第84話 一発必中! +10000pt
「第二目標地点からは、道幅を広げようと思う。それから、この地域に住む生き物が東西で離れ離れにならないよう、こう……陸橋みたいにしてそういう生き物たちの通り道になるルートを作りながらやっていきたい」
「ほうほう。環境のことを考えるとは、なかなかやるものじゃな!」
俺とヨルカで角を突き合わせて話し合っていると、マキナが羨ましそうに見てくるのだ。
「ヨルカは頭がよくていいですねえ……。私も話に加わりたいけど何のことなのかさっぱり分かりません!」
俺の生活が、街作りフェーズに入ったからなあ。
フィジカル特化のマキナの活躍が少なめになっているかも知れない。
「ふむ、ここはじゃな、ミアン。強化したアレの威力を試す時じゃぞ!! マキナに新しい役割を与えてやるんじゃ。なに、今日一日の現場監督はわしがやる。お前はベッドのところで励んでおれ」
「な、なんだってー!?」
「道幅については第一目標地点までの流れで理解できたからのう。第二からは住宅を作っていく方針で行くのじゃ。わしを誰だと思っておる? 古代の都市を管理していた超高性能AIじゃぞ? まあ今は受肉しておるが……。ということで! いけいけ! やれやれ! 家庭環境に不和が生まれたら、そのまま仕事に響くんじゃからな!」
「ヨルカにパーンとお尻を叩かれた!」
「じゃ、じゃあミアンをもらっていきますね! ミアン~! 今日は逃がしませんからねーっ!!」
ということで!!
動画を見ながら二人で頑張った結果……。
昼間でマキナも眠くならない時間帯ということもあり、見事成功を納めたのだった!
『やった! ついにやりましたよーっ!! なお、これで命中したかどうかが判定できますがしますか?』
「いやあ、そんな風情のないことは……」
「しまあす!!」
『命中です! おめでとうございます!!』
「なにーっ!!」
はしゃぐチャットボットに、汗だくながらまだまだハイテンションのマキナ!
お、俺では止められない!
というか命中と言いますと。
『十ヶ月後にあなたの赤ちゃんが生まれます』
「な、なんだってーっ!!」
衝撃を受ける俺なのだった。
父親になってしまったー!!
『ウグワーッ! 一発必中!! 実績・名スナイパー、解除! 10000pt獲得!!』
おいはしゃぐのやめろ!
なんだそのやたら多い獲得ポイント!!
「やったー!!」
マキナがぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいるのだ。
「次は私だな……」
「あっ、物陰からデリアが! ずっと見てたのか!?」
「風呂上がりに寝てたらいきなり始まって、出ていこうにも出ていけなくてずっといたのだ……」
下のベッドにいたのか……。
インビンシブル号の中身が二段ベッドなのを忘れていた。
なお、こんな感じで夫婦の交流をしていたらもう昼過ぎなのだ。
飯を食い、ヨルカの進捗を聞く。
「おっ、子ができたか! めでたいのう。それで、わしの方か? こちらはこちらで、道幅についてを公爵とチャットで話し合って正式に決定したぞ。この国、都市計画担当は公爵で王家に次ぐ高位のAIが担当するんじゃなあ」
「俺がまだ会ったことのない貴族の人だ」
公爵と一緒に作ったという図面を見せてもらった。
おお、道幅が二倍に、通路の幅もおなじくらい広がっている。
さらに、途中でウェーブする道があり……。
「このアップダウンで地元の生物たちが通り抜けられるようになっているんじゃ」
「なるほどー。いいねー」
地形の上下があると、街にメリハリが生まれる。
俺は風呂で汗を流してから着替え、工事に参加することにした。
なんかマキナはずっとチャットボットと話しているな……。
なになに?
「赤ちゃんがいてもしてもいいんですか? コツを掴んだんで、たくさんしたいんですけど」
『よくないパターンもありますが、大丈夫にできるアイテムを売っています! それがこちら! 旦那様に提案して買ってもらってくださいね!』
「はーい! 絶対買います!!」
とんでもない話が聞こえたな……。
そしてデリアは俺の隣に来て、笑顔でぽんと肩を叩くのだった。
「これで、私が既成事実を作っても何の問題も無くなったな! 今夜は頼むぞ!」
「れ、連戦……!!」
「複数の女を囲うということはそういうことだろう」
「女性の方から囲われに俺の周りへ集まってくるんだけど……!!」
前世では嬉しかったかも知れないが、今世ではなんていうか物凄く濃い人ばかりで、扱い切れる自信がない……!!
よし、仕事に没頭して忘れよう!!
そういうことになった。
今回は、道にアーチを作る作業が必要になる。
アーチユニットは初めて作るっぽいので、ロッペルフス子爵のところに行って直接相談すべきだろう。
これは……。
思った以上に、計画実行に時間がかかるぞ!
『アーチユニット……。壁と都市を支えられる構造体か。これそのものが新たな壁とも言えますね。一週間待って下さい。試作を繰り返しながら作業を行います。そのためのエネルギーとして貢献ポイントが必要になりますが』
「貢献ポイントで動くんですか?」
『正確には、ケスタイン王国で使用できるエネルギー量には限界があるんです。この管理権限を持つのが王家なのです。貢献ポイントとは、エネルギー配分の優先権を得るための手段でもあるんですよ』
「なるほどー!」
ということで50000ポイント渡した。
『ウグワーッ! 高額な開発費を肩代わりしました! 実績・もうパトロン、解除! 1000pt獲得!』
「開発頑張ってください! その間にこちらはこちらで、やれることやっておきますんで」
「おお、そうじゃ! わしが管理しているデータベースに、助けになる技術知識があると思うぞ。ちょっと待っておれ」
一緒についてきたヨルカが、空間をごそごそしている。
「ええとええと……よし、これじゃ。再現できそうなところだけ使うがよいぞ。次回来る時はミアンにサーバーを作らせて、そこでもっと管理を楽にしておるからの。より有用な情報を提供しよう」
『ああ、これは助かります! ありがとうございます!』
子爵はいつも気さくで紳士的だなあ。
こうして、第二目標地点までの建造計画がスタートしたのだった。
長丁場っぽいぞ。
気合を入れてやって行こう。
◎現在のポイント:124020pt
貢献ポイント :115855ポイント
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