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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1896/1960

工作拠点突入作戦終了

ブックマーク登録をしてくれた方々、評価を下さった方々、本当にありがとうございます。



「多分、ここを私達……じゃなくても、誰かが通ったら襲い掛かれとでも言われていたんじゃないかしら? ほら、武器すら持っていないわよ?」

「言われてみれば確かに。ただ飛び掛かって来ただけみたいだし、武器を忍ばせているならそれを使っただろうからね」


 崩れ落ち、意識を失っている男性、結界に包まれているその人を外から観察する限りでは、武器なんて持っていない。

 ……結構強めにみぞおち辺りを剣の柄で打ったけど、ちょっと過剰防衛だったかもしれない。

 そんな事を言っていられる状況でもないけど。


「さっきの大広間にいたのは、一人を除いて全員何かしらの武器を持っていた事を考えると……」

「爆発する人は、持たされていないんだろうね。必要ないからかどうかはわからないけど」


 大広間にいた十人以上の人達……今は全員取り押さえられるなりなんなりしているけど、その中で唯一エルサが結界で包んだ女性以外は全て、何かしらの武器を持っていた。

 今襲ってきた人が持っていない事を考えると、爆発処理をされた人は持たされていないんだろうと予想できる。

 理由は、爆発するから持つ必要がないとか、反抗させないためとかいろいろ考えられるけど……まぁここで考えていても答えは出ないだろうし、と考えてフィリーナと共にさらに奥へと進む。


「少し、早めに抜けるようにした方がいいかもしれないわね。奥に、何人も魔力を複数持つ人間がいるわ」


 特に誰かが襲ってくる事もなく、少し通路を進んだあたりでそう呟くフィリーナ。

 複数の魔力をもつ人間がいるというのはつまり、爆発処理をされた人が多くいるってわけなんだろうけど……。


「逃げた人達を追いかけるためだね」

「それもあるけど、ちょっと違うわ。ここは地下で空気の流れも少ないわ。私達が入って来た方から以外にも流れがかすかにあるようだから、向こうはどこかに繋がっているのは間違いないでしょうけど、前にも言ったけど、空気が滞れば魔力も流れが滞ってしまうのよ」

「えーっと……そういえば言っていたね」


 確か、魔法具を使って検査をする時に屋内は難しいという話の時だったっけ。

 屋外と違って魔力が溜まってしまいやすいから、外部の魔力による刺激で爆発する可能性のある人の検査をするの危険だとか。


「えぇ。私もそうだけど、リクから漏れる魔力が溜まり始めているわ。部屋の中よりは通路が広いから、すぐにどうこうというわけではないと思うけど、念のためね」

「わかった。少し早めに移動しよう」


 さっき襲い掛かって来た男みたいに、何かのきっかけ……外部からの魔力以外のトリガーみたいなのがなければ爆発しないかもしれない。

 けどその仕組みみたいなのはまだよくわかっていないから、フィリーナの言う通り念のため通路内にとどまらずさっさと抜けた方がいいんだろう。

 こんな地下で大きな爆発が起こったら、崩落して生き埋めになる可能性もあるからね。

 ……多分、さっき襲い掛かって来た男も、最終的にはそれを狙って指示されていたのかもしれない。


「……この地下は、もしもの際に逃げるための用途以外にも、閉じ込めておくための場所でもあるみたいだね」

「結界、あっちも結界、こっちも結界……だわぁ」

「そうみたいね。慌てて逃げたからか、ほとんどが放置されているようだけど」


 しばらく通路を進むと、左右に小さな小部屋がある場所に出た。

 そこでは、一つの部屋に一人が入れられていて格子などで外に出られないようにしてある。

 さらに、人によっては鎖でつながれていたりもする……まぁ俺達が通りかかる際に、繋がれた人は大体暴れようとしているから制御できない人に対して、そうした措置をしているんだろうと思う。

