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【更新停止中】アクロス・ザ・ナギノクイント  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 みゆきひらひらふるるよる
127/191

127話

 早く入学式を書きたい……


 どうぞ。

 リソース全ツッパで戦ってしまったので、事後処理としてあれこれを買い込んでいる。ヘスタに戻って、いつものお店をひと通り回っていた。


「何と戦っているか。すこし、憂いた方がいいか?」

「便利だから、つい頼っちゃって。心配ありません」


 全体的にでっかいサンドバッグみたいなザビロさんは、ひとつうなずいて言葉を飲み込んだようだった。結界テープを買い込み過ぎて、いつも同じ心配をされている。説明はしているつもりだけど、これを買い込むのは、俺が思っているよりもはるかに異常事態らしい。


「この“空糸の術”って、ふつうは何に使うんですか?」

「これで結界、張る。怨霊相手にする人、これ持ち物」

「怨霊ですか……」

「霊は、触れない。通れない。だから、壁に張る」


 絶妙に分からないけど、世界観上そういうことがある、という説明なのだろう。


「怨霊と、戦っているかと。思っていたが」

「そういうわけでは、……ないです、たぶん」

「なぜ詰まるか」

「過去のあれこれ、みたいなのはよく相手にするので」


 意識を投影した入れ替え用ボディー、みたいな敵ならいくらでも倒している。あれは亡霊でも怨霊でもないし、いちばんそれっぽい「増える絵」は錫児さんに対処してもらった。


「符術の本場、ここではないと、聞いた」

「え、街から出られなかったんじゃ」

「あの芸術家。私の知る三人目。二人目は、他の街を知っていた」

「ちょっといろいろ、聞いてみないといけませんね」


 前にもいろいろ言ってはいたし、クエストも出されたけど……そのわりには、もらっている情報が少なすぎる。サナリさんはあれこれとアイテムをくれているけど、もっともっと根幹に関わる「何か」の話はほとんどしていない。


「では!」

「無理は、良くない」


 ものすごく真っ当な指摘を受けつつ、俺は店を出た。


 歩きつつ考える――この惑星にはコロニーというか街がいくつもある。それぞれ分断されているようで、じつは同じ人がいたり、妙な場所でつながっていたりもする。そのつながりが、本当のところどんなふうになっているのか……あっちが知っているのか、それとも隠しているのか、いい加減に知る必要がある気がしていた。


 カオスの極みのような「アトリエ・ちゃんぽら」にやってくると、誰もいないのか、ひどく静かだった。それなりに出入りしているピュリィもいないので、何か他のあれこれで忙しいのかもしれない。サナリさんがいる部屋をのぞいてみると、当然のようにカギも何もかかっていない。


「サナリさん、いますか?」

「うん? 君か、名前は憶えていないがっ。芸術についてを教授した覚えがあるぞっ」

「ザクロです。ちょっと、聞きたいことがあるんですけど」

「いろいろと伝えたはずなのだがっ……足りなかったようだな?」


 ツナギの幼女は、面白そうにこちらを見ている。


「ほかの街について、どの程度ご存知なのか聞きたくて」

「ふむ……ヘスタ以外に、サリディスへの道がつながったのだったな」


 どこかおどけるような調子が消えて、かなり考え込んでいる気配があった。


志願者(ソルド)システムはどこでも使われている。つまり、出力ポイントはすべての街にあるはずなのだっ。しかしアクセスできない」

「でも、サナリさんはいましたよね?」


 周知の事実のように、サリディスにいたサナリさんは「あっちにもいただろう」と言っていた。滅びているとか死んでいるとか、そういった疑いはまったく持っていない様子だった。街を知っているというより、疑似的な志願者(ソルド)システムを使う以上、そんなことにはならないという確信だったのだろうか。


「うーむ……そこなのだっ。地下を通っていったのか、地上が封鎖される前のことだったのか。それに、大きな疑問がある」

「なんですか、大きな疑問って」

「あれらごときをまったく倒せず、この街にこもっている。とても不自然だ」

「……倒せそうな人、何人かいますね」


 全体のシルエットがサンドバッグっぽいザビロさんもそうだし、サブロウザさんもかなり強そうだった。サナリさんが言うからには、ボスモンスターはそんなに強くないのだろう。


「察するに、地下を通っていったのだろうね。ところが、地下に街があるでもなしっ、ルートが判明しているでもない! 何があったか、調べずとも分かるっ」

「強い人を取られちゃって、しかも負けたってことでしょうか」

「おそらくはなっ。つまり! 地下の拠点を見つけることができれば、そこから街を発見することもできるだろうっ」

「……なんか、話がそらされてるような」


 すでに言ったぞ、と幼女は冷たい目をする。


「同期が途切れているのだっ。情報の集積ポイントがどこかも分からない、スタンドアローンで頑張るしかなかった」

「いろいろ聞きましたけど、全部ここで集めた情報なんですね……」


 思ったより頑張っていた、というかめちゃくちゃ有能だったようだ。


「疑いの目を向けられるのは仕方がない。しかし、こちらにも苦労があるのだっ」

「なんか、……はい」


 思ったよりも、状況ギリギリで粘っているらしかった。

 新作が詰まる→アイデア出し→別の新作を思いつくのループに陥っています。集中すべきはこれなんだよね……そろそろ新キャラ情報来るか(意識散逸) やりたい話はあるし、たぶんこれじゃないとやる意味がない話だから持っていきてーのだ……新作の要素、競合少なそうだな。ともかく、三章は今からでも書いていこうと思います。

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