第13話
遅くなってしまいました。すいませんでした。
読み直した結果ちょっと最後の部分を消去しました。
官林村周辺の森
「フー、どうやら思っていた通りこの森は使えますね」
黒ずくめの男は誰も居ない森の中で独り言を呟いていた。
「さぁて、そろそろ始めるとしますか」
そう言って黒ずくめの男は森から村に向かって歩き出した。
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「いやー、皆さんすいませんでした」
黒ずくめの男は村の集会所の座敷に座って、村長や俺の父である田茂輔と龍之輔、虎之輔の兄二人等村の腕自慢の男達に囲まれて謝罪をしていた。
男はホセと名乗り、大陸から日向の国の魔物の分布調査をしに来た学者だそうだ。
「調査に熱中すると周りの事が気にならなくなってしまうもので……」
どうやら森の周りで村の人に見られていた事に気が付かなかったらしい。
「この格好で知らない人間が彷徨いていたらそりゃ怪しく思いますよね? 本当、すいませんでした」
「いやいや、この村は大陸の人が来る事は滅多に無いものじゃから、ちょっと過敏になってしまったのじゃ、こちらも少々すまんかったの」
「まぁそう言ったわけで、これから少しの間この村に滞在させて頂けないですかね?」
まだ調査する為にこの村に滞在したいそうだ。
「あぁ、じゃったら、この集会所かわしの家に来たらええ」
「……申し訳ないのですが、調査に時間が不規則ですのでもし良かったらこの集会所を使わせてもらっていいですか?」
「おぉ、構わんぞい。ここなら布団や調理場もあるから好きに使って良いぞい」
このようなやり取りがあり、黒ずくめの男ホセが村に滞在する事が決まったと父や兄達から夕食の時、俺は教えてもらった。
「へー、大陸の人が来るなんて久しぶりだね」
ホセの事を知らされ俺はペドロ達の時同様色々話を聞きに行こうと思っていた。
「俊輔お前、前の時みたいにくっついて行こうと思ってるだろう?」
思っていた事が顔に出ていたのか龍兄から鋭い指摘をされた。
「えっ? 別に思ってないよ」
俺はとっさにそう言ったら、
「嘘つけ、おもいっきり目が泳いでるぞ」
今度は虎兄に突っ込まれた。
「俊輔、今回は魔物の調査をするらしいから危険な目に遭う可能性がある、話を聞くだけにしてついていったりするなよ!」
最後には父ちゃんにまで釘を刺されてしまった。
翌日俺は朝、家の農作業を手伝ってからホセに会うため集会所に向かった。
「こんにちわ、初めましてホセと言います。よろしくね」
会ってすぐにホセは挨拶をしてきた。
「初めまして、田茂輔の三男の俊輔です。よろしくお願いします」
俺も挨拶を返し何日くらい滞在するのか等、簡単な質問をして答えてもらった後、すぐに家に帰って来た。




