朝礼
令和七年五月一日(木)
うちの会社は、毎朝ラジオ体操をした後10分間ほどの安全朝礼を実施してから職人たちを各現場に送り出すという習慣がある。僕はその朝礼の際に危険予測の留意点に限らず業務改善案や今後のビジョンなど、思ったことは遠慮なく発言をするようにしている。ぶっちゃけボスを差し置き部長の僕ばかりペラペラとよくしゃべるので社員一同苦々しい顔をしている。もちろん社員にも自分の考えを惜しみなく発言する癖をつけて欲しいので、毎朝工事監督から一人、職人から一人、皆の前に立ってもらい危険予測や業務改善案を発表してもらっている。もらってはいるが、みんな当たり障りのない発言をするばかりで、僕としては歯がゆい思いだ。現在うちの会社では社員の日々の業務の中での気付きや悩みはワンオンワンで上司や同僚に相談をすることが主流になっているが、実は選択肢はそれだけではない。朝礼という場を毎日10分間ほど開催される会社のオフィシャルな場と捉え、そこを利用して自分の考えをガンガン発表して行くという選択肢だってある。あるにはある。オフィシャルな場で自分の考えを発表することを続けると様々な能力が培われる。トークスキル。構成力。語彙力。大勢の前で表現をする胆力。そして何より発端は個人的な気付きや悩みだった事柄を、会社全体の問題にアップデートする思考法を持つことが出来る。それもこれもチャンスあらば公の場で自分の考えを発信して行くのだという気構えがなければ成し得ない。会社は自分の考えを何も聴いてくれないと嘆くなかれ。毎日発信の場は開かれている。いるにはいる。な~んて話を食卓で妻を相手にしていたら、「ふ~ん、偉なったね。あんた何様のつもり? あんたの考えは正論かもしれんけど、でもあんたの考えは絶対に間違っとる。世の中あんたみたいに心臓に毛が生えとる人間ばかりじゃない。それを前提に社内の小さな声に耳を傾けてあげて下さい。さもなくばあんたのように最下層から這い上がって来た人間が部長をやっとる意味がないがや」と注意をされました。……う~む。




