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9.ギルド

今日も日刊にのりました!ありがとうございます!

ついでに週別ジャンル別にものりました!ありがとうございます!


皆さんに読んで頂けるよう、これからも頑張りますので、どうかよろしくお願いします(#^.^#)

「はぁ〜、美味しかったね。ベリアル。」


(うん。美味しかった。大満足。)

 ベリアルはテーブルの上に仰向けに寝っ転がっていた。ぽっこりと出たお腹は美しい曲線を描いてた。


 ふふっ。可愛い。


 デレッ


 おっと。

 流石にこんな店の中でデレデレしたらあまりの顔に、出禁になってしまうかもしれない。私は自分の両頬を抑える。


 よし、外に出てデレデレすると決めた私はお会計を済ませる。




 はずだった。




 あれ?


 ……嘘でしょ?



 3ギル



 おかしいな。ゲームの中でも目っておかしくなるのか。目を強く瞑り、もう1度よく見る。


 3ギル


 もしかして幻術かな…?私が下を向いて、モジモジしてるとサキさんが話しかけてくる。

「スプリング?そんな可愛くモ…ゴホンッ。何してんの?」


「じ、実は…」

 私は事情を話す。


「え、お金ないのにご飯食べちゃったの!?」

 サキさんは大声で叫ぶ。


「こ、声が大きいです!」

 周りからチラチラと視線を感じる。


「本当はもっとあった筈なんですけど…。」

 私は下を向く。



「ふーん…。もしかして今日、誰かとぶつからなかった?」

 サキさんは目を細めて言う。


「え…あ、そういえばここに来る途中に、男の人に。」


「なるほどね…。」

 サキさんは天井を見上げて、顔を手で覆う。


「どうしたんですか?」


「それは盗賊の仕業だね。」


「盗賊?」

 私は首をかかげる。


「職業でそういうのがあるんだよ。人から物を盗んだりする事で戦闘をしなくても、経験値を貰える奴等が。」

 サキさんは大きな溜息を吐く。



「そうだったんだ…これから気をつけないと…。」やっぱり何も分からないってのは、それだけで差がつくんだ。


「まぁ、今回は最初だったんでしょ?あれは皆んな通る道だからね。その時に気づいて衛兵に知らせれば、牢屋に入れる事もできるし。気にしない方がいいよ。」


「牢屋って?」


「街で相手に攻撃用のスキルを使ってる所を、衛兵に見られたりでもしたらすぐに牢屋行き。つまりこのゲームに1日はログイン出来なくなるのよ。」


「」



「はい…。でもここの食事代…。」



「今回は私が奢っとくよ。」

 サキさんは袋からお金を取り出す。


「え!! 悪いですよ!!」

 私はアタフタと手を動かせる。


「ぐっ…いいの。あのその代わりお願いがあるんだけどいい?」

 サキさんは、また胸辺りを抑えて言う。


「はい! 私が出来る事ならなんでも!!」


「な、なんでも……!?」

 サキさんはそう言うと数十秒考えた結果、


「じゃ、じゃあ私とスクショを撮ってくれるてのは?」

 サキさんは頭を抱えて言う。


「そんなのでいいんですか!? 全然良いですよ!」


「あの、このスクショ、掲示板とかに乗せてもいい?」


「全然いいですよ! ご馳走様でした!!」



 何枚か写真を撮って、私は店から出た。



「ん〜! 良い人もいるんだなぁ!」

 私は良い気分でお店から出た。



「じゃあ、サキさんの言われた通り冒険者ギルドに行ってみようかな!」

 私は冒険者ギルドの場所を人に聞きながら、向かった。




「や、やっと着いた。」

 人に聞いてみた所、10分ぐらいで着くという話が、私は30分もかかってしまった。やはりこれも私の敏捷が低いせい…。





〜冒険者ギルド〜



 ギィ


 私が西部劇に出てくるような扉を開けると、そこには、


「かんぱーい!」

「おい! その肉俺のだろうが!!」

「関係ねーよ! 早いもん勝ちだ!」


 などといった賑やかな声とムワッとした空気が流れ込んできた。冒険者ギルドは酒場も一緒に経営しているようで、とても賑やかな雰囲気であった。



(おぉー!! すごい! なんか熱い!!)

 ベリアルはギルドと酒場の雰囲気に呑まれ、変な事を言っていた。そんなベリアルも可愛い。


 私はそれを横目に、私は冒険者ギルドのカウンターらしき所まで行く。

 カウンターは人が多くおり、長蛇の列ができていた。


 私は端っこに誰も並んでいないカウンターを見つけて、そこに向かった。


 そこにはローブを深く被った女性がいた。

「あの〜、すみません。」


「………。」

 女性は私の声に反応する事なく、本を読み続けている。


「…あの!すみません!」

 私が声を少し大きくすると、女性がピクッと反応して前を向く。


 女性は綺麗な顔立ちをしていた。黒髪ロングに翡翠色の目。薄い唇に華奢な身体。私は何でこのカウンターに人が集まらないのか分からなかった。


「…私に用?」

 小さな声で彼女は聞いてきた。


「はい!そうです!」

 私が元気に返事をすると、彼女は少し目を見開いて数瞬動きを止める。


「そうですか…。どんなご用件でしょうか?」

 彼女はまたもや小さな声で聞いてくる。


「登録をしたいんですけど、大丈夫ですか?」


「冒険者登録…ではこの紙に必要事項を書いて。名前、職業だけで構わない。」

 彼女は、カウンターの下から紙とペンを取り出すと、私の前に置いた。


 私は日本語で良いのかなと思いながら書く。


「…はい。確認しました。スプリング様。職業は…幻術師…。」


「やっぱり…。」

 小声で何か言う。


「あの…?」

 私が首をかかげていると、


「これが冒険証。無くしたら再発行に10000ギルかかるから気をつけて。」

 彼女は木のカードの様な物を出す。そこを見ると、私の名前に職業が書いてあった。


「ランクは最初はFランクになる。ランクは上からS A B C D E F となってる。ランクが高くなる事でランクの高い依頼受けれる。ランクが高くなれば、それだけ身分の高い人と面識を持てる。高い報酬が得られる。依頼のランクは自分のランク以下の物しか受けれない。依頼はあそこの壁に貼ってある。依頼を受けたいなら、依頼の壁から紙を取ってきて受付に渡せばいい。それは私の所に持ってこないで。以上。」

 彼女が一息にそう言うと、スンとした顔になった。


「あと、」



 私の腰にある『混迷の幻惑書』を指差すと



「それは大事にして。」


「は、はい。大事にします。」

 私が答えると彼女は頷いて、また本を読み始めた。



「えーと…あの…。」


「………。」

 私が話しかけても返事がない。本に夢中になっている。



「…まぁ、いいか。」


 私はそこから離れて、依頼が貼ってある壁に向かった。

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