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第46話

 遅くなって申し訳ありません。

 多少グロシーンが出てきます苦手の方はご注意下さい。

 色々あって急いで書いた為、多少書き直したい所がありますが、取り敢えずオチに持って行けたと思います。

“ドサッ!”


「ゴハッ!」


 背中から左胸辺りを刀で貫かれた金藤は、右手で傷口を押さえながらうつ伏せに倒れ、口から血を吐いた。


「て、めぇ……、なん、で……?」


 倒れた金藤は、トマスが裏切る理由が分からず問いかけた。


「即死じゃないとはさすがSSS(トリプル)ですね……」


 トマスは、急所を刺したにも関わらず、生きている金藤に呆れたように話した。


「おっと、回復されたら困るので魔法の袋は預かっておきますね。」


 そう言ってトマスは、金藤の腰に付いていた魔法の袋を取り上げた。


「てめえ!! トマスーーー!!」


 離れていたところで休んでいたダビドが、トマスに向かって飛びかかった。


“ドガッ!!”


 しかし、殴りかかったダビドに、カウンターでトマスの蹴りが顔面に振り抜かれた。


“ドサッ!!”


 蹴りを喰らったダビドは、魔力枯渇で気を失っている清とアルベルトの側に吹き飛ばされた。


「弱っているお前程度、相手になりませんよ。金藤より先に死にますか?」


 トマスはダビドに、刀を持っていない左手の手のひらを向けた。


「やめ、ろ……」


 ダビドに向かって魔法を打とうとするトマスに、金藤が話しかけた。


「……そうですね。先ずは貴方ですね」


 そう言ってトマスは、魔法を打つのを止めて、足下に倒れている金藤に振り向いた。


「金藤様、死に逝く貴方に面白い事を教えてあげましょう」


 トマスは金藤の視線を、戦場に向かって来る第3陣に行くように指差した。


「……!?」


 最初は気付かなかった金藤だったが、次第に違和感に気付いた。


「気付きましたか?」


 違和感に気付いた金藤の顔が歪んだ事に、にやけながらトマスが問いかけた。


「なん、で……!?」


 第3陣は、北の大名の羽田が率いて来るはずなのだが、こちらに向かって来る土煙の集団は、明らかに予定よりも多く、とてつもない地響きを立てて近付いて来たいる。

 集団の先頭が、風で土煙が少しだけ消えた隙間、覗き見れた姿は人間ではなかった。


「ハハハハハッ!! 良い顔してますね!!」


 トマスは、集団の正体を見て驚愕の表情をする金藤を見て、嬉しそうに笑った。


「な、ぜ、魔物、が……!?」


 金藤が呟いた通り、向かって来る集団は魔物の集団だった。

 しかも大陸に於いて、討伐難易度が高い、Aランクの魔物の集団が向かって来ている。


「何あれ? 何で?」


 離れている為、トマスと金藤の話す声が少しだけ聞こえた京子も大量の強力魔物を見て、心が折れたのか呆然と立ち尽くした。







――――――――――――――――――――


「な、何だ!? 何で魔物が……!?」


「だ、第3陣はどうしたんだーーー!?」


「あ、あれほどの魔物が何で……!?」


 京子達とは離れた場所で戦う皇太子派、親王派の人々も魔物の集団に気付き、敵、味方関係無く慌てふためいていた。


「そんな……」


「どうして……?」


 戦姫隊の女性達も大量の強力な魔物に、項垂れたり、座り込んでしまうなど、様々な絶望の体勢になっていた。


「篤様……、京子……」


 戦姫隊副総長の美代も、他の隊員に指示を出すのを忘れ、呆然としていた。






――――――――――――――――――――


「第3陣はどうしたのか? 何故あれほどの魔物が向かって来るのか? 何故私が貴方を刺したのか? 教えてあげましょう」


 トマスはようやく、自身が行っている全ての事を話し出した。


「先ず、第3陣は来ません」


「な、に……?」


 トマスの発言を理解できず、金藤が呟いた。


「あっ! すいません、正確にはもうこの世にいません。あの魔物達の胃の中です」


 何でもないことのように、軽い口調でトマスは話した。


「羽、田、様は……?」


 金藤は大量の血が流れ、顔が青くなりつつも、後を任せた尊敬する羽田の事が気になった。


「ああっ! これね」


“ポイッ!”“ゴロゴロッ!”


