第85話 ファールディアの人類史を継承しました! +10000pt
「工事もちょうど休みの期間じゃな」
「そうなるね。資材が完成しないことには、先に進めない。一応店舗用の家屋をたくさん設置して、出店希望者を募ってるから、その間に通路の観光地化を進めてはいる」
「ミアン、お前本当にできる奴じゃのう……」
「いやあ、以前はダメダメだったんだけど、こっちに来たら不思議とやれることがどんどんできてしまって」
ポイントプログラムの後押しのおかげかも知れない。
ついに子供までできてしまうし!
いや、子供はまだ全然実感がない。
マキナのお腹の中で、今後子供になりますよっていう受精卵みたいなのがあるわけだけど。
なお、あれ以来マキナは勉強と一人練習で身につけた成果を試したいらしく、毎晩大変だ……!!
ついに女性上位を覚え始めた。
搾り取られる~。
そして今夜はついにデリアの番が来るそうで、俺は大変緊張している……。
マキナとしてはもう子供ができてしまったので、デリアが俺とするのも気にならないんだそうだ。
「そうですねえ、男女が一組になるのは、殿方が子育てに使える力が限られているからじゃないですか。でもミアンは一度にたくさんの力を使えるし、限りがないでしょう?」
「そう言われるとそう」
現在、俺達はヨルカのいた地下のデータベースへ向かっている。
デリアは騎士団で仕事なので、俺とマキナとヨルカの三人なのだ。
「ミアンの甲斐性は私と子供を養ってなおたーっぷり余っているので、デリアがちょっとくらい使ってもいいんです。それに、子供はたくさんいる方が楽しいでしょう? ミアン村を作っちゃいましょう!」
「な、何人作る気なんだ~!」
「そのうちクリカも来るでしょうし、ヨルカとも子供を作るでしょう? 後は……アイラとか呼んじゃいましょうよ!」
「わしも入ってるの!?」
「マキナの野望が留まるところを知らない!」
『ウグワーッ! 遠大な計画を立てました! 実績・おいでよ!ミアン村、解除! 1500pt獲得!』
「いやあどうかなあ! そんなにしていいのかなあ! というか実績名がゲームみたいだなあ!」
それに子孫が多すぎると色々問題がなくない?
大丈夫?
いや、俺の今のリソース量だと全然大丈夫か……。
というところで、商業地区を抜けたちょっと寂れた場所に到着。
ここから先は建物も古く、一旦取り壊して街を再構築しようという対象になっている区域。
ケスタイン王国に、治安の悪い地域は存在しないからね。
マフィア化した移民が占拠する、放棄地区くらいのものだ。
ポイントを使って住民の民度をコントロールし、労働に駆り立てるこの国のシステムは本当に凄い。
完全にディストピアではあるけどね。
「おう、ここじゃここじゃ」
「見たことがある建物だ……」
「ここに触ったら、私とミアンで地下に移動しちゃったんですよね」
「うむ、これは建物の一部に見えるが、実はここにはゲートがあるんじゃ。それが建材っぽく見える立体映像を被せて認識を阻害しておる」
「なーるほど」
壁に触れたら、俺達は一瞬でワープした。
ワープと言うか、空間を捻じ曲げて繋げてあるんだそうで。
「この機能は眠っておったのじゃが、ミアンがこれに触れたことで活性化したのじゃろうな。なお、機能維持のためのエネルギーがそろそろ尽きかけておる。故に今日、お前をここに呼んだのじゃ」
「なるほどなるほど」
「さあ、ミアンよ!」
ヨルカが大きく両手を広げた。
「このデータベースの全てを、お前のものにしてしまうのじゃ!」
「言い方ぁ! まあ、これを管理できる環境は俺にしか用意できないんだけど……。お買い物サービスを利用! ケスタイン王国地下のデータベースを収容できるサーバーは売ってる?」
『はい、こちらでーす!』
「容量別で値段も変わってる……。どれがいいかな……。この一番安いやつでも全部収容できるの?」
『データベース容量を計算した上で、可能なものだけピックアップしています。この一番安いのはちょっとだけデータがバグります』
「いかーん! じゃあお値段がそれなりのにしておこうか……」
30000ptくらいのサーバーを買った。
テラフォーミングマシン・ミニよりも高いんだなこれ。
だが、それだけの値段がする価値はあった。
サーバーは透明な筒に包まれた、黒と銀色のシリンダーみたいに見える。
大きさは俺がどうにか抱えられるくらい。
それがブオーンと唸りだす。
設置されたサーバーが緑に光り輝き、データベースにある人類の記録をどんどん学習していく。
「うおーっ、わしが守り続けてきた人類の記録が……! 愚かさも賢さも、何もかもがサーバーの中に入っていく……。まあ、こっちの記録が消えたわけではなく、学習されているだけじゃがな。じゃが、いつかこの施設は崩れ去る。今の人類が過去の技術を再現できぬ以上、これらの記録は消え去るのみじゃ」
ヨルカが寂しげなのだった。
このデータベースは安全ではなく、今まで幾度かあった災害竜ナマズの地震なんかで被害を受けているんだそうだ。
奥のデータベースは崩落に巻き込まれ、そこにあった記録ごと永遠に消滅している。
「だけどヨルカ、俺が記録しても、俺の寿命が来たらなくなっちゃわない?」
「そうじゃのう……。おっ、そういうことか! わしがお前と子を成せば、その子がサーバーを継承する役割を得ることができる。いや、アバターが人の子を産めるのかは分からんが……」
『産めまあす!! そういうサービスを用意してありまあす!!』
いきなりチャットボットが元気になったぞ!!
もうなんでもありではないか。
サーバーが機能する光景をぼーっと眺めていたマキナは、事情を理解したようでニコニコした。
「いいじゃないですか。みんな次の世代に懸ける望みとか願いがあるんですよ。だから、ヨルカも子孫繁栄しちゃいましょう!」
「そうかあ……そうじゃなあ……。そうするか! あ、ちなみにミアン! この間のサイズはあれ無理じゃからな! 小さくしてくれ」
「あっはい。俺の忙しさが天元突破していくぞ……!!」
『ウグワーッ! ファールディアの人類史を継承しました! 実績・受け継ぐもの、解除! 10000pt獲得!』
もうサーバーに使った分の三分の一戻ってきたぞ。
◎現在のポイント:113420pt(前の話との間で色々ポイントも得ている)
貢献ポイント :155855ポイント(使用したポイントの戻しと報酬)
お読みいただきありがとうございます。
面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。




