第20話
遅くなって申し訳ありません。ちょっと体調を崩してしまい遅れてしまいました。
「……君は?」
いきなり現れた少年に、ホセは問いかけた。
「「俊輔!!」」
「俊ちゃん!!」
ホセの質問に答える前に龍之輔と虎之輔、そして京子が反応した。
「俊輔? そうか君は村の人の話では確か、出来損ないの三男坊ですか?」
「1度会っただろうが! ……それより、俺って村の人にそう言われてるの?」
ホセに言われた事に俊輔は、二人の兄と父を見た。
三人は気まずそうに頷いた。
俊輔はそれを見て、ガックリと肩を落とした。
しかし、すぐに怪我をしている父や村人達の事を思い、魔法の袋から幾つかの液体の入った瓶を取り出した。
「父ちゃん、これを皆に……」
そう言って田茂輔に瓶を投げた。
「なんだこれ?」
「俺が色々な薬草集めて作った回復薬、かなり不味いけどちょっとした傷くらいならすぐに治るから……」
そう言われ、田茂輔は試しに飲んでみた。
「マズッ!」
その言葉と同時に田茂輔の細かい傷と少しの体力が回復した。
「おおっ!」
「その回復薬、皆に飲ませてあげてよ」
「ああっ、分かった」
田茂輔の回復を見て、安心して俊輔はホセと対峙した。
「あんた、ついてるようでついてないな」
「何?」
「俺がいない時に村を襲ったのはついていたようだが、いつもは魔力使いまくってる時間だけど、今日はたまたまたいして魔力を使っていない所はついていないなって事だよ」
「んっ? なんの事ですか?」
「はっ!」
“ボウッ!”
「せいっ!」
俊輔は魔力を纏い魔物の群れに斬撃を飛ばした。
“ズドーーーン!!”
魔物の群れはその斬撃で1/5位吹き飛び、小さなクレーターが出来ていた。
「…………えっ?」
「「「…………!!」」」
あまりの出来事にホセは理解できない顔をし、田茂輔と兄二人も口を半開きにして固まっていた。
「……なっ、何なんだ、貴様何をしやがった!?」
「何って?、べつにただ斬撃を飛ばしただけだよ」
「……………………」
ホセは、俊輔の言葉に顔を青くして呆然とした。
そのホセに俊輔は1つの質問をした。
「ところで……、あんた本当に人間なのか?」




