42.王城
誤字脱字ありましたら、教えてください。よろしくお願いします!
そ、そんな事真正面から言われると照れるなぁ。でもウチの子のお陰でもあるからね! そこ勘違いしないでよ!
それにしても、ベリアルがまさかそんなに凄い種族に進化したなんて…!
可愛い上に凄い種族なんて、流石ウチの子!!
「あ! その『無力』っていう人はどんなパートナーの子と一緒くたなんですか?」
このゲーム最強って言うぐらいだから竜とかかな?
「あぁ。『無力』のパートナーか。それは見た時のお楽しみにしといた方がいいと思うぞ…。」
「え! 何でですか!?」
「アイツのは皆んな目を見開くからな。」
男は楽しそうに笑って肩をすくめた。
「俺の名前は"ソースケ"、こいつが犬の"ゼブラ"だ。また会ったらよろしくな。『幻想姫』のスプリング。」
ソースケさんとゼブラはそう言って、ソシャールへ入っていた。
犬なのにゼブラって…なんかゲーマーっぽいなぁ、名前の付け方が。
って、なんで私の名前知ってるの。もしかして私の名前拡散されてます?
「スプリングー!! いつまでそこにいるのよ!! 早く理由を探さないと!!」
サキさんが大声で叫びながら、此方に向かってくる。周りに何十人もの人を連れて…。
「何でそんなに強いの!?」
「その子はなんて名前なの!? 進化して何故そこまで姿が変わったの!?」
「その浮いてる光みたいなのは何!? それは生物なの!?」
「あ、あの! 少し自分をふ、踏んでくれませんか? ハァ…ハァ…。」
「あの空を飛んでいたのは何なの!? スキルなのよね!?」
色々な言葉が飛び交っている。
皆、私の強さやスキル、ベリアルについても調べたいみたいだ。変なのも聞こえるけど…。
私は【影魔術】を蜘蛛の足の様に発動させて、サキさんを持ち上げる。
「「「「「あっ!!?」」」」」
ふっ。悪いな。私は人にチヤホヤされるのあまり好きじゃないんだよ。
私はソシャールに一目散に逃げた。
「スプリング、これからどうするの?」
「これからですかー。うーん。」
はっきり言えば何をすれば良いのか分からない。黒霧がソシャールを襲った理由…
私達が道で話していると、
「失礼します!」
「「え?」」
私達が振り向くとそこには兵士の格好をしている人がいた。
「貴方はスプリング様で間違いないでしょうか?」
「え、あ、はい。」
何この人…。兵士の格好をしてるって事は、そういう職業? いや、でもパートナーを連れていないって事はNPCか。
「この度は古の王都 ソシャールを助けていただきありがとうございます! お礼が言いたいと陛下がお呼びです。ぜひ王城まで来てもらいたく。」
兵士は膝を地に着け、言った。
「「え!? 王城!?」」
私達は声を大にして驚く。
〈「黒霧の逆襲」においての最大功績者が"スプリング"に選ばれました〉
〈王城に招待されました〉
…私が最大功績者ね。これが頭に響いたって事は王城で何かあるとみたよ、私は! ここは迷わずに!
「分かりました! お伺いします!!」
「ありがとうございます!! 陛下も喜びます!! ではご案内します! ついて来てください!」
「いや、でかっ!」
(でかい!!)
(凄いです…!!)
私に釣られる様に2人も驚きの声を挙げる。なんと言っても王城! 結構大きいんだろうなーと思っていたら、想像以上の大きさだった。私の実家軽く1000個とか入りそう…。
「では行きましょう。」
兵士が門を通り、私達もそれについて行く。
「では此処でお待ち下さい。」
兵士はそう言うと部屋から出て行く。
「凄い…。」
私は呟く。そこは普通の部屋とは比べ物にならない程に広く、高そうな物ばかり置いてあった。
うわっ、この花瓶とか割ったら弁償とか言われるんじゃない?
ベリアルとソーマは、ふぅ。案外大人しくしている。呆気に取られているね。遊んでたりしたら物壊してたかも…。
私がそんな事を考えていると、
「あ、あのさ、私も来なくても良かったんじゃない?」
サキさんがカチコチになりながら、声を挙げる。
「いやいや、そんな事無いですよ。サキさんはあの戦闘で大活躍だったですよ! 私の名前をあんな大声で言いふらしていたじゃないですか!!」
私は笑顔で言う。
「あ、あれ? もしかしてスプリング怒ってる?」
「怒ってませんよー?」
「で、でもずっと笑顔だし…いや目は笑ってないけど。」
「一緒に王様と会いましょうね?」
「い、嫌だ!! 王様と会って不敬だ! とか言われて、身ぐるみ全部没収とかなったらどうするの!?」
サキさんは捲し立てる様にそう言うと、近くのソファに座る。
「ふふっ。ま、まぁいいわ。今のうちにこのソファの感触を確かめておかないと…」
…やり過ぎちゃったかもしれない。もうサキさんソファの上で体育座りしてるよ、どんだけ落ち込んでるの。
コンコンッ
「失礼します。お待たせしました。謁見の準備が整いましたのでついて来てください。」
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