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【更新停止中】アクロス・ザ・ナギノクイント  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 みゆきひらひらふるるよる
112/191

112話

 どうぞ。

 グラデーションが入った桜色の着物に、どこか幽玄な雰囲気のある浅黄色の帯。振袖に見えるが、俺の持っているミニ丈の浴衣のような服だった。チロチロと輝くエフェクトは、布地にあるのか付与されたそれなのかはわからない。こちらも桜色の髪は腰に届くほど長く、色が地味なら和風美人にも見えただろうか、と思える。


 ほんのりと微笑をたたえた幼女は、こちらを見て促すように小首をかしげた。


「はじめまして?」

「うむ、はじめましてじゃな。わしはサクヤヒメじゃ」

「私はザクロ。よろしくね」

「なかなか愛いやつじゃの。わしと相性のよい力も感じる、うまくやっていけそうじゃ」


 モチーフが日本神話の「コノハナサクヤヒメ」、花の神だからか、技は緑属性で固まっている。バフ技と花びらの嵐が主体だから、後衛として戦ってもらうとかなり強そうだ。いろいろ考えることはありそうだけど、あんまり時間がない。


「えっと、ごめん。今はやることあるから、後でいろいろね!」

「よい、よい。慌ただしいときもあるものじゃからの」


 星霊は一体しか出せないということになっているので、サクヤヒメはそこで引っ込んでいった。ノイスが何か言うこともなく、俺はそこでログアウトした。




「あ、カリナ。ちょうどお風呂沸いたよ」

「よかった、すぐ入れるね」


 バイザーを外し、チョーカーを取って枕の電源を落とす。何をやっているときでも髪の毛が視界に入るのは、さすがにゲームとは違うな、とこんなところでもリアルを思い知る。起き上がってたんすに向かうと、姉は少しだけ何か言いたそうにしていた。


「どうしたの?」

「あ、えっとねー……お風呂上がりにさ、また揉んでいい?」

「ん、いいよ。なんか深刻なこと?」

「いやー、そんなにだけど。もっといろんなツボ押してみようかなーなんて、ね?」


 姉の夢からすると、俺はちょうどいい実験台らしい……という言い方はよくないけど、俺が思っていたより性徴顕化は体に負担がかかっていて、のちのちダメージが出てくるようだった。どっとくるあれこれ不全をじわじわ和らげていくのは、今の医療のものすごく大きな課題なのだそうだ。


「っていうのもあるけど。カリナの体を好き放題してやるのだ」

「やっぱりか……」


 スキンシップなのかセクハラなのか、俺が性徴顕化してから姉のボディタッチがめちゃくちゃ増えている。どうやら前からそうしたかったようで、それっぽい兆候はあった。姉の方も、なんとなくで俺が潜性女性だと分かっていたのだろうか。


「今日もスポブラにするの?」

「ん、今日はいいかなぁ。最終的に変わんない感じがするし……慣れたらまた違う感じになりそうっていうか」

「そっか」


 肌着ひとつでずいぶん感覚が違うな、とは思ったのだが、VR空間でまで大きな違いを感じることはなかった。胸の揺れはそれなりにあるし、だからと慣性がでたらめに跳ね回って動きづらいわけでもない。あくまで常識の範囲内で、適応も簡単そうだった。逆に、あれに慣れておけば現実で激しく動き回るのもらくになりそうだ。


「行こっか」

「うん」


 ちゃっと着替えを出して、お風呂に向かった。

『劇場版ガッチャード&ブンブンジャー』超面白かったです。初日の初回に観に行ってよかったぜ! 小島よしおさん(田島)がガチのキーパーソンで本編設定にもつながりつつちゃんとカッコいいのがズルい。加治木ぃ……本編のアレって、周りがカップルだらけなところでスパナとソロ同士! と思ったら余裕ありすぎて察した感じですか。あの鉄の男が色気づくとは思えませんが、どうなることやら。ジオウOQ以来の二回目……いやヒロアカもあるし体力ゴリゴリだし、予定が空いたらにしよう。


 次は入浴と下着回なんでガチりつつ早めに出したい。てか主人公のイメージカラーを早く決めるべきなんだ、だいたい決まってるけどはっきり示すべきなんだ。ネトゲはサボるか……もういい加減レベル上げめんどいし。

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