 そう言ってトマスは、自分の魔法の袋から何かを取りだし、金藤の側に放り投げた。


「!? あっ、ああっ!!?」


 金藤はその投げられた物体を見て涙を流し始めた。


「ハハハハハッ!!!!! 泣き出してるよこの人、ハハハハハッ!!!!!」


 金藤がそうなる事が分かっていたトマスは予想通りの反応をする金藤を見て、腹を抱えて笑い出した。



 トマスが投げた物は羽田の首だった。



「ハハハハハッ!!!!! 羽田もあんた同様、後ろから一突きであの世行きだよ!!」


 トマスは羽田を殺した時の行動を、嬉しそうにジェスチャーをしながら話した。


「ぎ、ぎざまー!!」


 金藤はにらみ殺すような目でトマスを睨んだ。


「ハハハッ! あと、魔物が向かって来るのは俺の指示だよ。俺は、魔物を操る能力に長けていてね」


「貴様、魔族か!?」


 金藤に向かって、テンションがあがって大声で話していたトマスに、京子が話しかけた。


「……生憎、俺は普通の人間だよ。この能力のせいで俺は……、まっ、俺の事はいいか……」


 トマスは京子の問いかけに、どこか遠くを見るような目で答えた。


「最後に、あんたを刺した理由は簡単、計画の為だからだ」


「なん、だと……?」


 トマスの計画とは何なのか、金藤は理解できずにいた。


「脳筋のあんたに、分かりやすく教えてやるよ。前の天皇を殺したのは俺、それを親王の犯行に仕向けたのも俺、親王派の羽田が、あんたを呼び寄せる事を予想していた俺は、事前にあんたの仲間に入り、あんたの部下として裏でこの戦争を操った。あんたがこの最終決戦で、戦姫隊の京子と戦いたくなるように仕向けたのも俺、何故ならあんたらがぶつかれば、流石のあんたも、ただではすまないと思ったからだ。俺があんたとまともに殺り合ったら殺られる可能性が有ったからな。確実にあんたを殺せる機会を作ったって訳さ」


「……!!?」


 この戦争は、そもそもトマスによって引き起こされた事を知り、金藤と京子は驚きで声が出なかった。


「どうしてこの戦争を引き起こしたか……、それは俺が、あるお方にこの国を手に入れろ、と言われたからだ。」


「何、だと……!?」


 この戦争を引き起こしたのが、指示されたから、と言うそれだけの理由だと言うことに、京子は理解できず混乱してきた。


「俺は人間だが、その方は魔族だぞ」


「何!?」


 トマスが発言すればする程、金藤と京子は理解が追い付かず、ますます混乱した。


「まあ、他にも色々話したい所だけど、そろそろ全員死んでもらおうか?」


“ボッ!”


 そう言ってトマスは魔力を全身に纏った。


「放っといても死ぬ金藤は置いといて、先ずはお前だ……」


 トマスは標的である京子に刀を向けた。


「戦姫隊の京子……、いや、官林村の京子……」


 トマスは京子の2つ名を、何故か言い直した。


「……!?」


 京子は、何故今出身地の事を言われるのか、首を傾げた。


「ホセが世話になったな……」


「!!? 何故その名を!!?」


 昔、村に起こった大事件の犯人の名前が出てきたことに京子は驚いた。


「そんなに驚く事か? 俺と同様、ホセも先程話した魔族のお方の部下だったんだよ。折角、ホセを見いだし鍛え上げたのに、俺の苦労を潰しやがって……」


 トマスは京子に話ながら、ゆっくりと近付いて行った。


「腹いせに死ね!!」


“バッ!”


 話している途中から、段々と怒りの表情になってきたトマスは、一気に京子向かって飛びかかった。


「くっ!」


 愛用の武器は2つに折れ、魔力も枯渇寸前、体も傷だらけの京子は、為す術もなく立ち尽くした。


「ハーーー!!」


 トマスは大量の魔力を纏った刀で、京子に突きを放った。


“ドカーーーン!!!!!”


 トマスの突きが京子の喉に刺さる寸前、どこからか飛び出してきた影にトマスは蹴り飛ばされた。



「あっ……!? ああっ……!?」




 京子はトマスを蹴り飛ばした存在を見て、声が出ず自然と涙を流し始めた。




「ううっ……」




“ドサッ!”




 京子はポロポロと大量に涙を流し力が抜けたのか、両膝をついて座り込んだ。




 その存在は、京子がこの五年間忘れたことも無い姿をそのままに、2本の足で威風堂々と立っていた。




“くるっ”




 その存在は京子に振り返った。







































「ピピッ!」


 ネグロがどや顔をしていた。




「ネグロかーい!!!!!」と言ったツッコミが入った所で、次回に続きます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 話の構成もそうだけど こういう空白の使い方、本当に頭が悪いなって思う あと毎回冒頭の言い訳が気持ち悪い
[良い点] 話は面白いし展開も今のところ王道ですね。 [気になる点] 効果音、“ポイッ!”“ゴロゴロッ!”“くるっ”こういうのはせっかくの物語を陳腐にギャグっぽく思わせてしまってる様に思います、戦闘シ…
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