表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/58

14.強くなる為に

早めの更新です。

「…見たことのない天井だ。」

 私はあの大男にやられて、恐らくは体力が0になった。そして起きた場所は、私の知らない天井だった。

 ベリアルもいるんだ…。

 私は視線を動かし、ベリアさんがいる事を知る。


 ベリアルが私に気づく。

(スプリング〜。大丈夫?)

 ベリアルが眉を八の字にしながら聞いてくる。



 あまりの可愛さに抱きつこうと思ったが、心配してくれているベリアルに嫌われたくないので、私は大人の対応を心掛けた。


「はぁ…はぁ…大丈夫だよ? ベリアル?」

 …やばい。なんかすごい変態みたいになってしまった。



(よかったー。安心!)

 ベリアルがピシッとヘンテコなポーズをとる。



 …可愛い。

 私がベリアルを見て癒やさせていると、周りが見た事のある建物という事に気づいた。


「あれ? もしかしてここって、ロザンさんに会った教会?」

 此処は、私がこの世界に初めて訪れた場所であった。



 死んじゃったら此処に出るんだ。その他に死んだら…装備とかは…まぁ譲渡不可だから大丈夫か。…げっ! お金が減ってる! 1670ギル…折角初依頼を成功させて増やしたばっかなのに!!



(スプリング? どうしたの? )



「ごめん、ベリアル。私があの人に倒されちゃって、またお金減っちゃった。」

 私がベリアルに謝ると



(ううん! 気にしないで! )



「でも…。」




(俺、スプリングにあんな事言われて嬉しかった!)

 ベリアルは満面の笑みを浮かべながら言う。



 な、なんて良い子なの!! この子は!!

 私は目頭を熱くしながらも、ベリアルの頭を撫でる。


 ベリアルは気持ち良さそうに目を細めて、私の手に擦り寄る。

 なんだこの生き物、可愛すぎだろ。


 私はベリアルの頭を撫で終わると、教会から出る。



「ふぅ。」

 私達は教会から出ると近くのベンチに座り、一息ついた。




「ベリアル、これからどうする?」

 私は情けなくも、ベリアルに今後の方針を委ねた。


(スプリングはもっと強いのに、今は強くない! もっと強くなる!)

 ベリアルは両手を上げ、言う。



「もっと強いのに? どういう事?」


(スプリングは力使えきれてない! 俺もいる!2人で協力する! もっと強くなる!)

 ベリアルは今までないくらいに、情熱的に私に迫る。



 力を使えきれてない…か…。ベリアルもいる…。確かにスライムと戦った時も、あれだと協力したとは言えないかも。

 あれだとただ私が自分の身を守った後に、ベリアルに攻撃をベリアルに任せっきりにしちゃってたしね。



 私はもっと戦い方を学ぶ必要がある。




 そう考えた私は、ある所に向かった。






(スプリングー。また此処に来たの?)


「うん。」

 私達の周りが一瞬暗くなった。



「カァーッ!カァーッ!カァーッ!」

 カラスの様な鳴き声が聞こえてくる。


 そして、


 そこには1つの小さな民家が現れた。



(? なに?ここ?)

 ベリアルの頭の上に?マークが浮かぶ。



「前に私、ここで居なくなったでしょ? その時私は此処にいたの。」


 私は門をゆっくりと優しく開けると、そこにはソフィアさんがいた。



「スプリング。随分遅かったじゃないか。」

 ソフィアはそう言うと、私に近づく。



 パンッ!



 頭を叩かれた。今の攻撃で体力が1減った。

「ちょっとやめて下さい! 私体力が10しかないんですから! 」



「アンタ! 私がどれだけ待ってたと思うんだい! 来るのが遅いんだよ! 」

 ソフィアさんはそう言うと、私に怒る。



「なんでそんなに怒ってるんですか!そんなに日にち経ってないでしょ!」



「何を言ってんだ! もう2日も経ってるじゃないか! この時間があれば、ゾウでもお手玉できるようになるよ! 早く来な!」

 ソフィアさんはそう言うと、家に向かって歩いて行く。


 理不尽な事を言われたが、ついてく他ない。私達はソフィアさんの後を追って、家に入った。





 ソフィアさんは椅子に座り、ベリアルに視線を移す。


「その子は?」



「この子は私のパートナーのベリアルと言います。」


(よろしくね〜!)

 ベリアルが手を挙げて、ソフィアさんに挨拶をする。



「…そうかい。」

 ソフィアさんはそう言うと立ち上がり、ベリアルにテーブルの上に置いてあったお饅頭を差し出す。



(食べて良いの? ありがとう!)

 ベリアルは満面の笑みをソフィアさんに向けると、お饅頭を受け取った。



「この子は良い子みたいだねぇ。」

 ソフィアさんはベリアルに向かって優しく微笑んでいる。



 ソフィアさんってこんな顔出来たんだ…。いつも、しわくちゃに顔を顰めているのに…。私はそんな事を考えながらソフィアさん達を見る。



 すると、ソフィアさんが首だけを回転させて私の方を向く。

「何を見てんだい。」

 短くも怒気を含くんでいる言葉だった。



「す、すみません!」

 私は思わず背筋をピンっと伸ばす。

 ビ、ビックリした。まさかこんな怒ってくるとは…。



 ソフィアさんは、もう1度椅子に座り直す。



「で、アンタらは此処に何の用があって此処に来たんだい?」

 ソフィアさんは、改めて私に聞いてくる。



「私に光魔術を教えてください!」

 私がそう言うと、ソフィアさんはニヤリと笑う。



「ま、それしかないだろうねぇ。」

 ソフィアさんは、分かっていたかの様に即答した。

少しでも面白いと思ったら『ブックマーク』『評価』『感想』よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