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164話

 あとがきにちょっとお知らせを置いておきます。


 どうぞ。

 帰り道でのやり取りを思い返しつつ、夕食後のゲームを始める。


 トキノはすごく「情熱」にこだわっていて、先輩がそうだからか、作品にすごく深い意味を求めている。こちらとしては、手抜きで作られたうえで大した思考もなしに受け止めるゲームが多いから、作品に込められた意味なんてろくに考えていない。


 何があそこまでトキノを駆り立てるのかは分からないけど、「何か」……彼女の中には、どうしても探したいものがあるみたいだった。


「今日は何するんだっけ……」


 ちょっと別のゲームに集中しすぎて、タスクを忘れていた。インベントリを見ると、最新の欄に青い染料が入っている。


「あ、そうだった。このライヴギア、あとひとつヒント出てるんだっけ……」


 サリディスの方にいるサナリさんが「紙幣を使う背徳が楽しい」みたいなことを言っていた気がする。もしかしたらあるかな、と思ってマーケットを遠隔で見てみるけど、それっぽいアイテムはなかった。


 ライヴギアの人気は、機械と石に大きく偏っている。最初から性能が高くて破損しにくく、長期的なコストがものすごく安く済むからだ。骨もけっこう強くてカスタマイズ性が高いから、上二つに続く人気を得ている。


 けれど、手に入る素材が極端に少ない液体と、耐久値の減少が激しすぎる紙は、課金パックで強いセットを買う前提と言われている。そもそもドロップアイテムとしてぜんぜん落ちないから、マーケットでも出回らない。機械のパーツや骨なら出やすいし売りやすいけど、紙は見つからないし売れないからか、マーケットにもあんまり出回っていない。


「名鑑にはあるのかな……?」


 アイテム名鑑で「紙幣」と検索してみると、一件だけヒットした。


「あるんだ……SFで紙幣って、意味なさそうな筆頭なのに」


 さっさとやればよかったな、と思いつつ入手場所なんかを見てみると、「ヴィドラ盗秘庫」と書いてある。どうやら盗品を保管している場所のようだ。かなり最初の方に攻略した場所も過去の遺産みたいな場所だったけど、こっちは素直に喜んでいいものかどうかわからない。


 入り口はどうやらサリディスの中にあるらしいので、出力ポイントから移動した。ヘスタにもスラム街というか廃墟から入れるダンジョンがあったから、どの街にもこういうのがあるのだろう。




 建築様式や材質がバラバラないつものカオスを通り、妙に整った金属質なレンガを見た。ここだけきちんとした方法で作られていて、周りの建て増し感とは裏腹に、おそろしく古い時代から存在することをうかがわせた。あの崩壊通路のようにコケが生えたりはしていないけど、しんと冷たい空気が吹き出てきている。



[インスタンスダンジョン「ヴィドラ盗秘庫」に侵入しました。

状態変化:「侵入者」を獲得]



 ダンジョンに入ったアナウンスが流れた。タップしてみると、戦うエネミーの種類ごとに特殊状態を獲得する、と書いてある。


 きれいに磨かれたレンガ風の壁面、大理石のような磨き抜かれた石材の床、倉庫街のような監獄のような規則的な並び。盗んだものを隠しているというより、盗みを働いたものを極秘裏に処刑している場所といった方が近そうだ。


『snnushkkn gututhndn tissr』


 久しぶりに聞く機械音声に、テンションがちょっと上がる。


 明らかに何か入っているタルのような胴体、後付け感がすごい箱のような手足、いまどきほとんど見ない、大昔の作品にあるようなロボットが歩いてきた。ノイズのほとんどないクリアな音声だけど、言語が違いすぎるのか、ちっとも理解できない。


『あえて戦うのかい、マイマスター?』


 ノイスは『ハックすりゃ終わるじゃねェの、オレに任せろよ』と笑っている。


「知らないままは危ないよ?」


 こちらに向けたハサミのような手が、パシュンと射出された。さっと切り裂けるかと思ったそれは、こちらの方が後退するほどの硬度を誇っていた。


『……驚いたなこりゃあ、狂ってやがらァ。粘るつもりかい』

「関節に刃が通らなかったら、お願いしてもいい?」

『はッ、素直だね。期待しないで待ってるぜ』

「うん」


 トモガラは『ジューシーさが足りませんわね』とそっぽを向いていた。やわらかそうなところを狙って幾度か切り付けると、耐久値はゴリゴリ減っていくものの、きちんと傷がついていた。


『mkknnnkugk tisfnu』


 クリティカルのエフェクトが出ていないから、扱い方ひとつでギリギリ壊れていないだけのようだ。すぐに耐久値レッドゾーンから破損して、〈クイックチェンジ〉を使う。胴体の関節を何度か切っていると、コインが落ちた。


「これ、メテラ……じゃない」


 メテラ硬貨は、金色っぽい鈍色に赤い光沢が混じった、グラフィックとしてはかなり贅沢なデザインだ。けれど、動くATMみたいなものらしいロボットから落ちたものは、深く美しい金色のコインだった。おそらく、本物の金だ。


 隙をついて拾った瞬間、ロボットの各部が変形し始めた。



[状態変化:「簒奪者」を獲得

「簒奪者」:警備ロボットの警戒度が倍化する。旧貨幣「プライザ」の金額が多いほど敵味方双方の攻撃機能が強化され、防御機能が弱体化する。]



「あれ、やらかしたかも……」


 あちらこちらに配置されていた、非常用らしき扉が開いた。そこかしこから強化パーツが飛び出し、ロボットに合体していく……あっという間に多脚戦車のように変形したロボットは、急激に広くなっていくスペースに真っ赤な光芒を振りまいた。


『kukknru kkjtnhijwoknu』

『もめんたりー・リリィ』最終13話観ました。反応に困る。何度でも言うんだけど、時間とか地理のことちゃんと考えてる? なんかエモい演出のためにテキトーこいてんじゃねーぞこら。というかね、マジで何も考えなくてよかったんだなって。「これどうすんの?」をぜんぶ放り捨てる作品ねぇ……これ以上ぐだぐだ書くのもアレなんで、noteの方に投稿した方を読んでってくだせえ。


 あっそうだ(唐突)、あんましPVにも貢献してる気がしないし感想にも反映されていないので、そろそろ研究を打ち切ろうと思います。目についた賞に片っ端から投げ込んでいきたいのもある。『ナギノ』に乗せて投稿してた分は削除しました。まあ、どっかに保存してるもの好きもいるやろ。Noteともうひとつの方は残ってますが、あれもPV伸びないからなぁ。「作品に集中したい」は読者の感想でもあるし、作ってる側としても実際マジでそうなんで……。


 というわけで『コロリア・カロル』は打ち切り&削除、『真面目ちゃん(仮題)』は鋭意制作中、本作『ナギノクイント』はまだまだやることあるんで、何かあったら「更新停止中」ってタイトルにつけることにします。そろそろ実家の会社と縁を切りたいので、就活しようかなって。

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