16-3.追記
感想欄よりご指摘をいただきました。ありがとうございます。
現在は電子媒体があっても、紙の本で出版されること自体に大きなステイタスが存在する、というご意見です。
確かに紙媒体、今は電子媒体(主に電子書籍)よりもステイタスとして上であることは否定できません。
ただ一方で、対抗馬(電子書籍)があまりに貧弱であるのもまた事実ではあります。既得権益ガッチガチの電子書籍が次の媒体たり得るかと言えば、それはない――電子書籍は未だ紙ありきの媒体にすぎない――と思っているのです。ここまでをみる限りでは、紙媒体(所詮は2Dへ写し取れるもの)の優位に揺るぎは見られないと思っております。
ただ、現在一つの突破口がその兆しを覗かせているのもまた確か。
ブラウザをVR表示させちゃうという『Chrome VR』(※1)。これ、紙を含む2D媒体に完全な置いてきぼりを食らわせる潜在能力を秘めているものと、私は踏んでおります。
紙媒体の何が強いと言って、2D媒体をほぼ写し取れてしまう(映画にしたってフィルム・コミックという手法がある)という一点があるわけです。
が、相手がそもそも3D印刷とも言えるVRブラウザであったなら。
私の提唱します“電脳化”、特に肉体改造を伴わないお手軽な“ソフト・ワイアド”が普及したなら――ARとVRが完全にウェアラブルになったなら――これ、大化けするものと踏んでおります次第。
なにせ平面に写し取れない“体験”が相手ですから、紙媒体が手を出すどころの話じゃありません。ここで既存の既得権益に付け入る隙が生まれるものと、私は見ております。インディーズというかガレージ・メーカというか、新興勢力が台頭する可能性を大いに秘めているわけなのです。例えばネット通販でAmazon.com(※2)がのし上がった例のごとく。
私などはここに可能性を感じるのですね。
さて現実の未来はいかに出ますやらお楽しみ。
【脚注】
※1 http://www.moguravr.com/chrome-vr/
※2 https://ja.wikipedia.org/wiki/Amazon.com
著者:中村尚裕
掲載サイト『小説家になろう』:http://book1.adouzi.eu.org/n0971dm/
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