 基本的には、狭い部屋に閉じ込められているという事以外、縛られたり繋がれている人の方が少ないか。


 とはいえ、こんな所に閉じ込められている時点で普通じゃないし、フィリーナが見てエルサにも確認してもらったけど、複数の魔力を持って爆発する可能性がある人達だったから、今話した通りなんだろう。

 一人一人を助け出すのはとりあえず後回しにして、爆発しないようエルサに結界で包んでもらいつつ、通路を進んだ。


「地上に向かっているみたいだね。少し上り坂になってる」

「えぇ。途中、別の方へ行く道も扉もなかったわ。この通路に入って考えた通り、一旦地下に向かってそれから地上に出るような作りになっているみたいね。建物の正面から出入りするよりは、隠れて密かに使えるからでしょうね」

「みたいだね……っと、外みたいだ」


 ぐるぐると、螺旋を描くような通路は最初、下り坂で地下へと向かっていたけど、爆発する人達が閉じ込められている区画を過ぎると緩やかな上り坂になった。

 真っすぐではなく螺旋を描くように作られた通路は、どれだけの労力を使っているのか、方法などは……なんて気になりはするけど、とにかく密かに建物との出入りするためにも使われているんだと思わされる。

 それを証明するように、進む先からは薄暗い通路へ光が差し込んで地上へと繋がっているようだ。


「っ! リク様!」

「あーっと……お疲れ様です。ここから俺たち以外にも出てきたと思いますけど」


 開け放たれたままの扉を出ると、小さな小屋だった。

 さらにそこから出て、日差しの明るさに目を瞬かせていると、大勢の兵士さん達が周囲に集まっているのに気づいた。

 小屋から出てきた俺やフィリーナを一瞬だけ警戒したようだったけど、すぐに気付いた兵士さんの一人が声をかけて来る。


「はっ! 数人程の者達が慌てて出てきましたので、全て捕縛しました。あちらに」

「確かに、ありがとうございます」

「まだあんなにいたのね……」


 兵士さんが示した方を見てみると、暴れるなり観念するなりと様々だけど、十人程度の人が兵士さん達に取り押さえられていた。

 間違いなく、地下を通って逃げ出した人達だろう。

 結局閉じ込められている人以外には、これといった事はなく、俺達が追い立てたようになったけど……まぁそんなものかな――。



「はぁ……突入よりもその後の方が疲れた気がするなぁ」

「リクはまだいいのだわ。私は結界を使ったり解除させられたり、面倒だったのだわ」

「ははは、でもおかげで助かったよエルサ。――モニカさん達の方は、怪我はない?」

「えぇ、大丈夫よ。私は後ろだったけど、訓練の成果か特にこれといった事もなかったわね」


 地下を抜けた後は、あれこれと事後処理をしてからモニカさん達と合流。

 ソフィーやフィネさんも含めて、全員大した怪我もなく終わってくれたようだ。

 こちらに向かって来た人達は、基本的に戦闘を得意とするような人が少ないようだったのも幸いしたかな。

 爆発されなかったのも、大きな要因だろうと思う。


 ちなみに、保護というかエルサの結界で外部からの魔力を遮断した人達については、改めてエルサと一緒に解除しては運び出すという作業があった。

 というより、事後処理のほとんどはそれでエルサが面倒そうにしていたんだけども。

 爆発する可能性のある人は隔離され、その他は取り調べのために連れていかれ、捜査のための人員が残っている以外は、建物内にはもう他に人がいなくなっている。

 包囲していた兵士さん達も同じくだ。


 ヴェンツェルさんは、通路を確認した後に王都の地下通路が知られていない事を安心し、向こうで備えていた兵士さん達を解散と労うために王城へと戻って行った。

