111話
noteの記事書いてました。取材とスクショがクッソめんどくさかったです。短時間のバフ効果をスクショしろとかめんどくさすぎんよー。
どうぞ。
あとで考えると〈調弦の型〉と〈裁刀の型〉は使えない縛りがあったのだが……正面から殴り合っていたから効率が悪かったのか、俺はノイスに勝った。
「よっしゃー!」
『そこそこやったつもりだったんだがなァ』
警棒のようなもの、折れた鉄片がふたつ、噛み砕かれたような跡のあるメイスの先端――これが、俺の手に入れた成果だった。たった四つだけど、何十人も露天掘りして数個出るかどうかだったときに比べれば、恐ろしいほどのハイペースだ。
『この、穴の開いたやつと鎖付きのやつ……同じものなんじゃねェか?』
「似てるよね。現物が四つ揃ってるし、ブレイブなくても再生できるんじゃない?」
『やってみるのァ勝手だがね。こいつはオレの強化につながらなさそうだな』
「ん、それはそうかも」
ノイスが入っている機械の体にいちばん向いた戦闘スタイルは、双剣を使っての戦闘だろう。波打つように変形する刀剣は、どんなゲームでもかなり珍しいので、そっちはあんまり期待していないけど……左右のコンビネーションを考えるあたりだと、参考にするべきだと思う。
「あんまり使ったことないなぁ。ちょっといろいろやってみる」
『いろいろ、ねェ。信じて待ってみようか、お優しいマイマスターをな』
時計を見ると、そろそろログアウトする時間だった。
「じゃあ、ログアウトするね。おやすみ」
『あァ、そんな時間か。お疲れさんだな』
手近にあった出力ポイントは、天耀さんがいたときに登録してあった。ここでそのままログアウトすれば、またすぐに狩りも復元も始められる。
「あ、イベント交換の場所ってここにもあるんだ」
けっこうな数のモンスターを倒したからか、星霊〈サクヤヒメ〉を交換できるくらいの花びらが溜まっていた。こちらを向いて輝いたホロウィンドウをタッチして、イベントトークンを注入する。
『おっ、お仲間か! いいじゃねェの』
「だよね! こういうのがいちばんわくわくするんだ」
トランプの箱のようなものに、切り込むような角度でカードが刺さっている。桃色と黄緑色に光が揺れるそれを、つんと叩いてずらす。すると、箱が斜めに割れてエネルギー体が噴き出してきた。
「おう、おう。風はよいが、えらく緑の少ないところじゃのう」
「この星って、緑の多いとこあるのかな……?」
桜餅みたいな着物を着た幼女が、ふわぁとあくびをした。




