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【更新停止中】アクロス・ザ・ナギノクイント  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 みゆきひらひらふるるよる
97/191

97話

 更新サボってnote書いてました(クズ)。あっちは予約投稿できないので、よろしければ活動の一環として読んでいただけますと幸いです。


 どうぞ。

 カップラーメンの味は、ここ二十年ほどそこまで進化していないらしい。父さんが言うには、いろいろ工夫が凝らされているけれど、分かりやすい変化はないのだそうだ。


 時間の測り方が雑だったのか、ちょっとバリバリ感が残ったうどんをざくざく食べる。鍋に入っているようなものには絶対ならない白ネギに、微妙に固くて形がへんな豚肉を食べていると、やっぱりカレーうどんはこうでなくちゃ、と思えてきた。


 昔に比べると技術は進んだ――というけど、結局のところ、保存のために乾燥・圧縮しているのは変わらなくて、お湯を注いで形を復元しているのも同じだ。できあがるものが大きく変わることもないので、父さんの実感としては「美味くなった」という……新技術に対する感想としてはずいぶん雑なところで止まっているらしい。


「制服はあれでいいとして……カリナ、それ以外はどうするの」

「それ以外って?」


 衣服はだいたい買ってあるから、それ以上は必要ないはずだ。


 そんなことを思っていたけど、母さんの言いたいことはまったく別のことらしかった。


「学校でどうするのかとか、いろいろあるじゃない。友達には言ったの?」

「いや、えっと……そういう仲の友達、いないし」

「卒業アルバムとか、ちゃんと何人かで写ってたじゃないの」

「あれはその、おんなじ感じの人? みたいな……?」


 天海カルヤとしての俺には、そこまで仲のいい友達はいなかった。クラスの中にゲーマーはそれなりにいたようなのだが、同じゲームをやってつるむわけでもなく、なんとなくそれっぽい立ち位置にいただけだ。アルバムに写っている四人は、クラス内のオタっぽいやつ四人衆以上の意味を持たない。たぶん、今集まっても会話は弾まないだろう。


「自己申告はするよ。そのあとは、流れに任せようかなって」

「そう。まあ、いまどき珍しくもないし……」

「クラスに一人はいるんだってー。多いと五人とか」

「もと潜性どうしで仲良くなれれば、いいかもしれないわね」


 ネトゲをやっていると、どうしても表面上の付き合いばかり上手くなりがちだ、と父さんが言っていた。初対面の人とそれなりに上手く話したり、後腐れなく別れたりできるようになる反面、深い付き合いができる人は減る、という。本当かどうかは分からないけど、そうっぽいなとは思っている……中学生のときの俺が、まさにそんな風なやつだったからだ。


「変なことにならないなら、それでいいわ。でも、何かあったらすぐに言って。あの人も交えて、何とかするわ」

「ありがと。そんなに大きなこと、起きないと思うけど」


 カレーうどんのスープを飲み干しつつ、俺は答えた。

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