46.黒いソーマ
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「そんなにソーマが欲しい?」
私がそう大きく叫ぶと、黒霧の動きは止まる。
「貴方は誰なの?」
私が聞く。
「「「……僕は僕だ。」」」
…僕、ね。
((?))
2人は今のを聞いて戸惑ってる。
まぁ、それもそうか。
「90年前、ソシャールを襲ったのは何故?」
「「「あ、あいつを…! あの
「センを殺したかった?」
((え!?))
2人は驚きの声を挙げる。
「「「あいつが居なければ…お父さんもお母さんも!!」」」
周りの霧が黒霧の周りに集まり、霧が小さく纏まっていく。
そして霧が人間の子供程度の大きさになる。
そしてその子は叫んだ。
「「「死ななかったんだ!!」」」
そこには全身真っ黒の子供が存在した。
「ソーマ…。」
「「「僕が、なんであんな思いをしなくちゃ行けなかったんだ!!」」」
黒いソーマは叫ぶと此方に突進してくる。
私は【影魔術】でそれをガードするが、その突進は影を破ってくる。
クソッ!!
私は横に転がる様に避けるが、突進は私の足に少しだけかする。
体力: 9/10
私の大事な体力が減ってしまった…。
私の【影魔術】で防げなかったら防げる手は…。
(スプリング!)
ベリアルが私の前で三叉槍を構えて黒いソーマの様子を伺う。
すると何かに苦しんでいる様に頭を抱えている。
今のうちに、【浮遊】!! 今なら黒い霧はない!
私はベリアルと一緒に空高く飛び上がる。
そして【光魔術】を背後に発動させる。
すると私の影は地面まで届いた。
よし! 【影魔術】発動!!
私が【影魔術】を発動させ、攻撃を加えると、黒いソーマはさっきまで苦しんでいた姿が嘘だった様に素早く避け、私の元まで飛び上がった。
やばっ!?
そして私の顔を殴ろうと振りかぶる。
(危ない!!)
とベリアルが私と黒いソーマとの間に、三叉槍を十字に構えて入る。
拳がベリアルの三叉槍にぶち当たる。ベリアルは弾丸の様に地面に叩き落とされる。
「ベリアル!!」
黒いソーマは、次はお前だと言わんばかりに私を殴ろうとする。
私は【影操】を発動させ、多くの影の盾を私の前に重ねた。
これでどうにか…!
拳は私の影の盾をドンドン破り、最後の盾にヒビを入れて止まった。
あ、危なかった。
1つでも盾が足りなかったら1発で死んでた。
私はそこから距離を取る。
私は黒いソーマを警戒しながらも、ベリアルが落ちた方向に目を向ける。
(クッ…。)
生きてる! けど動くのは厳しそう。
ソーマは自分の姿があまりに衝撃的だったのか、固まっている。
もし私が自分の姿で襲い掛かれてたら、ソーマと同じように呆然とするだろう。
子供のソーマなら尚更だ。仕方ない。
これからは私だけの戦闘!!
私は【浮遊】を解除して、地面に当たる直前でまた【浮遊】を発動させる。
空は私の素早さじゃ攻撃を避けられない。
体力10の私からしたら、攻撃が掠るだけでも大ダメージ。
それなら少しでも障害物がある、地上で勝負!
ここなら【影魔術】で緊急回避も出来るし。
ドンッ
黒いソーマが地上へ降りてくる。
「「「僕はアイツが憎い…。」」」
「「「何で今のアイツだけが幸せに…。」」」
「「「僕だけ…」」」
黒いソーマが拳を握りしめる。
「ソーマ…もうセンは死んだんだよ? もう貴方の復讐する相手はいないよ。」
「「「うるさい!! 僕は僕を殺す!!」」」
すると黒いソーマは呆然としているソーマに向かう。
「ソーマ!!」
私がソーマに叫ぶと、ビクッと反応するがそれは遅かった。黒いソーマがあと数センチでソーマに届く、その時、
「今回だけだよ。」
そんな声が響くと、ソーマが影に飲み込まれた。
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