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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1833/1960

新しくなったけどさらに状態の悪い剣



「厳しくする、と言い換えても良いが……まぁ内容はワシが考えておくよ。どうして強度、とワシが言ったのかよく考えて楽しみにしておれ」

「あまり楽しみにできないというのはわかりました」


 これは、オーガの攻撃が絶対に当たらないよう気を付けて戦う必要がありそうだ。

 制限がある以上、簡単にできる事じゃないのはわかっているけど。


「まぁリクの方はそれでいいじゃろ。もちろん、戦う時は訓練じゃから錆びた剣を使うのじゃぞ」

「さらに難易度が上がりましたね……鬼ですか」

「白い剣じゃったか? あれを使えば、自由に動けなくとも簡単にオーガを薙ぎ払うじゃろ? それでは訓練にならんからの」


 確かに、白い剣ならそれこそ剣身を長くして、俺を囲むオーガを薙ぎ払う事も可能というか簡単にできるだろうからね。

 ちなみにだけど、ボロボロで今にも折れそうな剣をこれまで訓練と称して使わされてきたけど、それに慣れたうえに次善の一手に近い事をしているのが見つかって、さらに難易度が上げられた。

 今は、処分されるのを待つだけの、本来なら訓練にすら危なくて使えないような剣を持たされている。

 処分されるくらいなら、無料で譲ってもらって訓練に生かそうという事らしいけど……ヒビが入っていて、少し刺激したら折れると思われる剣や、手入れされずに放置されていたのか、剣身が完全に錆びている物もあった。


 今日使うのは錆びた剣だけど、魔力を通したとしてもまともに物を切れるのか怪しい物ばかりってわけだ。

 まぁそれらの剣を使って、最善の一手で金属の剣は無理でも、木剣を何度も斬ったエアラハールさんの手本を見せられたら、無理だって断る事もできなかったんだけど。


「はぁ、まぁやるしかないかなぁ」


 溜め息を吐きつつ、チラリとユノとロジーナの方を見て呟く。

 ユノは頷いているし、ロジーナは興味なさそうにそっぽを向いてはいても、特に何も言ってこないから、俺に課する訓練としては大きく間違っていないんだろう。

 エアラハールさんの事は信頼しているけど、さらに技量で上回るユノ達の保証付きってわけだ。

 保証されても、あまり嬉しくない制限だけどね。


「まぁ安心するんじゃ。リク一人に任せるわけではないからの。先程、モニカ達もと言ったじゃろ? 制限を付けたリク一人で、オーガ三十体以上を倒すまで待つのも暇……んんっ! 長くなってしまうからの」


 今絶対暇って言ったよね? 確かに、最小限しか動けない状態だと全て討伐するのにかなり時間がかかるだろうけど。

 簡単に薙ぎ払えないわけだから。

 そもそもオーガが俺に近付いてこなければ、こちらから攻撃する手段はないんだしね。

 魔法は使えないし、錆びた剣しか使っちゃいけないと言われているわけで……それこそ別の魔物だったら、逃げ出したり近付いて来なかったり、などが考えられる。


 ただまぁ、オーガにその心配はないか。

 オーガは敵と見れば単純に突撃するだけだし。


「私達は、リクさんと協力して……というわけではなさそうですけど、どうするんですか?」

「モニカ達は、オーガに囲まれたリクの救出作戦と言ったところじゃの。まぁリクを救出する必要はないじゃろうが、あくまでそれらしい戦い方をしろというだけじゃ」

「リクさんの救出……」

「リク様の救出であれば、このアマリーラが……!」

「おぬしは、ワシと共に空からモニカ達の動きの確認じゃよ。そもそも、おぬしが参加したら訓練にならんじゃろう。内側のリクと外側のおぬしとで蹴散らして終わりじゃ」

「くっ……!」


 悔しそうに俯くアマリーラさんは、少し顔色が良くなってエルサの高速移動の後遺症? も取れて来てはいるようだけど、あくまでこれは実戦訓練だからね。

 どちらかというと訓練を課す側、エアラアハールさんと同じ立ち位置にいるアマリーラさんが参加すると、意味も薄れてしまうんだろう。

 手本を見せる、という段階ではないようだし。


「外側……救出作戦という事は、我々は集団の外からオーガの討伐を?」

「うむ、その通りじゃ。一直線にリクの所へ行ってもつまらん……もとい、訓練として不十分になるじゃろうから……」


 暇の次はつまらんって言ったよね、エアラハールさん。

 訓練をさせるという名目で、遊んでいるようなものなのかな? まぁ、それでもちゃんとこの先に意味のある訓練になるのならいいんだけど。

 あと、一直線に俺へ向かって救出をして離脱、とかもそれはそれで訓練になるとは思うんだけど、気のせいかな?


 まぁエアラハールさんの考える、モニカさん達への訓練という意味では、不十分って事なんだろうと思う。

 あまり疑ってばかりもいけないし、エアラハールさんを信じる事にする。


「というわけでじゃ、リクはオーガの中心で囲まれた状況の中大きく動かず戦う事。そしてモニカ達は、できる限りオーガを討伐しながら、リクの救出を急ぐ事じゃの。リクには先ほども言ったが、モニカ達もリクの所への到着などが遅くなればなるほど、今後の訓練の強度を上げて行こうかと考えておるよ」

「強度……」

「リク様が言われていたのは聞いていましたが、実際に自分に向けられた言葉になると途端に嫌な予感しかしなくなりますね」


 エアラハールさんの言葉に戦慄しているモニカさんとフィネさん。

 やっぱり、単純に訓練を厳しくすると言われるよりも、強度を上げるという謎な言葉の方が怖いよね……うん、気持ちはよくわかります。

 ソフィーだけは、望むところという雰囲気だけど。


 ただソフィーはエアラハールさんやアマリーラさんと同様、顔色が悪いのでオーガとの戦いは大丈夫なのか少し心配だ。

 何かあれば、エアラハールさんやアマリーラさんがなんとかしてくれるとは思うけどね。


「それじゃ、まずは俺が行くわけだけど……オーガの集団の中心って事は、ここからじゃちょっと届かないかな?」

「あら、なんなら私がまた蹴り飛ばしてあげるわよ? そうすれば、この高度なら行けるでしょ?」

「あれは本当に心臓に悪いから、止めて欲しい。――とにかくエルサ、オーガの方にもっと近づいてもらえるかな?」

「了解したのだわー」


 面白そうに笑うロジーナの提案を却下し、エルサに頼んでオーガの集団に近付いてもらう。

 さすがに、また蹴り飛ばされて地面に突き刺さるような勢いで降りるのは、勘弁してほしいからね。


「この辺りかな。それじゃ、行ってくるよ」

「相変わらず、この高さから降りてもなんともないリクさんはとんでもないと思わされるわね」

「今更だモニカ、諦めるしかあるまい」

「なぜか、俺が諦められているんだけど……」


 オーガの集団、その上空に到着して降下する準備を整える。

 とはいっても、戦闘中に使う剣を確認するくらいだけども。

 モニカさんと話しているソフィーは、先程より少し顔色が戻っていてもう大丈夫そうだ。

 エアラハールさんとアマリーラさんはまだちょっと辛そうだけど、ソフィーの方がエルサに乗った回数か多く、多少は慣れているからかもしれない――。



なんとかソフィーは戦闘に支障がないくらいに回復したようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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