助けた人達との対面はモニカさんも一緒に
「あの二人は、冒険者ギルドに報告に行っているわ。報酬などの手続きもあって、アマリーラさん達も一緒よ。エアラハールさんは……まぁ今日やる事は終わったからって、城下町に繰り出して行ったわ」
「ははは、よくお酒を飲みに行っているみたいだからね。問題を起こさなければ、そこは自由だからいいんだけど……」
エアラハールさんは、よく飲みに出ているみたいだからなぁ……まぁ別に行動を制限する事もないからいいんだけど、酔うと女性に文字通りの手を出しかねないのが少し心配だ。
とはいえエアラハールさん自身も、ある程度節度を持っているようだし、お酒の呑まれる事もないようだから多分大丈夫だろうとは思う。
「それにしても、報酬の手続きってアマリーラさん達が行ったのは意外だなぁ。すぐにこちらに戻って来たがると思っていてたんだけど」
なんだか、アマリーラさん達の中では俺の近くにいる事が重要、と考えている節がありまくっているので、モニカさんと一緒に戻って来るのかと思っていたから意外に感じる。
ソフィーやフィネさんのように、魔物討伐の報告に行っているのならともかく、報酬に関する手続きという事らしいし……。
「王城にいれば、特にお金を使う事はないんだけど、それでもまとまった滞在費を持っておこうって事らしいわ。センテの方で手続きはしていたらしいんだけど、移動も控えているからあまり手持ちにはしていなかったみたいなの」
「成る程ね」
これまでは冒険者登録はしていたけど、傭兵としてシュットラウルさんの近くにいたから、各自もしくはシュットラウルさん関係で管理していたんだろう。
ただ冒険者として護衛依頼を受けているという名目で、シュットラウルさんから離れているから、手元にある程度のお金を持っておこうって事かな。
登録するだけでほとんど放ったらかしだったけど、センテの冒険者ギルドでお金を預けたり引き出す手続きはしておいたみたいだ。
けど……報酬を待ってくれとさっきマティルデさんに言われたばかりで、アマリーラさん達がどれくらいお金を引き出したいのかわからないけど、冒険者ギルドの方に余裕はあるの少しだけ心配だ。
まぁ俺が心配する事ではないのかもしれないけど。
それに、もし引き出せなかったら何かでお金が必要になった時、俺が立て替えておけばいいだろう……というか名目とはいえ俺の護衛をしてくれているんだから、立て替えじゃなくて俺が出すでもいいんだけどね。
これでも、まとまったお金はある程度手元に持っておくようにしているから。
……王城にいるくらいなら、特にお金を使う事もないんだけどね。
「リク、モニカ。もう少し静かにしてちょうだい。ロジーナ様が起きてしまうわ」
「あ、ユノちゃんもロジーナちゃんも、寝てしまっているのね」
「まぁねあまり動いたわけじゃないけど、なんだかんだで疲れたんだと思う」
俺とモニカさんに注意するのは、ベッドの近くでその上を慈しむように見守っているレッタさん。
ベッドには、俺とエルサがお風呂から上がって来た時にはすでに、ユノとロジーナが仲良く並んで寝ていた。
結界を作る練習で疲れたのもあるのかもしれないが、どちらかというとお風呂ではしゃいだり、さっぱりして気持ちよくなって眠くなってそのまま……という感じかもしれないけど。
「……リク様、そろそろ」
起きている時は、言い合うことの多いユノとロジーナだけど、寝ている時は見た目相応の無邪気さで仲良く寝ているのを、レッタさんじゃないが微笑ましく見守りつつ、モニカさんと起こさないよう小さな声で談笑していると、ヒルダさんに声を掛けられる。
助けた人達というのと、会う頃合いのようだ。
「はい、わかりました。えーっと、ここでこのままですか?」
「いえ、別の部屋に集まるよう伝えてあります」
「わかりました」
どうやら、俺との対面は別の部屋で行われるらしい。
もしかしたら、ユノやロジーナを起こさないため、前もって寝ているのを確認したヒルダさんが、そうしてくれたのかもしれないが。
「リクさん、何があるの?」
「あ、そうそう、モニカさんにには言ってなかったね。えっと……」
モニカさんへ簡単に、以前森で野盗から助け出した人達が、王城で働くための初期教育? を終えた事や、お世話係を希望している事、ひとまず助けた俺への感謝を伝える場がこれからある、というのを伝えた。
「成る程ね……その人達って、女性よね?」
「モニカさんもその時見ていたから知っている通り、女性ばかりらしいね」
野盗のアジトを潰した時は、俺が勝手に夜な夜なやった事だからモニカさんは見ていないけど、助けた人達の事は見ているからね。
もちろんモニカさんも、その後の話を聞いているし助けた人達が女性だというのは知っている。
けど、何やら気になっている雰囲気を醸し出しているけど……そんなに気になるような事ってあったかな?
「……なら、私も行っていいかしら? その、ここでただ待っているのも手持無沙汰だし。もちろん、ユノちゃんやロジーナちゃんの寝顔を眺めるのは、なんとなく癒されるのだけど」
「うん、もちろん。お世話をしてくれる人になるかもだし、モニカさんとも顔合わせしておいた方がいいと思っていたからね」
というより、こちらから一緒に来て欲しいとお願いしようと思っていたくらいだ。
女性ばかりみたいだし、男の俺が一人で行くのはなんとなく気後れする……もしモニカさんがまだ戻って来なかったら、仕方ないし一人で行っただろうけど。
ロジーナにべったりなレッタさんを連れて行くわけにもいかないし、というか来てくれるか微妙だろうし。
いやまぁモニカさんも女性で、結局男は俺一人なんだけどね。
「ありがとう、それじゃあ一緒に行かせてもらうわね……女性ばかりという事だし、リクさんに助けられた経緯を考えると、また近くに女性が増えるわけだから、私も見ておかないと。さすがに威嚇や威圧なんてするつもりはないし、そんな性格の悪い所はリクさんに見せたくもないうえに、私がそうする資格もないけど……でもアマリーラさん達のような例もあるわけで、お世話という事は近くにいる事になるから警戒もしておかないと……」
俺にニッコリと笑いかけたモニカさんだけど、その笑顔を見て何故だか、笑顔って威嚇の意味もあるというのを瞬間的に思い出したけど……モニカさんの可愛い笑顔だったのに……本当、なんでだろう?
ともあれ、すぐに俯いて何やらブツブツと小さな声で呟いているモニカさん。
呟いている内容はよく聞こえないけど……どうしたんだろうか?
「んん? どうしたのモニカさん?」
「はっ! い、いいえ、なんでもないわ! えぇ、本当になんでもないの!」
「そう? ならいいんだけど……」
ハッとなったモニカさんが顔を上げ、慌てて首を振りながらなんでもないと繰り返す。
気にはなったけど、モニカさんがこう言っているんだからととりあえず気にしない事にした。
なんというか、追及しちゃいけないような気もするからね――。
モニカさんの笑顔には、なんとなく滲み出る迫力みたいなのがあったのかもしれません。
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