56.手紙
「幻想姫、大丈夫かな?」
「おまっ! "さん"を付けろ!! また怖い目に遭うぞ!!」
「あ、あぁ」
「さっきの話だが、幻想姫さんは強いから大丈夫だと思う…」
俺達が話していると、小太りのおじさんが近づいてくる。
「幻想姫さんなら大丈夫ですよ、ハッキリ言えば私達とはレベルが違います」
「そ、そうなんですか?」
「えぇ。それより私達の事を考えましょう。幻想姫さんにまた会う為には此処を抜ける…いや、それだと効率が悪いですね。ワープを使って先回りしましょう。みなさーん!」
小太りのおじさんは皆んなの事を呼ぶと、先程話していたワープの話をしている。俺達は幻想姫スレの皆とソシャールへと向かった。
(スプリングー!)
(スプリングさーん!)
2人は私の目の前まで来て、目をキラキラさせて此方を見る。
「凄いよ…本当に…」
スプリングは感心して2人のことを見つめる。
ウチの子らは凄いんですよ!!
撫で回したい所だけど、今はあの人達から逃げないと!!
「ベリアル! ソーマ! 此処から早く出ないとさっきの人達が追いかけてきちゃう!!」
私がそう言うと、ベリアル達はシュンとする。
うっ、で、でも早く此処から抜けないと…
(スプリング〜)
(スプリングさん…)
ちょ、ちょっとだけだからねっ!!
私達は軽く10分ぐらいイチャイチャすると、エリアボスのいる場所から出た。
「よし! やっと始まりの街に着いたよ〜!」
(やっと〜!!)
(やっと着きました!)
私達は始まりの街の門を通り、目的の場所へと向かう。
まずはっと…
「すみません、転移門ってどこにあります?」
私はすぐ近くにいるNPCに場所を聞くと、聞いた場所に向かった。
「おぉ…此処が転移門」
(でっ…かーい!!)
(凄く大きいです!!)
私達の目の前には、周りにある建物よりも大きい門があった。その周りには多くのプレイヤーが存在した。
こんな大きい物があって気づかないなんて…私、ちょっと間抜け過ぎるかも。
「えーと…サキさんが言うにはこの門に触れればいいんだよね?」
私は門に触れる。
触れると、私の身体が光輝く。
〈"始まりの街"が登録されました〉
……これで終わり?
何これ!! 簡単じゃん!! これでソシャールとの移動が簡単に……あれ?
……私、ソーシャルの転移門触れたっけ?
ん?
あれ? これやった?
(スプリングー、どうしたの?)
ベリアルがフヨフヨ飛びながら、私に聞いてくる。
「いや……ちょっと私のアホさ加減に嫌気がさしていたと言うか…」
私がそう言うと、
(んー? 何だかよく分からないけどスプリングはカッコいいよ!!)
ベリアルの笑顔が、私の心に突き刺さる。
「ベ、ベリアル!!」
「スプリング〜、苦しいよ〜」
「あの…幻想姫さんですか?」
そこで私はある人と出会う。
私に話しかけてきたのは、妙齢の女性がお淑やかに微笑み、此方を見ていた。
見たところタトゥーもないし…NPCかな?
「どうしたのかな?」
「これを貴方にって…」
渡されたのは、真っ白で綺麗な封筒。
「何? これ?」
「読めば分かるって言ってました。それじゃあ、失礼します」
女の子は礼をすると、人混みに消えて行った。
んー…誰から? わざわざ人伝いで手紙を渡すなんて…
私は封筒を開き、中に入っている紙を取り出す。
そこには、
『高台の丘で待ってます。ただのニート』
「はい?」
何故かニートから手紙を貰いました。
「面白い!」
「続きが気になる!」
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してくれたら私のやる気がupしますᕦ(ò_óˇ)ᕤ
皆様、お久しぶりでございます。本当に久々の更新です。あれから長い月日が経ち、まだ私の文は拙い様です(´;ω;`) でも、まだ読んで頂けている様で、とても嬉しいです。これからもゆっくりですが更新していきたいと思います。よろしくお願いします(/ _ ; )




