122話
ライヴギア(石)の命名法則決めてなかったので今回で決めました。だいたいどの作品にもそういうの決めたファイル作ってたんですが、マジで書いてなくてビビった。亜空間はここに入れる感じで。
どうぞ。
大小の刃を組み合わせた、浮遊する剣士のような星霊〈カイリ〉――マントのような装飾やつば広の帽子めいた円形は、アルチンボルドめいて複雑なディティールを描いていた。
「ごめん、巻き込んじゃって!」
「いいよ、お互いちょっと手間取りそうだったとこだろ?」
「そうですねー、二人じゃ厳しかったんで!」
「おっ、有名人やんけ。助かるわ」
カイリと戦っていたのは、配信者のザイルとローペだった。
「今日はあの……変な人らぁはおらんの?」
「別行動してること多いんでー。ちょっと動向わかんないですねー」
「ほうか」
「変……まあ変っスね」
麻袋をかぶった股間マンモス、チェーンソーを持った狂気の軍人、次々と姿を変える少女、どれをとっても普通とは言いがたい。同族と思われたくないのか、ザイルは苦笑していた。
『〈利刃〉』
「来るぞ!」
刃の集合体であるカイリは、非常に有用なスキルを持っている。それがプレイヤーに向けば、当然ひどく苦戦することになる……使われる前に倒せるかどうかで勝率が分かれる、といわれるほどのものだった。
「これ、今来たとこ?」
「っスね。なだれ込んじゃってすいません」
攻撃力5%アップ、という倍率はかなり控えめながら、最大で三回の追加ダメージを与える効果は驚異的だ。
「なんとか耐えるかぁ」
「おれのも出しとくわ、使ったってや」
ひとりで盾を務めるD’arCが諦め気味に「あぁ、うん」と答えた。鉱脈混じりの大岩と濁った色の宝石が入り混じった巨人〈剛銘フォーロ・ドー〉は、並び立って防御態勢を取る。次の瞬間に、敵は動いた。
りん、と涼しげな音と同時に、空を断つ無色の斬撃が飛翔する。発生とは比べ物にならないほど重い音が響き、衝撃波と余波がぶわりと広がる。
「視界バフかけときますー」
「おおきにな!」
舞い上がった土ぼこりに覆われた視界が晴れ、ツタの巨人と剣士もどきが動き出しているのが視界に入った。光弾には攻撃を止める力もデバフ効果もないため、ひたすらに撃ちまくるしかない。ヴェンは〈ディノンハウル〉を連射モードに切り替えて、MPのことも考えずに撃ちまくった。
「かったいなぁ、こいつら」
「属性も合わんさけ、長引くわな……」
全身を刃で構成されたカイリは、無属性かつ、物理的な性質を反映するように固い。腐食の状態異常を与えればそれなりにダメージは出せるが、復帰時の〈替え刃〉は後衛までもが全滅するほどの凶悪な性能を誇る。
散乱する斬撃は〈バッコス・グレイル〉を徐々に傷つけ、状況はしだいに怪物同士の戦いへとシフトしていった――と見えた瞬間、周囲から戦闘音が止む。視界が焼き切れるほどのすさまじい閃光が駆け抜け、しかし何の破壊ももたらさなかった。
「なんだこれ!?」
「あれだ、空の!」
真っ赤な何かが、遠くへ落ちていく。
「あのへん……銀骨平原?」
「いや、サリディスの街やろ」
知らず絶死圏が過ぎ去っていたことに、誰一人気付くことはなかった。
特撮ぜんぶ面白くて最高やで……そういや『ボルテスV レガシー』もう公開されてるんですね。見に行く(絶対宣言)次のnoteにも取り掛かり……前書いた『追放したいやついるのか論』でええやろか。




