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和製ファンタジーにおける”魔法”の設定について  作者: 囘囘靑
第五講:魔術としての”刺青”

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5.3.刺青術の利点と欠点

 刺青にかんする概論は前回までで終了とします。またこれより、大前提は前項に確認した内容から引き継ぎます。ここからは、より具体的な刺青術の利点と欠点を確認していきましょう。


 まず利点として「魔力を持たぬ人間にも魔術を発動することが可能である」ということがあげられます。むろん魔術の性能などは刺青の具合に左右されますが、まったく魔力を持たない普通の人間が、ある特定の魔術に関しては利用できるようになるという点はかなり価値があるでしょう。


 第二の利点として「刺青は消えないため、永続性が高い」ということもあげられます。皮下組織にインクを注入することで描かれる刺青は、他の文様に比べて“かすれる”心配は絶無に等しいでしょう。故に、一度施した刺青はほぼ永久的に利用できます。


 現実世界で多くの人々を悩ませているエイジング・ケアの問題も、刺青は一発で解決してくれるでしょう。体の目立たない所に、老化を防止する効能を有した刺青を彫ればよいのですから。


 究極の利点をあげるとしたら、以上の二つだと思われます。今度は、その欠点を考察してみましょう。


 すると間違いなく、第二の利点はそのまま最大の欠点となるでしょう。――すなわち「一度施したら消すのは至難」であるがゆえに、新しい刺青を気軽に上書きすることは不可能になります。従って新しい文様を導入したい場合には、①前の刺青の効力を解除した上で、②新しい刺青を施すという二重の手間をかける必要に迫られます。

【第五講のまとめ】

刺青における質はインク、媒は皮膚。

人間の皮膚は変数としてはスモールナンバーとして扱える。

「刺青は容易には消せない」という特徴は、諸刃の剣となりえる。


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