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ダンジョンで遊ぼう!! ~VRゲームの世界ですが、冒険者にいきなり襲われるのは嫌なので楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
第3.5章 記憶の探しもの

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仮想空間XZの探索を再開する


 ●ムーンスノア


 探索二日目は、前回の探索終了地点からの再開となっていた。


 初日は特に成果なしだったこともあり、アタシは普段より気が荒れていそうだった。

 それでも、皆が揃うと無言で森の道を進んでいく。

 格闘を極めていそうなカンフーなミカドラ、野球帽をかぶった野球少年ポップベーブ、茶色いきのこのコスプレをしているシイタちゃん。

 仮装パーティーでもしているのかと思えるくらいに温度差があるパーティーなのに、どうしてか会話が一切発生しない。


「……次のエリアかしらね」


 ムーンスノアの視界には、大きな洞窟の入り口が映り込む。

 森エリアを抜けた先にあったのは、炭鉱エリアとみられる場所。

 ムーンスノアの率いるパーティーは、無言のままそこに入っていった。


 炭鉱エリアは、思ったよりも暗い空間である。

 ムーンスノアの名に合わない炎魔法で道を照らさなければ、まともに前に進むことが出来なかった。


「依頼の探し物、どこにあると思う?」


 ムーンスノアは口を開いた。

 おかしい。おかしくないけど、念のため振り返ってみる。


 ミカドラと、ポップベーブがいる。

 シイタちゃんがいない。


「あら、シイタちゃんはどうしたのかしら?」

「知らないわよ」

「わからぬ」

 ミカドラとポップベーブは、互いに顔を合わせた。


 それを見たムーンスノアはため息を漏らしたあと、より奥深くへ進もうと足を動かす。

 シイタちゃんはパーティーから外れていない。


 だけど、どうして二人しか姿が見えなかったのか。


「もしかしたら、敵がいるのか」


 再度振り返ってみると、そこには誰もいなかった。


 否。正確には、ミカドラとポップベーブが、床に仰向けになって転がっている。


 不意打ちで倒されたのか?

 依頼を放棄して帰ってしまったのか?

 それとも――。


「そこにいるのね、誰かしら?」


 ムーンスノアが尋ねると、炭鉱エリアの天井が一斉に光り出した。

 一瞬にして視界が急激に良くなると、黒い天使の羽が空中にひらひらと舞っているのを目視した。


「ああ、これは。裏切り者ですわ」


 ムーンスノアは見つめていた。

 赤い短剣を持った、黒い羽根の天使を。


「この身は、お姉ちゃんの命令を聞くためだけに存在している」




 ●リリークラン


 湖エリアの先は、塔エリアとなっていた。


 湖エリアはどうやって超えたのかというと、最初から必要なかった。

 ルアーボがスキルで生み出した蛇を使い、湖の中に沈めて深さを確認しようとしたのだが、蛇は沈まずに足場として存在していることを確認したからである。


 わざわざ小船を探すまでもなかったのだ。


 こうして無事に湖エリアを超えたリリークランとカラセナが率いる三名は、塔の中に入ることにした。

 塔エリアは、巨大図書館のような構造となっており、無数の本が棚の中に収納されていた。


 円形となっている外周に本棚、時計回りの螺旋階段で上方向へ永遠に登れそうになっているが、リリークランはスペードの記憶を探すために上ることを決意する。


 ルアーボは階段を上るのを嫌がった。なので、先日手に入れた卵料理を手元に取り出して、いっぱい食べてもらうことにした。

 カラセナとジャックゲイルはルアーボの見つつ、入り口付近の本を見て回るということで、今はリリークランひとりで螺旋階段を上り続けている状況となっていた。


「はぁ……。それにしても」


 ムーンスノアの身は大丈夫なのかな?

 フミエルは、うん。

 カラセナは心配しなくても、とは言っているけど。


 グループリーダーチャット、思ったよりちゃんと聞こえてくる。

 良いことも、悪いことも、全部――。



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