謙虚過ぎるほど謙虚な姿勢でちょうど良い
令和七年二月十五日(土)
人にものを教える時におごりは禁物である。なぜなら、教える側が教えられる側よりその情報を先に得ているのは偶然だから。意図せずそうなっただけだから。たまたまだから。この地上にあまたある情報の中でたまたまその情報について、たまたま目の前にいる者より、たまたま自分が先に知り得ることができ、たまたま現在教える立場になっているに過ぎないのだから。
少し考えれば分かることだが、相手より先にものを知っていること、イコール偉いわけではない。イコール凄いわけではない。イコール頭が良いわけではない。そんな理論は成立しない。相手が知っていることで自分が知らないこともたくさんある中、その情報についてはたまたま自分が先に知り得ていた、その技術については自分がたまたま先に習得していた、ただそれだけのことだ。
でも我々は、人にものを教える時に、ついおごってしまう。つい自己陶酔をしてしまう。指導酔いというやつだ。脳内から麻薬物質が出ているのだろうか。気持ちよくなってしまうのだ。「え、そんなことも知らないの」「自分はすぐに理解できたけど」「頭悪い?」人にものを教えるということは、自分の脳内に蓄えた情報を他者の脳内に粛々と複写するという極めて機械的な作業の側面が強い。いや、むしろそれ以上でも以下でもないと言える。間違っても左記のように誰かを侮辱する作業ではないのは確かだ。
我々が人からものを教わる時に頻繁に抱き、逆に人にものを教える立場になるとつい忘れてしまう気持ちがある。それは「なんでこの人こんなに偉そうなのだろう」という違和感である。人にものを教える時におごりは禁物。謙虚過ぎるほど謙虚な姿勢でちょうど良い。