 その際、通路から逃げた人の中に拠点をまとめていた親玉らしき人物もいたようで、それらから確実に情報を引き出してやる……と、中々怖い笑みを浮かべていたけど。

 拠点がここだけとは限らないし、王都や王国内に潜んでいる場所を引き出そうって事なんだろう。


 爆発騒ぎというか、破壊工作があったのは王都だけじゃないからね。

 今回の件で、破壊工作が収まる事を願うばかりだ。


「キューを要求するのだわ。働いたらお腹が減ったのだわ!」

「はいはい、ちゃんとキューをあげるからもう少しおとなしくしていてくれ」


 騒ぎ始めるエルサをなだめつつ、もう俺達にやれる事はないとモニカさん達と一緒に、王城へと戻る岐路についた。

 ちなみにフィリーナは、複数の魔力がある人の護送と調べをするため、別行動。

 フィリーナとしても、早くこの騒ぎを収めてしまいたいんだろう……カイツさんやアルネみたいに、研究のためではないだろうしね。


 それと、冒険者ギルドから依頼を受けた冒険者さん達は、俺達が突入した後に合流、兵士さん達による包囲と城下町の住民の整理などをしてくれていたらしい。

 荒事には参加していなかったけど、ちゃんと協力はできていたようだった――。



「りっくん、それからモニカちゃん達も、皆今日はお疲れ様。助かったわ」


 破壊工作の拠点へ突入してから、王城に戻ってあれこれあった後、夕食後の俺の部屋で姉さんから労われる。

 部屋には姉さんとヒルダさん、それに俺とエルサ、モニカさんとソフィー、フィネさん、ユノとロジーナにレッタさんやアマリーラさんとリネルトさんがいる。

 要はいつも部屋に集まるメンバーだね。


 ちなみに何もなかったように労ってくれる姉さんには、俺が王城に戻ってから色々と言っておいたんだけど……多分ほとんど堪えていなさそう。

 まぁいいんだけど……。


「うんまぁ、協力できたから良かったよ」

「私達は、リクさん程のお役には立てませんでしたけど……」

「そうでもないわよ。モニカちゃん達も突入組として参加した、というのが大事なの」

「それはどういう?」


 モニカさん達が役に立っていないとは一切思わないけど、参加した事に対する意味を見出している様子の姉さんに、理由を聞いてみた。

 姉さんによると、拠点の場所がわかってからは向こうが動く前に迅速に行動する必要があったらしく、俺が呼ばれた時には既に冒険者が目立つ場所で参加する事はほぼ不可能だとわかっていたとか。

 これも一応マティルデさんと打ち合わせ済みだったらしいけど、それでもちゃんと依頼も含めて包囲をする事などに参加したという事実を出したかった。

 それと共に、俺と一緒にいる事で名が知られるようになった、要は有名になっているモニカさん達が突入組として参加する事で冒険者との協力関係が強固だというパフォーマンスにもなっていたらしい。


 国と冒険者やギルドの関係性が悪ければ、重要な場面で表立って目立つ場所に参加なんてさせないだろうからね。

 だから「巻き込め」か……ふと、マティルデさんと話している時に伝令に来た、兵士さんから伝えられた言葉を思い出した。

 あれはマティルデさんや冒険者ギルドを巻き込むというだけでなく、モニカさん達もという意味も含まれていたのかもしれない。

 マティルデさんと姉さんは、ある程度事前に打ち合わせしていて既に言われなくても巻き込んでいる状態でもあったようだしね。


「というわけで、私としても国としても、それに冒険者ギルドとしてもモニカちゃん達はちゃんと役に立っているし、りっくんみたいな活躍ができなかったと卑下する事はないわ。りっくんみたいな事なんて、他の誰にもできないんだし広く見ればりっくんにも、そして大勢にも役に立っていると言えるのよ」

