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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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リク射出法



「リク!」

「ユノ! 計画の第二段階だ、追いかけよう!」

「こっちも何体か抜かれたわ! ユノよりはマシだけど!」

「私は、オークも一緒に相手にしてたの! だから、ロジーナより多く倒してるの!」


 自分の持ち場での戦いは終わったんだろう、俺の所にユノが駆け付けて来るのと共に、ロジーナも合流。

 それはいいんだけど、こんな状況でも張り合うんだね君達……。

 どちらが多く倒したかとか、抜かれた数が少ないかなんて今はどうでもいいのに。


「まぁまぁ、とにかくアマリーラさんのいる所へ戻るよ!」

「わかったの!」

「またあれをやらないとね……」


 ともかく、残っているオークや足を切り取られただけでまだ動いているデュラホースはすべて無視。

 村へ向かっているのを追いかけるため後退し、アマリーラさんの待つ場所へと駆ける。


「アマリーラさん!」

「リク様! こちらは準備できております!」


 アマリーラさんの待機していた場所は、先程ユノ達を射出した場所より少し村に近い。

 数体のデュラホースには抜かれるのが当然として考えて、それを追いかけるのに備えるためだ。

 ちなみにアマリーラさんの周囲には、レッタさんのものと思われる魔法によって倒されたのと、アマリーラさんに斬り割かれたデュラホースの残骸が数体。

 俺やユノ達が抜かれたデュラホースの一部を倒してくれたんだろう……余裕がないから、何体か数えられないけど。


「まずは私なの!」

「いきますよ……どっせぇい!!」


 一国の王女様が、そんな掛け声でいいのかな? とちょっと疑問に思うくらい、気合の入った叫びを発しつつ、先程と同じようにアマリーラさんの大剣に乗ったユノが射出される。


「見様見真似だから、着地点がずれたらごめんね……とぁ!」

「多少の誤差なら、こちらで修正するあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 ユノが射出される横で白い剣を魔力放出モードに、アマリーラさんの大剣と同等の大きさにして、そこにロジーナを乗せ、想いっきり振り抜いて射出。

 ロジーナは言葉の途中で射出され、数秒先に射出されたユノを空中で追い越して行き、村へとただひたすら走るデュラホースへと飛んでいく……。

 ……ちょっと強く力を入れすぎたかもしれない、アマリーラさんが射出するより速度が出ているようだ。

 決して、以前空を飛んでいる降りた時、空中で蹴られてゴブリンの集団中央に着弾させられた事を恨んで、とかではない……と思う。


「ではリク様、行きます!」


 ともかく、ユノとロジーナを射出した後は俺の番。

 あまりやりたくなかったけど、デュラホースが抜けてしまった以上やるしかないし、最初の予定通りではあるけど。


「は、はい。お手柔らかに……なんて言っている状況じゃないので、思いっきり来てください!」


 デュラホースのいる方向に背を向け、大きくしたままの白い剣を体の前で縦に構えて、バックステップの要領で大きく後ろに飛ぶ。

 そしてそこへアマリーラさんが駆け込んで、勢いを加えて思いっきり大剣を横薙ぎに振り抜く!


「ぐっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ……」


 重い衝撃を白い剣で受け止め、間抜けな声を出しているのを自覚しながら、俺の体ごとデュラホースへと飛んでいく。

 俺が射出したロジーナ程ではなくとも、ユノより勢いよく飛んでいる気がするのは、アマリーラさんの気合の表れか。

 俺が思いっきりって言っちゃったからかもしれない……。

 さらにそこへ、暴風が俺や先に飛んでいたユノ、ロジーナを後押しする。


 レッタさんの魔法だね。

 射出された俺達をさらに勢いづけるため、風の魔法でさらに遠くまでってわけだ。

 もうこれ、大砲で打ち出されたよりも凄い事になっているんじゃないだろうか? なんて、滅茶苦茶だからこそどこか冷静な頭で考えつつ、村へ走るデュラホースを追い越し、その先へと着弾。

 着地なんて生易しいものじゃなく、着弾だ……おそらくレッタさんの風魔法のサポートのおかげだろう、頭からではなくちゃんと足から着弾したけど、周囲には軽いクレーターっぽい物ができている。


 ユノの提案に乗った計画通りではあるけど、かなり無茶をしちゃったなぁ。

 こっちの班にモニカさん達が含まれていなくて良かった。

 まぁ含まれていても、射出される役目は変わらなかっただろうけどね。


「リク、本当に加減というものを覚えて!」

「ごめんごめん」

「私もリクの方が面白そうだったの。今度はそうするの。で、来るの!」

「今度があるかは、議論の余地があるけど……行くよ、ユノ、ロジーナ」


 正直、同じ事はもうしたくない。

 エルサから何度も飛び降りていてなんだけど、もうどこの遊園地のジェットコースターとかの絶叫系も、冷静に受け止められそうな気がする。

 まぁそんな事はどうでもいいんだけど……。


「うんなの!」

「わかっているわよ。まったく、自分が創った汚点が目の前に迫ってきているなんて、今更だけど何の悪夢だか……」


 神様も悪夢とか見るのかな? なんて疑問を押し殺し、白い剣を扱いやすい長さに戻して、ただひたすらに走り続けるデュラホースへと構える。

 ユノやロジーナも、それぞれ剣を構えて備えた。


「……いい加減、この剣も扱いづらいわね。リク、これだけ私に協力させているんだから、もっと使いやすい武器を買ってもらうわよ」

「デュラホースは割とロジーナも対処する気満々だったと思うけど……まぁそれくらいなら全然」


 ロジーナの持っている剣は、適当に王城にあったのを一応許可をもらって使っているだけなので、ロジーナ自身の背丈には全くあっていない。

 まぁ、大人の兵士さん達が使うようなものだからね。

 どんな武器がロジーナに合うのかはわからないけど、ちゃんとした武器を用意するのはやぶさかじゃない。

 今回はともかく、色々協力してもらっているのは間違いないしね。


「ズルいの! 私もリクに買ってもらうの!」

「あんたはもう持っているでしょ!? リクからお小遣いなんてのももらっているみたいだし、完全に見た目通りの子供になってるじゃない……」


 なんて言い合いながら、ユノとロジーナが左右斜め前方に飛び出して迫るデュラホースに肉薄。

 俺も遅れないように真っ直ぐ踏み込む。

 ユノが俺から見て右、ロジーナが左、俺が正面と、先程オークを弾き飛ばしていたデュラホースへ向かったのと同じだ。


「……ふっ!」


 先頭の一体の足を斬り裂く。

 その間にユノとロジーナは、それぞれデュラホースの足を斬り裂いた後、胴体を蹴り上げ、斬った後の足を別のデュラホースに投げつけたりもしていた。

 さっきと違って距離が違うから、ユノとロジーナの戦いが近くでよく見えるけど……あんな事をしていたのか。

 デュラホースがオークと同じように空を舞っていたのは、蹴り上げたからみたいだね。


「あれくらい、できたらなぁ……とは思うけど、俺は俺でやれる事を……とぉ!」


 デュラホースの足を斬るのが精いっぱいで、俺にはそこからさらに蹴り上げたり、体を流れるように動かして斬った後の足を掴んで投げるとかできない。

 けど、とにかく高望みをするよりも、今の優先は走るデュラホースの数を減らす事だ。

 やりたい事を試す余裕もないしね――。




技術ではまだまだ、リクは未熟なので一つの事を集中してやるしかないようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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