恐るべき愛妻が、四十五歳になりました
令和七年二月十三日(木)
恐るべき愛妻が、四十五歳になりました。愛すべき恐妻、お誕生日おめでとー。思えばオラが若き山賊だった頃に村から十七歳の村娘をさらってきて身の回りの世話をさせていたら、いつの間にかその村娘が女房になっちまって、いつの間にかその女房が山賊の頭領になっちまって、いつの間にかオラが頭領の身の回りの世話をする下僕に成り果てちまって。ああ、モーレツに後悔。てか、あの小便臭い小娘がもう四十五歳かあ。早いぜ。早すぎるぜ、時。てか、奥さん、女の盛りは四十五からですよ。うん、間違いない。
なんちゅ~かアレだ。僕らは結婚して十年子供が出来なかったけれど。僕としては、ずーっと君と二人ぼっちの人生であっても、それならそれでケッコー面白いかもなんつって思っていたのだけれど。なんや知らんオマケがいろいろくっついてきちゃったね。まあ、家族はかけがえのないオマケだけれど、でも家族はいつか僕たちを卒業しちゃうからね。
ぜんぶ片付いたらまた二人ぼっち。楽しみ。いつの日かぜんぶ片付いたらその時は。その時は日暮れの薄暗いテーブルで君と。君と差し向いでお酒を飲みたいよ。思い出話をひとっ節ふたっ節。酒の肴は柿ピーと魚肉ソーセージがいいな。君はお酒を一滴も飲めやしないけれど。悪いけどその時は。その時は朝まで付き合ってほしいよ。