「あ、ありがとうございます」


 姉さんに言われて、少し照れたようなモニカさん。

 多分認められたなんて大袈裟な事じゃなくても、ちゃんと役に立っていると言われて嬉しかったんだろう。

 こういうの、俺に比べてとか考えていたようだし、そういう素振りをよく見るから俺から言っても響かなかっただろうしなぁ。

 さすが姉さん、よく見ている。


「ふふん、どうりっくん? お姉ちゃんを見直したでしょ?」

「いやまぁ……そういうところがなければ見直してたかもしれないけど……」

「ぶぅ~」


 頬を膨らませる姉さんは、年齢的にも立場的にも見直すとか尊敬できる様子には見えない。

 まぁリラックスモードだからってのはあるんだろうけど、これで女王様モードの時はキリッとしているんだからなぁ。

 さっき、俺から注意されたからってのがあるのかもしれないけど……そう考えると、暖簾に腕押しだったように見えた苦言とも言えない文句も、少しは効果があったのかもしれないね。


「それで、捕まえた人達はどう?」

「うーんそうねぇ、まだ途中ではあるけど現時点では、当然というべきか向こうは協力的ではないわね」

「そりゃそうだよね……」


 捕まったからって、すぐに協力的になるようなら最初から突入した俺達に対しての抵抗や、逃げようなんてしなかっただろうし。

 そもそも敵対する国と言える相手に捕まったんだからね。


「ハーロルトがいてくれたら、もう少し調べを進められたのだろうけど。まぁなんにせよ、絶対に捕まえた奴らが持っている情報は全て引き出して見せるわ。ふふふ……」

「姉さん、黒いのが出てるから。モニカさん達が引いちゃってるから」

「あらいけない。うふふふ……」


 上品に笑って誤魔化しているけど、手遅れだ。

 昔から時折、黒い何かがにじみ出るようなのはよくあったんだよね……悪巧みというか、本当に悪い事を考えているんじゃないにしても、何かを企んでいる時にはこうなる事が多かった。

 なんというか、やっている事や考えている事は当然違うんだけど、レッタさんがクズ皇帝に対して復讐を口にする時の暗い笑いに近いかもね。


 あまりそういう姉さんを知らない、というか本性に慣れていないモニカさん達は引きつった表情になってしまっている。

 エルサやユノ、ロジーナとレッタさんなどは我関せず……エルサはキューをいっぱい食べて満腹だから、他はどうでもいいんだろうけど。


「何か、りっくんが失礼な事を考えている気がするわね」

「……そんな事ないよ?」

「ちょっと間があった気がするわ。まぁ、話しが進まないからそういう事にしておくけど……そうそう、捕まえた者達はともかくとして、爆発処置がされているとみなされている者達。あっちは一部がこちらに協力的よ」

「って事は、無理矢理利用されていたとかかな?」

「そうみたいね。まぁ、利用された理由なんかも話していたみたいだけど、本当ならそうされるのもわかるのがいるわね」

「利用されて当然って事? そんなの……」

「犯罪者利用よ」

「……そういう事かぁ」


 どんな事情があっても、爆発して確実に死んでしまうような利用のされ方なんて、当然になる事はない……と思ったんだけど、姉さんの一言で納得した。

 いや、犯罪者だからって人道に反する形で利用していいとは思っていないけど、なんの罪もない人がというよりかは受け入れられやすいと思ったから。


「全員が全員じゃないみたいだけどね。多くが何かしらで法を犯した事のある者達みたい。あくまでも、隔離したあれらの証言が真実ならだけど……自分が元々犯罪をしたなんて、こちらの国で捕まって言う利点もないわ」

「そう、だね」


 帝国から逃げようとして、こちらの国で保護されたいと考えるなら自分が悪事を働いていた人間だというのは、どう考えても悪手だ。

 さすがに、まともな思考ができなくともそれくらいは考えるだろう。

 もしかしたら、そういう奇特? な人も中に入るのかもしれないけど、事情を聞いた人達……隔離した爆発処理をした人達の中から複数が言っているようだからね――。




一人くらいはいる可能性があったとしても、複数ならあり得ないと言えそうです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

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