第一章9話 ???? 決闘式①
「只今より『結婚式』を行います。新郎新婦のご入場です!」
ガリルメイジの高らかな掛け声とともに、木製の古びた大扉が、軋む音を立てながらゆっくりと開いていく。
その先には、すべてのガリルたちを収容できるほどの、途方もなく広い空間が広がっていた。
右側には、どこかソワソワと落ち着かない様子のキングガリルの部下二百名。
左側には、姫に仕える三百名の部下たちが地に伏し、平伏している。
左右に綺麗に分かれ、その中央には一本のバージンロードが引かれていた。
その道を、僕――キングガリルと姫が腕を組み、ゆっくりと進んでいく。
どうやら魔物の結婚式ということもあり、教会式と人前式がごちゃ混ぜになったような形式らしい。
進行役のガリルメイジ自身も、具体的な段取りを完全には把握していないようで、全体的にかなり大雑把な式だった。
少し高い位置に設えられた舞台へと上がった瞬間、
歓声というよりも、むしろ怒声に近い叫び声が、式場いっぱいに溢れかえった。
「えー……こほんっ。
それでは、私の方から開式の宣言をさせて頂きます」
ガリルメイジは場を鎮めるように一度咳払いをし、誓いの言葉を読み上げる。
「新郎、キングガリル様。
あなたは、ここにいるプリンセスガリル様を、悲しみ深い時も、喜びに満ちた時も共に過ごし、愛をもって互いに支え合うことを誓いますか?
新婦、プリンセスガリル様。
あなたもまた、ここにいるキングガリル様を、悲しみ深い時も、喜びに満ちた時も共に過ごし、愛をもって互いに支え合うことを誓いますか?」
ガリルメイジは緊張しているのか、二人の返事を待つことすら忘れ、勢いのまま次の言葉を口にしてしまう。
「それでは――誓いのキスを」
一歩踏み出し、姫のベールを丁寧に持ち上げる。
姫は目を閉じ、こちらへ向かって分厚い唇を突き出していた。
(……ここか)
姫の左肩に、ゆっくりと手を添える。
そして――
「ぶへぇ!!!!!!」
ガシャーン!!!!
情けない声を上げながら、姫の巨体が盛大に吹き飛び、壁に深くめり込んだ。
固く握り締めた右拳を、その顔面へ、一切の容赦もなく叩き込んだのだ。
あまりにも突然の出来事に、式場は何が起きたのか理解できず、完全な静寂に包まれる。
ガリルメイジに至っては、驚きのあまり口を大きく開け、目を丸くしたまま固まっていた。
僕は振り抜いた拳を高く掲げ、
キングガリルのスキル――「衝撃波」と「王者の覇気」を纏わせながら、その場でドラミングを始める。
「グォォォォオオオ!!!!!」
けたたましい咆哮が、式場全体を揺るがした。
そして、キングガリルの部下たちへと向き直り、声を張り上げる。
「準備はいいか! 貴様ら!!」
「グギャー!!」
呼応するように、部下たちが一斉にドラミングを始める。
ドドンド ドンドンッ!!
「誰が至強か!?」
「我らがキング!」
ドドンド ドンドンッ!!!
「誰が至強か!!?」
「我らがキング!!」
「その巨腕は岩をも砕く!!
その肉体はすべてを跳ね返す!!
我らが最強! 我らの王!
それは誰か!!!」
ドドンドドンッ!!!!
「我が最強のキングガリルである!!!」
「茶番は終わりだ。
さぁ、開戦の火蓋は切られた!!
これより『決闘式』を行う!!
誰が至強か、見せつけようぞ!!!」
「グギャーーーー!!!!」
その叫びを合図に、
キングガリルの部下たちが一斉に、姫の部下へと襲いかかった。
勿論経緯は次の話でかきます。
ずっとやりたかったある作品のオマージュです笑




