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12.物申す

日間が9位に!!(一瞬だけ)


とても嬉しいです( ✌︎'ω')✌︎

「誰?」

 私は川の方へ振り返る。


「嬢ちゃん、そっちには誰もいないぜ?」

 依頼主が答える。


 私はもう1度川に入る。


(ここです。)


 …やはり川から聞こえている。というか下から…?私は自分の視線を下に動かした。だがそこには石しか…。


(もう目とかめっちゃあってます。)

 謎の声は言う。



「んー、あ! もしかして貴方が私を呼んでた?」

 私はその子を持ち上げる。



 その子は

(はい。そうです。)

 と答えた。



「あなたは…しじみ…?」



(はい。この川を綺麗にして貰いありがとうございます。)

 しじみは殻をパクパクさせながら言う。



「あ、いえいえ。偶々依頼が来てたからやっただけだし。報酬もよかったから。」

 私は申し訳ないと思いながら、しじみに話す。



(よかったら、何かお礼をさせて頂きたいと思いまして…何かする事はないでしょうか?)



「お礼?」

 私はしじみを手に乗せながら、首を傾げる。


 ん〜。しじみからお礼って…何が出来るのかな。はっきり言って要らないな。

 私は悩む。



(なんでも言ってください。水のある所でしたら、お助けできます。)

 としじみは言った。



「へぇー!すごい! じゃあ水のある所で困ったりしたら、ここに来てあなたを連れていけば良いって事?」



(はい。お手数ですが。しかし、必ず役に立ってみせます。)

 しじみは自身満々に答える。



「わかった。じゃあ水のある所で困ったらまた来るよ。」



(分かりました。いつでも来てください。お待ちしております。)



 私はしじみを川の底に置く。



(すごーい!スプリング!しじみと話してた〜!)

 ベリアルが言う。



「そうか。嬢ちゃんは炎に認めらし子だったのか。通りですごい速さで川を綺麗にしてくれる訳だぜ。」

 依頼主は大声で笑った後、真面目な顔で言った。



「我ら、あらゆる生物と心通わせ生きる者。困難に立ち向かう際、他の生物の助けが必要になる。その為には、彼の者等へ認められる他ない。」



「? どういう意味ですか?」

 私が聞くと依頼主は、困った様な顔を見せた。



「それが分かんねぇんだ。俺の爺ちゃんから聞いた話だから、何十年も前の話だ。気にしないでくれ!」

 依頼主がまた大声で笑い、答える。



「嬢ちゃん! また何かあったら嬢ちゃんにお願いするぜ! そういえばまだ嬢ちゃんの名前聞いてなかったな。なんて言うんだ?」



「私はスプリングと言います。こっちはパートナーのベリアル。」


(よろしく!)



「そうか! 俺はジョン! ここら辺一帯の代表みたいなもんをやってる! 何か困った事があったら相談してくれ!」

 ジョンさんはそう言うと私達に手を振りながら帰っていった。



 私達は手を振り終わる。


「ふぅ。」



「生物の助け…彼の者等へ認められる…。」

 私は先程の言葉が気になり、1人ボーッとしてるいると、



(またボーッとしてるとお金取られちゃうよ!)

 とベリアルが私に話しかける。



「あ、ごめん。そうだね。せっかくお金貰ったのに。」

 私はギルドに依頼達成の報告をする為、足早にギルドに向かった。






 〜冒険者ギルド〜


 ギィ


 私達はギルドに入り、受付嬢の前にいる列へ並んだ。


 まだまだ順番が回ってくるのは後の様で、私は暇つぶしにベリアルのお腹をプニプにしていた。



「お、あんた珍しいパートナー連れてるな。」



 私は、前にいるオオカミを連れた大男に話しかけられた。



「そうですね。私以外にこういう子を見たことはないですね。」

 私が微笑みながらそう言う。


 すると



「は? お前、こういう子って! 此処はゲームの中だぞ? そんな子供みたいに扱う必要あるのか? 」

 大男は周りにも聞こえる様な声で言う。そのせいで私達は注目を浴びていた。



「このゲームをどうやってやるかは人それぞれだと思いますけど…?」



「おい、止めろよアレ。」

「嫌だよ、アイツの装備、もう次の街『古の王都ソシャール』のじゃねーか。」

 周りの人達が私達をチラチラ見ながら、何か喋っている。



「かー、これだからお子ちゃまは。ゲームは効率重視。パートナーとの親交も最低限でいいんだよ。そうすりゃあ、その時間をレベルを上げることに使える。先輩からのありがた〜い教えだ。覚えとけ。」

 大男が私の頭を撫でるように手を近づける。私はその手を振り払う。



「てめぇ…。どう言うつもりだ?」



「効率重視?…そんなのRPGでも1人でやってろ。自分の考えを人に押し付けんな。そういう奴がいるから、仕事辞めていく奴が減らないんだ! 課長みたいな事言うな!」

 私は、そう言って啖呵を切った。



「…何を言いたいんだ?」

 大男は私に訝しげに聞く。



「人にはそれぞれの考えがある! アンタがこのゲームで効率を重視したいってのを否定するつもりはない! だけど! こんな人前でパートナーとの親交は最低限で良いとか言うな! ウチのベリアルが心配しちゃうでしょうが!!」


 ベリアルは、私の方を見て目を潤ませていた。

 それはまるで、俺と遊ぶのやめるの?と言わんばかり!



「何言ってんだか。もういい。死ねよ。」

 大男が拳を振りかぶる。



 その拳は虚しく私の顔面に当たった。

 私は一撃でポリゴンとなり、初めてこのゲームで死を経験した。


 プレイヤーキルというまさかの死に方で。

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