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40.初心者

誤字脱字ありましたら教えてください。よろしくお願いします!

 こんな事があっていいのか…。



「ギャア!!」

「ガッ!!」

「ウッ!!」



 魔物がドンドンと減っていく…。

 俺達は何もしてないんだぞ…。



「あ、悪魔…」

 男がそう呟いた。



「お、おい!! 俺達を助けてくれた奴に向かっ

「ハハハハハッ!!」



 空高くから響く少女の高い声は、弁解させようとした男を含め、そこに居る者を全員震え上がらせた。



「ぁ……」

 男は言葉が出なくなった。そのあまりに信じられない光景に。



 少女が操る影は、触手…いや、鋭い鎌の様だった。それはいとも容易く魔物達の首を刈って行く。

 爛々とした表情で魔物の首を刈って行く少女。

 その光景を見た者達、全員が思った。



 "俺達が下手に近づくと殺される"と。



 その考えは案外当たっていたのかもしれない。少女が操る影の鎌は本気なのか、わざとなのか…地面や木、王都の壁までも少しだが傷をつけていた。



「キヒヒッ!!」

 俺達が少女1人で惨劇を続けている姿を見ていると、少女のパートナーであろう悪魔の様な姿をしている奴が声を上げる。



 するとそのパートナーは少女の下まで行くと、背中に飛びつく。



「キヒッ!!!」

 それが不気味に大きく笑った。



 すると少女の攻撃が止み、光が消える。

 やっとあの攻撃が終わった。魔物や俺達はそう思った。

 魔物達は少女や俺達に攻撃を加えようと接近する。






 しかし、さっきまでの攻撃は序章に過ぎなかったと…数秒後、悟った。



 俺達や少女に、攻撃が当たる瞬間…




 辺りが暗くなる。

 それはソシャールの上空を包むまでの特大な暗闇。

 周囲も何事だとざわついている。



「キヒヒ…。」

「ありがとう、ベリアル。」

 少女が何か話している。



「何をする気なんだ…」



「【影魔術】発動!」



 上空から先程とは比べ物にならない量の、鎌が魔物達を襲う。




 少女は【影魔術】…確かにそう言った。もしかして今までの攻撃は【影魔術】だったのか?

【影魔術】は不遇職である幻術師のスキルだったはず…



「あの子は幻術師なのか…?」

 俺がそう言うと、周りから



「そんなわけねーだろ…」

「幻術師なんて…幻術を使えないクソ職業…だよな?」

「…そのはずだ…。」

 と皆、あの子が何の職業か気になっているみたいだ。



「スプリング!!」

 と街から女が出てくる。



「アンタ…アイツと知り合いか…?」

 俺が聞くと、



「……はぁ。そうよ。」

 あの少女を見た後大きな溜息を吐き、肯定する。



「じゃあ説明しろよ! アイツが何処の誰かをよ!!」

「そうだ! そうだ!!」

「何であんなに化け物じみてるんだよ!!」

「あれは死神だ…そうに決まってる…」

「…もう夢に出てきそうよ…。」

 皆、口々に思った事を言う。

 女はもう1度大きな溜息を吐くと、言った。



「あの子はスプリング…掲示板で有名な『幻想姫』。まだ始めてから1週間の…初心者だよ。」






「ベリアル! どうなってるのこれ!?」

 私は下で起こっている現状を見ながら言う。



(これはね〜「領域拡張」っていう【闇魔術】だよ! 領域をシテイ?して拡張するの!!)

 ベリアルは私の背中で自慢してくる様に言ってくる。


 鼻息がフンスフンスいってるよ、ベリアル。もっとして良いからね。



(凄いです!! どうなってるんですか!?)

 ソーマが来た。


「ベリアルの【闇魔術】の効果だよ〜。」

 私がそう言うと、ベリアルはソーマに自慢している。私の背中で自慢しているベリアル、純粋な心なソーマ。ごちそうさまです。




「ガッ!」



 ん? 最後の魔物が倒れたみたい。そろそろ降りるか。

 私はプレイヤーが集まっている周辺に降り立つ。



 …なんか凄い見られてるんですけど…。もしかして要らないって言ったの怒ってたり…? ありうる…こんな小さい子に言われたら怒る人も居るかも…。



「スプリング。」

 プレイヤー達の間をすり抜けてやって来たのは



「サキさん!」


「フォッグの街の場所聞いてたら遅くなっちゃった、ごめんね。」

 とサキさんは謝ってくる。



「気にしないでください! 私も試したい事が出来たのでいい経験になりました!」


「い、いい経験って…」

 サキさんはそう言うと辺りを見回す。


 そこにはあちこちに魔物の首が転がっていた。



「……いや、ちょっと余りにも簡単に倒れていくもんだから…つい…テヘッ!」

 私は舌を出す。



「は、はぅわ!」

「ぐっ…!!」

「な、なんでだ? さっきまではあんなに…」

「…悪くないかもしれない…!!」



 サキさんを筆頭に、そこにいる人達は跪く。心配して近づくと、近づくな!! と怒鳴られたので、私は遠くから見守る。



 流石に舌を出すのは…気持ち悪かったかな…。そりゃそうだよね。私中身はアラサー29歳だもんね…。




『黒霧の一部分の消滅を確認しました』

『フェイズ2へ移行します』

『黒霧が王都 ソシャールへ襲いかかった理由を探し出して下さい』




 …やっぱりさっきの魔物達は黒霧に操られてたんだ…。

 私は頭の中に響く声に、1人納得する。



 次は…理由? それはソーマが此処に居たから? いや…イベントがそんな私を中心に動く訳ないか…。






 〈経験値が上昇しました〉


 〈スプリングのレベルが上昇しました。30ステータスポイントを獲得しました〉

 〈スプリングの【魔術制御】がLv5に達した為、派生スキル【魔力操作】を贈呈します〉


 〈ベリアルのレベルが上昇しました。60ステータスポイントを獲得しました〉

 〈ベリアルのレベルが最大に達しました〉

 〈条件を満たしました〉

 〈進化を開始します〉


 〈ソーマのレベルが上昇しました。40ステータスポイントを獲得しました〉

 〈ソーマの【誘引】がLv5に達した為、派生スキル【吸引】を贈呈します〉



 ん? 今、何かすごい事を聞いた様な?



(おー?)


「どうしたのベリアル?」

 私はベリアルの方を振り返る。そこには黒い卵が存在した。

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