第22話
攻撃の威力が強すぎたのでちょっと修正しました。
「……なっ!!? 何なんださっきのは……!!?」
ネグロの攻撃に驚いたのは、ホセだけでなく田茂輔や龍之輔、虎之輔、さらに戦闘に加わった他の村人達も同じだった。
「良くやったぞネグ!」
俊輔は、大量の魔物を消し飛ばしたネグロの頭を撫でてあげた。
「ピー♪」
撫でられたネグロは、目を細め嬉しそうな鳴き声をあげた。
「まだ数が多いな。とりあえず俺が好き勝手にやるから取りこぼしはネグ、頼むな?」
「ピー!」
俊輔の頼みに、ネグロは「任せて!」と言った感じの声を出した。
「それじゃあ行くぞ、せーの!」
魔闘術を纏った左手の小太刀の木刀を頭上に振り上げ、それを一気に魔物の群れの地面に向かって降り下ろした。
“ズガーーーーーン!!!!!”
ただそれだけで俊輔を中心とした半径10メートルの地面と一緒に魔物が消し飛びクレーターができる。
「もう一丁!!」
そう言って今度は右手の太刀の木刀をさっきと同様に降り下ろした。
“スドーーーーーーン!!!!!!”
今度は半径15メートルのクレーターができる。
「フー、大分減ったな」
俊輔は周りを見渡し、一息ついた。
「…………………………」
何が起きているのか分からず、ただ無言で立ち尽くすホセ。
「残りは1/3位かな?」
ネグロの攻撃と、俊輔のたったの2振りの攻撃であっという間に残り1/3になった。
「面倒くさいな……」
“ズズズッ……”
一言呟いた後、俊輔が纏った魔力がさらに膨らんだ。
「とうっ!」
俊輔は軽い口調と共に飛び上がる。
「んー、とりゃーーー!!!」
俊輔は魔力を両手の木刀に集め、その魔力を斬撃にして上空から振り落とした。
“ズゴゴーーーン!!!”
爆発と共に残った魔物が紙くずのように消し飛んだ。
「ピー!」
全部の攻撃の後にほんの少し残った魔物を、高速飛行で倒しまくったネグロが戻って来る。
「…………なっ!!?、何なんだお前らは……!!?」
全ての魔物を倒され、今までの余裕がなくなり、口調まで変わった言葉をホセが呟いた。
「何なんだって言われても……」
「何でガキの癖に2人も魔闘術が使えるんだ! それだけじゃない! 何で丸烏なんて弱小魔物が魔闘術を使えるんだ!?」
「口調が変わってるぞ。まぁそんな事より魔物を全部倒したんだから正体を教えろよ」
「そんな事だと……」
ホセの疑問を軽く無視して、俊輔はホセの正体を聞いた。
「鑑定魔術で見ると、どう考えても人じゃないだろ?、人というより何か魔物に近いというか、そんな感じに思えるんだけど?」
「……何なんだよ!? 何でこんなイカれたガキがこんなド田舎に居やがるんだよ!?」
度重なる不都合に、完全に今までのキャラが崩壊したホセは、愚痴をこぼした。
「イカれたとは失礼な……、いいから早く答えろよ!」
「うっせえー! テメーが言った通り俺は魔物だよ! ただの魔物じゃなくて進化した魔物、俺達は魔族と言っているけどな!!」
「うわー、何キレてんだよ。魔族だか何だかどうでもいいからかかって来いよ」
“ぶちっ!”
俊輔の舐めきった態度に、ホセの怒りは頂点に達し何かが切れた。
「ガキが……、殺す」
一言呟いた後、ホセの肉体が変化し始めた。




