また別の魔物が魔法を放ったんだろう。

 それを、再び着地地点である円の中心辺りに戻りつつ回避。

 さすがに単発の魔法に当たってやる程、ユノ達からの訓練は優しくなかったからね。


 これくらいなら、発動を見ていなくても目で捉えるまでもなく、気配を感じるくらいで避けられる

 さて、次はどの魔物に向かうか……と品定めするように周囲を見渡しつつ、剣を構えた。

 ちなみに今回使う剣は、訓練のためのボロボロの剣ではなく、最初から白い剣。

 訓練よりも魔物を倒す方が優先だからだけど、それ以外にも理由がある。


 先程魔力を開放したけど、しばらく戦っていればまた元に戻ってしまう。

 そのため、白い剣を魔力放出モードにしておけば、俺自身から剣に魔力が流れるため、遅らせる事ができるからね。

 要は、力を制御というか魔力が低い状態で戦い続けるための方法ってわけで、よっぽどの事がなければ、魔力吸収モードにはしないようにしている。

 じゃないと、魔力がみなぎり過ぎても味方を巻き込む可能性が高くなるし、魔力吸収モードの白い剣が味方に当たっても危険だからね……魔力放出モードだと、大きさは変えなくても切れ味が異常なほど上がるので、それはそれで危険だけども。


「魔力吸収じゃなくても、魔法に対処できるんだ、よ! っと!」


 複数の火の矢が飛んでくるのを、白い剣を振り下ろして霧散させる。

 そのついでとばかりに、円の外側にいる魔物を斬り上げで数体斬り倒した。

 魔力開放し、周囲の魔力を感じる練習を以前ロジーナに言われてやっていたのもあり、一つ一つの動作が以前と違って意味のあるものになっている事を実感する。 

 もちろん、エアラハールさん監督による、ユノとロジーナのスパルタ特訓のおかげも大きいんだろうけど。


「こんな状況だけど、自分が成長している実感っていうのはやっぱりうれしいね……! お?」

「リクさーん!」

「リクーなのー!」


 一人呟きながら別の魔物を斬り倒していると、頭上からよく知った声が降って来る。

 モニカさん、ユノ、ロジーナが到着したようだ。

 顔を上げると、モニカさんを筆頭に、ユノとロジーナが落下してきていた……一番後ろにはレッタさんもいるのは言っていた通りなんだけど、やっぱりついて来るんだね――。



リクと一緒に戦う仲間も到着です。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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