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149話

 寒すぎて思考に影響が出ていました&『ぱずでれ』に復帰したり、勉強のために『アーチャー伝説2』をやっていたりしました。ところで変な読み方してる人がいるね? お仕事ですか?


 ではどうぞ。

 ピッケルでカンカン叩いて鉱石を掘る。ヘスタで適当に買った安物だったが、思ったよりもちゃんとやれている。もっとランクの高いピッケルもあるみたいだけど、次の街に行くまでは更新しなくてもよさそうだ。それに、ノイスもけっこう頑張ってくれている。


『非効率な作業ってのもいいもんだなァ、マイマスター。オレの用途からは限りなく遠い気がするがね』

「ごめんね、パワーありそうなのノイスだけだから」


 サクヤヒメはパワータイプじゃないし、トモガラは手加減もなにもしないから、作業なんて任せられない。皮肉られても、ノイス以外に頼れる手がなかった。


『それで? あれと戦ってみてどうだったんだ、オレたちを呼び出そうってそぶりすらなかったじゃあねェの……そんなにかい』

「あの人って遠距離型だけど、対応力すっごい高いから……撃ち落とされておしまいじゃないかなぁ」

『言うねェ。トモガラは』

「同じ」


 強いかどうかで言えば、俺よりも強いのは事実だ。けれど、全力を封じていてもあれだったから、誰かの力を借りれば勝てる、なんて思えなかった。


「それに、一人で勝ちたかったから?」

『ったく、めんどくせェご主人様だ』


 言葉とは逆に、声は満足げに笑っている。


 そんな話をしながら鉱脈をいくつか掘っていると、すごく青い石ころが出てきた。


「あ、これかな」

『確かにずいぶん濃い色だなァ、粉末にしてもか?』

「お願い!」

『了解だぜェ、マイマスター……』


 名前は「変蒼石」、角度によって色が変わるというものだった。鉱物だとすごくありがちな特徴だけど、モノを手に取って確かめられるVRゲームではあんまりやらない表現だ。全力で石ころをぶん殴って粉砕し、ノイスはそれをさらに細かくしていく。


『いちおう、オレができる最小単位にしてみたつもりだ』

「だいじょうぶ、みたいだね」


 そういえばと思って岩壁に石をこすりつけてみると、ものすごく濃い青の筋ができた。たしか、これも「粉にしたとき何色になるか」の指標だった気がする。


『なんだ、ほかに方法あるんじゃねェか』

「ごめん。今思い出したんだ」


 そういうスキルも持っていないし、物理的にぶっ壊してやろうとしても砕けた石以上の状態にはならない。何か特殊な手順が必要なのかなと思って、サナリさんのところに行ってみることにした。




「これは私の専門分野ではない。ヘスタにいる方に頼むといいだろう」

「あ、そうなんですね」


 半円形のへこみに置いた、なんか円盤に取っ手がついたような……よく知らないけど、漢方とかの薬づくりでよく描かれるあれが「ヤゲン」というらしく、あっちの方が扱いが上手いようだった。ここには置いていないのか、ベストを選ぶならあっちという意味なのかはいまひとつはっきりしない。


「そういえば君は、紙幣を知っているか?」

「紙のお金のことですか?」

「ああ、そうだ。実は、あれもライヴギアの構成成分にできる」

「……見たことありませんけど」


 そうだろうな、とサナリさんは嘲るように頬をゆがめた。あっちのサナリさんなら絶対にしないような、すごく悪い顔だ。


「人間以下の存在を作って、ゴミを渡して惑星探査をさせるほど……「人間」は追い詰められていて、人口も減っていたからな。価値を担保できるのは、硬貨でギリギリだったのだろう」

「わりとよく聞くお話ですね。紙幣が紙くずになるって」


 古典的なSFだとよくある設定だ。けれど、それならそれで疑問がある。


「じゃあ、お金はどこに行ったんでしょうか」

「博物館にはありそうだがな。買い取れるか?」

「さすがにマズいんじゃ……」

「知れたことだ。要するに、捨て置かれているものを使えばいいのだ」


 あからさますぎる話題の誘導に、露骨すぎるフラグのような言動。サナリさんが何をしたいのか、なんとなく見えてきた。


「見つけたら、一枚持ってきた方がいいですか?」

「使う分にはコピー品でもいいのだろう?」

「偽札づくりって犯罪なんじゃなかったですか」

「……一枚でいい。我々サナリのコレクションにはないものでな」


 それに、と――悪い顔が、より色濃いどす黒さをたたえた微笑みに変わる。


「絵を刀にして振るう君だ、紙幣を道具にする背徳の甘美……素材からじっくり味わってくれると思ったが?」

「ふふっ、すっごくいいですね?」


 お金を武器にするキャラは、アニメでも漫画でもけっこういる。面白そうだけど現実にはできるはずがないからこそ、すごく楽しそうだと思っていた。それができそうなら、あからさまな誘導でもいい。


「じゃ、行ってきますね」

「ああ」


 すごく理解が進んだ気がして、とても楽しかった。

 これがやりたかった(紙幣を使う)。選挙パンフをコラージュ作品に使ったことがあって、あれが死ぬほど楽しかったんで、もう一回やってみたかったんだよね。


 カクヨムの方で「TSでNLとは(困惑)。精神的BLではないか」という意見をいただいたので反映しました。やろうとしてる内容が結局変わってない気がしますが、より適切な表現あるいは客寄せということで、タグを付け替えておくことにします。ご了承ください。

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